Mask
隠すという行為に注目した実験的なイメージギャラリー
- Itsuki Yamamura
- Keywords:Web, Graphic , Portrait
プロジェクトの背景・研究目的
背景
昨今の世の中では顔を隠すことが増えているように感じる。例えば、若者の間では文字や加工により顔を隠して写真を投稿することがSNS等で普及し、コロナウイルスの影響でマスクの着用を余儀なくされていることで人々は必然的に顔を隠している状態にある。
研究目的
本プロジェクトでは、隠すという行為に着目し、通常であれば見えるはずの顔を隠すという処理によって、対象の見え方がどのように変化するかを実験的に確認するWebサイトを制作する。
WEBサイトの制作イメージ
コンセプト
作品のコンセプト
「ポートレートの顔を隠すとどうなるか」をコンセプトに、人物ポートレートの顔を隠すことで、対象との関係がどのように変化するのかを追求した実験的な作品制作を行う。
プロジェクトタイトル
プロジェクトタイトルを決めるにあたり、隠すというキーワードから「Hide」や「Cover」などの候補があった。しかし、安直なイメージが強いため「Mask」というタイトルに決定した。マスクという言葉は現代社会においてウイルスの感染、拡大を防止するために着用するものとしての認識が高まっているように思う。だが、それと同時に正体を隠す、顔を覆い隠すといった意味、役割もある。また、本プロジェクトでは人物ポートレートの顔をグラフィックで隠してWeb上で展示する。正体を隠す、顔を覆い隠すという点でプロジェクトとの共通性を感じたため、「Mask」というタイトルを名付けた。
調査
顔を隠す表現方法の調査
人物ポートレートの顔を隠す表現方法を探すため、「グラフィックガール」の調査を行った。グラフィックガールは女の子自身をポップなグラフィックで覆うアーティスティックなグラビア作品で、写真、グラフィック、gifアニメーションを融合したコンテンツである。複数の要素を混ぜたコンテンツで、人物をグラフィックで覆い隠していることが本プロジェクトと共通していたため、制作時の参考の一つにした。
出典:GIFMAGAZINE
URL:https://gifmagazine.net/post_images/57412
WEBサイトの調査
人物ポートレートを載せるWebサイトの形を決めるにあたり、フォトグラファーの本浪隆弘さんのポートフォリオサイトを調査した。このサイトでは、正方形のポートレートが等間隔に配置されていることで、1つの画面に数多くの写真を載せていてもスッキリとした印象がある。そのため、Webサイトの形を考えるうえで参考にした。
出典:TAKAHIRO MOTONAMI
URL:http://takahiromotonami.com/photograph/portrait/
試作
顔を覆い隠すグラフィックの作成
試作するにあたり、グラフィックガール主宰のKASICOさんのプロフィール画像を参考とした。この画像ではポートレートの顔に平面的なグラフィックが施されている。一つの参考としてではあるが、このプロフィール画像のように顔の輪郭を追ったグラフィックでオリジナルのデザインを考えて試作を行った。
出典:FIXION
URL:http://fixion.jp/kasico/
立体的なグラフィックの試作
KASICOさんの画像では平面的なグラフィックが施されていたが、立体的に顔の形を描き起こしたグラフィックを施すと見え方はどう変わるのか試してみた。
まとめ
今後の制作
前期では試作を通して顔を覆い隠すグラフィックやWebサイトの構成を考えるにあたり、作品の形や方向性をはっきりさせることができた。
今後の活動としては、グラフィックの試作、ポートレートの撮影と調査を重ねて作品自体の完成度を高めていく。また、ポートレートの数を計15枚と設定しているが、20、30枚とより多くの作品を作れるように作業を進めていきたい。