地域振興におけるインタラクティブ動画の可能性

提供: JSSD5th2021
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陳嵐清/ 九州産業大学大学院 芸術研究科
CHEN LANQING / KYUSHU SANGYO UNIVERSITY


Keywords: Regional Development, Interactive Video


Abstract
With the rise of short video, many short video based platforms have emerged in China. With the spread of short video content, a huge number of short videos will be distributed, and users expect high quality content.In this study, we took advantage of short video, utilized a high-quality platform with many PGCs, and adopted the form of interactive video. The purpose is to verify the role and possibility of regional development by disseminating information using an interaction system, extract methods, and clarify future prospects.



背景と目的

現在の日本は、2021年開催された東京オリンピックなど、海外観光客(インバウンド)の誘致に向けた大規模イベント等が計画されており、コロナ感染が拡大する2020年の初めまでは、主要都市や観光都市にインバウンドが集中していた。インバウンドを増やすことは、地方都市においても社会的、経済的な振興に繋がる重要な施策であり、そのためには地方都市の新しい魅力を発見し、その情報を新しいスタイルで発信することが重要と考えている。本研究は留学生の視点(インバウンド視点)から、福岡県内の地方都市の魅力を発見し、その情報をインタラクションシステムという考え方や手段を使って、海外や国内の観光需要層に対し、地方都市の魅力を発信し、観光客として誘致を促す旅行ガイドの可視化を試みるものである。研究事例として、福岡市から公共交通機関を利用して1時間圏内にあり、歴史的、文化的資源や自然環境に恵まれた宗像市周辺に焦点を当てる。

ショートビデオの台頭に伴い 、中国では多くのショートビデオベースのプラットフォームが登場している。ショートビデオのコンテンツが普及したことで、膨大な数のショートビデオが配信され、ユーザーは質の高いコンテンツを期待する。

本研究ではショートビデオの利点を活かし、多数のPGCを備えた高品質のプラットフォームを活用し、インタラクティブビデオという形を採用した。インタラクションシステムを用いた情報発信による地域振興の役割・可能性の検証、方法の抽出、今後の展望について明らかにすることである。

図1.研究概要




研究の方法

SWOT分析を用いて、宗像市の観光産業の発展状況や地域振興に活用する上での問題点及びその改善策について確認し、先行研究から観光動機の誘発やインタラクション動画に関する研究知見を踏まえ、観光動機を誘発するための手段や方法、インタラクション動画の発信形式や構成要素等を明らかにする。

図2.SWOT分析
図3.CROSS SWOT分析





結果

本研究で想定したインタラクションシステムは、ユーザーの選択行為を内包した情報の総合であり、目的は的確にユーザーの好みや志向を把握することで、インタラクションシステムでは、ユーザーが無意識の選択行為による意思決定を行い、ユーザーの行為によってデータ収集が可能になることが分かった。

即ち収集されたデータの分析結果から、観光スポットの改善等を行い、サービスレベルの向上につなげることができる。

経済学の研究手法であるCROSS SWOT分析を用いて、宗像市の観光産業の発展状況や地域振興に活用する上での問題点及びその改善策について言及し、宗像市の観光資源に関する現地調査を行い、実際の状況を現地で確認、記録した。

参考文献の探索、購読を行い、観光動機の誘発やインタラクション動画に関する研究知見から、観光動機を誘発するための手段や方法、インタラクション動画の発信形式や構成要素等を明らかにするとともに、中国帰国中に実施した動画配信実験の方法や結果について言及する。第3章の結果から、旅行ガイドブックの情報可視化のデザイン要件や仕様等を導く。

図4.CROSS SWOT分析の結果




まとめ

研究対象である宗像市は、県内の太宰府市と比べてもインバウンド観光は盛況とは言えない。SWOT分析や現地調査から宗像市は国内、海外からの観光需要に応えることができる自然や歴史、文化的な観光資源は豊富である。 本研究の主要テーマであるインタラクションとは、一般的に「機械の入出力、または人間の知覚/動作を介した情報伝達行動のサイクル」、「機械と人間との間の情報伝達」と定義されている。重要な点は、ユーザーが意図したゴールに辿り着けるような、適切な動線やフィードバックを設計することである。本研究で想定したインタラクションシステムは、ユーザーの選択行為を内包した情報の総合であり、目的は的確にユーザーの好みや志向を把握することである。即ちインタラクションシステムでは、ユーザーが無意識に選択行為による意思決定を行い、ユーザーの行為によってデータ収集が可能になる。収集されたデータの分析結果から、観光スポットの改善等を行いサービスレベルの向上につなげることができる。

参考文献・参考サイト

  • [1] 佐々木土師二. 旅行者行動の心理学. 吹田, 関西大学出版部,2000,410p. 4873543002
  • [2] 「情報通信技術を活用した観光振興策に関する 調査業務」報告書.2018
  • [3] 岡本卓也,佐藤広英. 観光動機の違いによる情報の収集と発信. 地域ブランド研究.2015, 10,p.13-27.
  • [4] 林幸史,藤原武弘. 訪問地域,旅行形態,年令別にみた日本人海外旅行者の観光動機. 実験社会心理学研究,2008, 48(1),p.17-31.
  • [5] 観光庁観光地域振興課:ICT活用による観光振興サービスガイド.2014
  • [6] Kaizen Platform 公式note. “SNS動画の長さはどれくらいが最適?各SNSに適した動画時間を解説!”.kaizenplatform. 2020-04-26. https://media.kaizenplatform.com/n/n2080725ac45b,(参照2020-08-06)
  • [7] 「情報通信技術を活用した観光振興策に関する 調査業務」報告書.2018
  • [8] 浜本階生. “具体例で学ぶ!情報可視化のテクニック”. 技術評論社. 2008-10-14. https://gihyo.jp/dev/feature/01/visualization,(参照2020-11-20)