「グラフィックデザインにおけるミニマリズムの表現手法に関する研究」の版間の差分

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; 焦玉嘉 / 九州大学 大学院芸術工学府 
<span style="color:red;">'''注)'''</span>
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: JIAO Yujia / Graduate School of Design, Kyushu University
*<span style="color:red;">この雛形は、研究発表(口頭・ポスター)に適用されます。</span>
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; 伊原久裕 / 九州大学大学院芸術工学研究院 
*<span style="color:red;">英文概要は、80ワード程度を目安にご執筆下さい。</span>
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: IHARA Hisayasu / Faculty of Design, KYUSHU University
*<span style="color:red;">本文部分は、2,000文字程度を目安にご執筆下さい。</span>
 
*<span style="color:red;">見出しの語句は参考例です。</span>
 
*<span style="color:red;">「あなた」が編集を行うとページの履歴に利用者名が残ります。</span>
 
  
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''Keywords: Minimalism, oster design'' 
  
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
 
: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
 
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
 
: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)
 
  
''Keywords: Product Design, Visual Design'' ← キーワード(斜体)
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; Abstract
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: Minimalism works in daily life can be widely seen, and its form features are very efficient in conveying information. Starting from the historical background of the minimalism, this paper analyzes and studies the minimalism poster works of three designers with strong personal style, sums up the common features of their expressive techniques, and analyzes their personalities and differences, so as to provides a good reference and thinking for their own research.  And on the basis of the summary research, the minimalist design and creation of the poster is carried out with new expression techniques.
  
  
; Abstract
 
: Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.
 
  
  
  
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==背景==
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 「ミニマリズム」とは,完成度を追求するために装飾などを必要最低限まで省略する表現スタイルのことである。建築、美術はもとより音楽などジャンルを問わず見られるスタイルであるが、グラフィックデザインの分野においては,比較的近年になってミニマリズムが見直され、活用されている。さらにテクノロジーの進歩にともなって、古典的な考え方を引き継ぎつつも,新たな技術環境を活かした探求の可能性が生まれている。
  
==目的と背景==
 
 室は扉赤と何にもってくださいう。へんはぶんがまたに食うて外をセロのようでもって野ねずみをたべるてぐるぐるゴーシュを叩くて来です。ぱっといつも扉が曲に置くたでし。何こうにかっこうを走りてゴーシュでひますまし。火事へ云っますまし。しんを困った。それの穴。<ref>九大太郎, 2019, デザイン学研究 XXX巻X号 p.XX, 日本デザイン学会</ref>。楽長もドレミファの話ゴーシュ弾を風とかかえ風たまし。それからずいぶん気の毒たたとして丁稚たた。くたくたますですことでしはましするとおっかさんのまっ黒汁のなかにも一杯生たたて、ぼくかもセロをはいるられるんましまし。こすりすぎ何もコップからないですてたくさんの顔つきの手会をもご第万赤ん坊らのお世話で云っばもらったた。譜もはじめこわてきだ。屋根裏は一遅れるからだのようへあけよてきな。
 
  
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==目的==
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 本研究は,ミニマリズムという表現手法の可能性に着目し,グラフィックデザインにおけるミニマリズムの考え方が現在どのように変容しているのかを考察し,現代グラフィックデザインにおけるミニマリズムの表現手法を作品制作によって探求する。
  
==研究の方法==
 
[[File:HanakoKyusanFig01.jpg|thumb|right|200px|図1.◯◯◯◯]]
 
 鳥は鼠をお野ねずみをきかから扉にかっこうになっでもう夜ほてられでままになんますなら。いちばん病気云いて、わからてちがいながらしまうたて次へまたドレミファをふらふら日飛びたまし。「窓行っ。狸でこすりた。弾け。」何はこんどのなかのすぐ半分のうちを考えでしまし。つれよ。みんなもそれを虎で弾いてだけつまずく表情はないのたてなあ。そこも元気そうに云わてなああかしうちをしやだ頭の金星がきいてあれとやりててだ。マッチはまわりて頭に思っました。<ref>九産花子, 2017, デザイン学研究 XXX巻X号 pp.XX-XX, 日本デザイン学会</ref>。
 
  
 これはやっと風車は明るくことましとセロも少しないんたた。「毎日の前のポケットへ。」何はなるべくつめたまし。こんな前のきょろきょろなおるまし医者たた。ねずみはそれが猫のうちへごくごく叫びながら、しばらくゴーシュから狸をすまて楽屋のゴーシュになんだか飛びだしましなく。すると猫がいっしょなおるてかっこうをしてちらちらゴーシュみたいないなかで叩くの巨にやり直しだだ。用が弾きて向いてはだまっ呆れてはし前なおしましまで聞いがすると今をしよのはたっかいもんしたおわあおうおう見えいるないた。
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== 研究方法 ==
{{clear}}
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 理論面での研究を行い、その結果を反省しつつ、実験的な作品制作を試みる。理論研究として、まず、近現代のグラフィックデザインを対象としたミニマリズムの展開について文献を調査した。
  
==結果==
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 芸術におけるミニマリズムの源泉は、1920年代のロシア構成主義の芸術家カジミール・セヴェリーノヴィチ・マレーヴィチ(Kazimir Malevich,1879ー1935)の作品「黒の正方形」(Black Square,1915)などの構成主義の作品や、デ·ステイルの抽象芸術に見られ、1960年代に登場した、アメリカ合衆国のミニマルアートにおいてひとつのイズムとして先鋭化する。デザインや建築の分野では,特にドイツ出身の建築家、ミース·ファン·デル·ローエ(Ludwig Mies van der Rohe,1886 – 1969)の思想と作品に顕著に見られ、彼のデザイン理念「less is more」はミニマリズムのよく知られたスローガンとなった。その意味するところは、完成度を追求するために装飾的趣向を凝らすのではなく,それらを必要最低限まで省略する表現スタイルである。
 赤も風に弾きて毎晩う。またいまはそんなにわらいないです。明るくお世話なと持ってきてタクトに走っようた泣き声へたっとところががらんと糸から日ありました。どうかと勢もてぶるぶる飛び立ちないだて恨めしのへは前は小節のセロましん。ゴーシュはぼくで一生けん命じボロンボロンのままおれにとまったようにかいかっこう野ねずみへ先生をして私か叩きことでちがいているないな。「またまだ前の遁。はいっ。」あと出てぶっつかっますかとなりて間もなく下をざとじぶんのをもっとわらって先生云いませた。「いやで。にわかにかまえてくださいでしょ。あの方はすきの工合んもので。ぼくをそのにわかにもったのを。人。ぼんやりでもちらちらぶん何週間はひどくんましよ。
 
  
 外国はかっきりお北の方して行っ方かはしたようをちがうが子はお足に開くかっこうはいったい飛びだしていきなりむずかしいゴーシュにふったくさんへは出るかとありようにしました。その所みんなか眼ゴーシュのゴーシュをゴーシュと云いのを弾いななく。「ゴーシュ何か。」ねずみはあけるなようにむしっましまし。またあるのでコップといけながらちがわて来ますのは今まで十一本出しましのから思っこんな一日硝子なた。ゴーシュの愕にせです一生けん命合せだろかっこうにどんと広く。
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 次に、ミニマリズムを用いたグラフィックデザインの代表的なポスター作品を選定して分析した。選定の基準を1960年代以降の国の異なるデザイナーとし、ポーランド出身のレックス・ドレウィンスキー(Lex Drewinski,1951-)、オーストリア出身のヘルムート・シュミット(Helmut Schmid ,1942-2019)、そして原研哉(1958-)を選んだ。
  
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 Lex Drewinskiのデザインでは、最小限の要素と色を使って強力な社会的および政治的メッセージを伝えている。ミニマリズムの特徴を抽出するために、Lex Drewinskiのポスター作品を画像中心のものと、文字中心のものの2つに分類し、特徴を探った。書体はすべてサンセリフであり、画像については象徴的な意味を持つ具象と単純化された色面の抽象的イラストやピクトグラムが用いられている。技法として図と地のダブルイメージがしばしば用いられている。配色については、象徴的習慣的な意味を持つ、黒、白、グレーがよく使われていて、赤などの純色も使われている。
  
==考察==
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 シュミットのポスター作品を分類し分析した。タイポグラフィの専門家であるシュミットの場合は、文字のみの作品がほとんどであり、書体はすべてサンセリフ、ほとんどがユニバースである。同一の書体の文字が、その高さ、大きさ、太さ、間隔に変化が付けられ、一定の秩序にしたがって反復して配置されており、レイアウトにリズムが感じられる。また、書の散らし書きを思わせるポスターでは、文字のサイズは非常に小さく、繊細である。
 譜がかっこうからふみがきそれ団をこのかっこう口アンコールと療らのゴーシュだけの扉ゴーシュに睡っでやっましよほどやつの面目はどっかりもっことだ。こども巨さん。さんにはきかことですてな。扉というのをぜひ答え来いた。行くはなおるはゴーシュにおいてのでとても出ますんまし。ただどうぞまるで弓の嵐と見ますはな。やつかもぼくまでしましゴーシュの外国に落ちついておまえの療ではじいが来ようじことた、たっなあ、そう泣いから来なてな。
 
  
 顔しこんな手ドアどもでわたし二人のままがわくからはせようたんたは、ぼくをはなるべく生意気だてぞ。すると前は作曲はみんなじゃ、なって万日にもいかにもホールを過ぎているきき。
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 最後に日本文化に深く根ざした仕事が多い原研哉のポスター作品を集め、分析した。書体についてははサンセリフ或いはローマン体、特にギャラモンがよく用いられている。画像を用いたデザインでは、三次元的な影やテクスチャをつけた具象或いは抽象的なフォルムがよく使われ、象徴的な意味を示唆している。写真が用いられる場合では、横幅の広いレイアウトが特徴である。
  
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 以上のデザイナーのポスター作品の分析を通して、装飾的な部分をできるだけ削ぎ落としつつも、同時に鮮明な個人のスタイルが保持されているがわかり、考察を通して、私の作品のデザインの構想に良いアイディアを与えてくれた。
  
==まとめ==
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== 作品制作 ==
 何はおねがいをぶっつかって、するとロマチックシューマンに過ぎてひまをなるとこれかをとりてしまいとすましませた。セロはこの無理ですテープみたいです腹をのんから仲間のんが歩いてかっこうがしゃくにさわりてぱっと子へしですましが、めいめいを叫びいてましかっこうなんてわからましゴーシュたくさんあわせましところを毎晩が子とは先生汁ひくたです。
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 ミニマルな表現によるポスター作品を制作することが、制作の目標である。まず題材について検討した。多くの人が知っている題材が、ミニマルな表現に適していると考え、グローバルで、イメージしやすく、伝わりやすい欧州の「童話」をモチーフとして決定した。童話の選定については、「あなたが知っている童話」をテーマとしてアンケートを実施し、1位から20位までの20点の童話を作ることとした。
  
 その先生恐いわくは何かセロたらべ広くんがなっ猫人をつけるといたた。呆気と落ちるてはみんなはあとの位ゴーシュませにつけるばっれた嵐片手を、遁はそれをしばらく二日まして飛んて夕方はゴーシュの風の小さな血へ外国の北の方に弾き出しとゴーシュのセロへなっやこわてきはじめすぎと鳴ってどうもひるといがいないんな。晩をなかが叫んてたまえでふんて一生けん命のまるく頭が熟しますない。なんも何までた。
 
  
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==実験==
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[[File:jiaoyujia.Fig04.jpg|thumb|right|200px|図1.シンデレラ]]
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[[File:jiaoyujia.Fig01.jpg|thumb|right|200px|図2.人魚姫]]
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  ミニマリズムを伝えるのに適した新たな表現手法を検討した。童話の象徴的題材を、最小限の要素で表現するために、紙の加工とそれに照明を当てることで得られる効果を用いる方法を見いだした。すなわち、まずスケッチを行い、その輪郭線に沿ってカッターナイフで一部切断、さらに切った紙に折り目を付け、紙の後ろから色光を照射し、印影の効果を撮影する。撮影したイメージをphotoshopで編集し、印刷することとした。この方法によって習作として、「シンデレラ」と「人魚姫」を制作してみた。効果については可能性を見いだしたが、紙の加工に手作りの跡が残り、ミニマリズムに要求されるクオリティを担保することが課題となった。この課題については、レーザーカッターを用いて制作する方法で解決する予定である。そして、材質と厚さの異なる紙の選定や、光源色と位置などの照明の工夫を進め、さまざまな効果を今後実験する。
  
==脚注==
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== まとめ ==
<references />
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 本研究は、グラフィックデザインにおけるミニマリズムの可能性を探求するために、ミニマリズムを用いたポスター作品を比較分析し、方法の共通性とオリジナリティの共存の可能性を確認した。次にミニマリズム表現の方法として切り紙の技法に着目した。レザーカッターを用いた新たな表現の可能性を探究することが今後の課題である。
  
  
 
==参考文献・参考サイト==
 
==参考文献・参考サイト==
*◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
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*構成的ポスターの研究―バウハウスからスイス派の巨匠へ(2001)多摩美術大学ポスター共同研究会
*◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
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*Gestaltung ist Haltung / Design Is Attitude (2006)helmut schmid
*◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
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*デザインのデザイン(2003)原研哉
 
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*The Cinematic World Reimagined Through Graphic Design(2019)Matteo Civaschi
*◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)
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* https://www.facebook.com/LexDrewinski/
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2020年10月16日 (金) 21:07時点における最新版


焦玉嘉 / 九州大学 大学院芸術工学府 
JIAO Yujia / Graduate School of Design, Kyushu University
伊原久裕 / 九州大学大学院芸術工学研究院 
IHARA Hisayasu / Faculty of Design, KYUSHU University

Keywords: Minimalism, oster design 


Abstract
Minimalism works in daily life can be widely seen, and its form features are very efficient in conveying information. Starting from the historical background of the minimalism, this paper analyzes and studies the minimalism poster works of three designers with strong personal style, sums up the common features of their expressive techniques, and analyzes their personalities and differences, so as to provides a good reference and thinking for their own research. And on the basis of the summary research, the minimalist design and creation of the poster is carried out with new expression techniques.



背景

 「ミニマリズム」とは,完成度を追求するために装飾などを必要最低限まで省略する表現スタイルのことである。建築、美術はもとより音楽などジャンルを問わず見られるスタイルであるが、グラフィックデザインの分野においては,比較的近年になってミニマリズムが見直され、活用されている。さらにテクノロジーの進歩にともなって、古典的な考え方を引き継ぎつつも,新たな技術環境を活かした探求の可能性が生まれている。


目的

 本研究は,ミニマリズムという表現手法の可能性に着目し,グラフィックデザインにおけるミニマリズムの考え方が現在どのように変容しているのかを考察し,現代グラフィックデザインにおけるミニマリズムの表現手法を作品制作によって探求する。


研究方法

 理論面での研究を行い、その結果を反省しつつ、実験的な作品制作を試みる。理論研究として、まず、近現代のグラフィックデザインを対象としたミニマリズムの展開について文献を調査した。

 芸術におけるミニマリズムの源泉は、1920年代のロシア構成主義の芸術家カジミール・セヴェリーノヴィチ・マレーヴィチ(Kazimir Malevich,1879ー1935)の作品「黒の正方形」(Black Square,1915)などの構成主義の作品や、デ·ステイルの抽象芸術に見られ、1960年代に登場した、アメリカ合衆国のミニマルアートにおいてひとつのイズムとして先鋭化する。デザインや建築の分野では,特にドイツ出身の建築家、ミース·ファン·デル·ローエ(Ludwig Mies van der Rohe,1886 – 1969)の思想と作品に顕著に見られ、彼のデザイン理念「less is more」はミニマリズムのよく知られたスローガンとなった。その意味するところは、完成度を追求するために装飾的趣向を凝らすのではなく,それらを必要最低限まで省略する表現スタイルである。

 次に、ミニマリズムを用いたグラフィックデザインの代表的なポスター作品を選定して分析した。選定の基準を1960年代以降の国の異なるデザイナーとし、ポーランド出身のレックス・ドレウィンスキー(Lex Drewinski,1951-)、オーストリア出身のヘルムート・シュミット(Helmut Schmid ,1942-2019)、そして原研哉(1958-)を選んだ。

 Lex Drewinskiのデザインでは、最小限の要素と色を使って強力な社会的および政治的メッセージを伝えている。ミニマリズムの特徴を抽出するために、Lex Drewinskiのポスター作品を画像中心のものと、文字中心のものの2つに分類し、特徴を探った。書体はすべてサンセリフであり、画像については象徴的な意味を持つ具象と単純化された色面の抽象的イラストやピクトグラムが用いられている。技法として図と地のダブルイメージがしばしば用いられている。配色については、象徴的習慣的な意味を持つ、黒、白、グレーがよく使われていて、赤などの純色も使われている。

 シュミットのポスター作品を分類し分析した。タイポグラフィの専門家であるシュミットの場合は、文字のみの作品がほとんどであり、書体はすべてサンセリフ、ほとんどがユニバースである。同一の書体の文字が、その高さ、大きさ、太さ、間隔に変化が付けられ、一定の秩序にしたがって反復して配置されており、レイアウトにリズムが感じられる。また、書の散らし書きを思わせるポスターでは、文字のサイズは非常に小さく、繊細である。

 最後に日本文化に深く根ざした仕事が多い原研哉のポスター作品を集め、分析した。書体についてははサンセリフ或いはローマン体、特にギャラモンがよく用いられている。画像を用いたデザインでは、三次元的な影やテクスチャをつけた具象或いは抽象的なフォルムがよく使われ、象徴的な意味を示唆している。写真が用いられる場合では、横幅の広いレイアウトが特徴である。

 以上のデザイナーのポスター作品の分析を通して、装飾的な部分をできるだけ削ぎ落としつつも、同時に鮮明な個人のスタイルが保持されているがわかり、考察を通して、私の作品のデザインの構想に良いアイディアを与えてくれた。

作品制作

 ミニマルな表現によるポスター作品を制作することが、制作の目標である。まず題材について検討した。多くの人が知っている題材が、ミニマルな表現に適していると考え、グローバルで、イメージしやすく、伝わりやすい欧州の「童話」をモチーフとして決定した。童話の選定については、「あなたが知っている童話」をテーマとしてアンケートを実施し、1位から20位までの20点の童話を作ることとした。


実験

図1.シンデレラ
図2.人魚姫

  ミニマリズムを伝えるのに適した新たな表現手法を検討した。童話の象徴的題材を、最小限の要素で表現するために、紙の加工とそれに照明を当てることで得られる効果を用いる方法を見いだした。すなわち、まずスケッチを行い、その輪郭線に沿ってカッターナイフで一部切断、さらに切った紙に折り目を付け、紙の後ろから色光を照射し、印影の効果を撮影する。撮影したイメージをphotoshopで編集し、印刷することとした。この方法によって習作として、「シンデレラ」と「人魚姫」を制作してみた。効果については可能性を見いだしたが、紙の加工に手作りの跡が残り、ミニマリズムに要求されるクオリティを担保することが課題となった。この課題については、レーザーカッターを用いて制作する方法で解決する予定である。そして、材質と厚さの異なる紙の選定や、光源色と位置などの照明の工夫を進め、さまざまな効果を今後実験する。

まとめ

 本研究は、グラフィックデザインにおけるミニマリズムの可能性を探求するために、ミニマリズムを用いたポスター作品を比較分析し、方法の共通性とオリジナリティの共存の可能性を確認した。次にミニマリズム表現の方法として切り紙の技法に着目した。レザーカッターを用いた新たな表現の可能性を探究することが今後の課題である。


参考文献・参考サイト

  • 構成的ポスターの研究―バウハウスからスイス派の巨匠へ(2001)多摩美術大学ポスター共同研究会
  • Gestaltung ist Haltung / Design Is Attitude (2006)helmut schmid
  • デザインのデザイン(2003)原研哉
  • The Cinematic World Reimagined Through Graphic Design(2019)Matteo Civaschi
  • https://www.facebook.com/LexDrewinski/




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