「家庭料理における手順の省略によるコミュニケーションの変化の研究」の版間の差分
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2021年10月25日 (月) 06:20時点における版
- 木尾優馬 / 九州大学 統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 感性価値クリエーションコース ← 氏名 / 所属 (筆頭者)
- Yuma Kio / Kyushu University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
Keywords: Communication Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
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背景と目的
近年食品産業の成長は著しく、日本冷凍食品協会の令和3年“冷凍食品の利用状況”実態調査によると女性の87.7%、男性の84.4%が月に1回以上冷凍食品を使用しており、調理済み食品は世の中に浸透していると言える。
しかし、2020年の4月SNS上で「冷凍餃子を使うことは手抜きか、手間抜きか」という論争が話題となった。福島(2020)は、高度経済成長期に「食事作りは主婦の役割である」という意識とともに「スーパーで買ってきた素材と調味料を組み合わせて料理を完成させることが『手作り』である」という家庭料理のイメージが形成されたとしており、女性の社会進出が進みつつある現代でも「手作り=愛情」という考えが内面化しているとしていると述べている。
また、石毛(2009)は、 工場で作った食品には作った人と食べる人のあいだの個別的なコミュニケーションが欠けている。そこでコマーシャルを通じて経済性や美味さの他に、機械で製造される商品に人間味のあるメッセージを付加しようとしていると述べている。
家庭料理を食べるシーンでのコミュニケーションの研究は多く存在するが、「愛情」や「人間味」といった現代の家庭料理の作り手と食べ手のコミュニケーションの実態についての事例はなく、まだ明らかにされていない。本研究では調理済み食品、半調理済み食品が省略する家庭料理の手順に焦点を当て、作り手と食べ手のコミュニケーションの実態を調査し、現代における食品会社のCMが作り手と食べ手の関係にどのように訴求しているのか分析・考察することを目的とする。
研究方法
本研究では、家庭料理において調理を市販の調理済み食品を使用して簡略化した料理と、していない料理をいくつかの調理手順に分けて考え、作り手と食べ手の料理を通した感情的なコミュニケーションに各段階でどのような変化があるの現状調査を行う。
次に前述の調査結果と比較する形で2021年9月〜11月に放送されている食品のCMの中で作り手と食べ手が登場しているものについて、分析・考察を行う。
現状調査
調査概要
相良(2009)は食において美味しさに関わるとされる、認知的要因は個人の記憶、態度、知識による部分が大きいので定量的に一般化されていないと述べており、料理の作り手における感情も同様に定量化が困難だと考えられる。
作り手と食べ手の感情の全体像を掴むために、本調査では回答者の料理の作り方を石毛(2009)のモデルを参考に「したごしらえ」「混合・加熱・変形」「味付け」「盛りつけ」の4つに分けて考え、調理手順の省略による感情の変化を図1の自由形式のアンケートで調査を実施した。
結果・考察
結果〜人に聞くことができ。内訳は 近しい意見を集め以下のようにポジショニングをして分析を行った。結果が以下の図①〜⑫だ。
作り手側は
* 相手に美味しい料理を食べてほしい、健康でいてほしい、お腹いっぱい食べてほしい、楽しんでほしい * 自分が料理を作ったことに対する達成感や満足感がほしい * できるなら楽をしたい
という感情を持っている。 作り手側は料理の手順を省略するごとに「手抜き」に対して罪悪感を感じる人が一定数増えていく。 既製品は味や食感がコントロールできないため相手との関係性次第で、相手の味の好みに合うか不安に感じることもある。
食べ手側は
* 自分を思って丁寧に料理したり工夫をしてくれることに対して * 時間を使って作業をして、料理を作ってくれることに対して * 食事を用意してくれることに対して
相手に感謝や嬉しさを感じており、ときに手順の省略により相手への欲求になる。 作り手との関係性により、尊敬や信頼、相手の成長の喜び、相手の心配などの感情がある。 食べて側は料理の手順が省略されても上記のどれかの理由で作り手に感謝や嬉しさを感じている。
この仮説のもと本調査から各料理手順について考察を行うと
「全て手料理」は
「味付けの省略」は
「味付けとしたごしらえの省略」は
「味付けとしたごしらえと混合・変形・加熱の省略」は
「前質問へアレンジを付加」は
「全ての手順の省略」は
今後の展望
本調査の考察で立てた仮説は、各手順での感情の全体像マッピングから考えられたもので、個々人の料理スキル、作るまたは作ってもらう相手との関係性、手順間での個人ごとの感情の移り変わりなどを考慮できていないため、感情や個人間の関係性も含め、本調査で得られた感情の全体像を基に定量的な調査を行う予定。 また性別や年齢による感情の出方により詳細な考察を行うために、幅広いモデルにインタビュー調査などを行う予定。
まとめ
脚注
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)