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春はあけぼの

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、
紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。

方丈記

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。