インスタ映え建築における映える要素に関する研究

提供: JSSD5th2022
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譚建良 / 九州大学 芸術工学府 

Keywords: Social Media, Architecture, AI 


報告

図1.ファイル:画面判別プログラム使用例

 近年、ソーシャルメディアの普及に伴い、自分で撮影した写真をインスタグラム(以下:インスタ)に投稿する人が増えてきた。たくさん「いいね!」をもらえるように、見栄えの良い写真を投稿しようとする現象は「インスタ映え」と呼ばれ、社会現象となっている。その中でも、建築に関するタッグの投稿数が数千万に達し、「インスタ映え」の対象として、重要な要素の一つとなっている。今、日本では人口が地方から首都圏に集まり、地方の活力が低下しつつある。そのため、人々を呼び寄せる観光産業が地方の地域振興策の一つとして重要であり、「インスタ映え」建築が観光産業に積極的な影響を与える可能性がある。「インスタ映え」建築はどのような特徴を持ち、そして地域全体にどういった変化をもたらしているのか。これらの問いを定量的に検討することにより、ソーシャルメディアの視点における地域活性化の示唆を提供することができるであろう。そこで本稿は画像解析や現地調査などの方法を用い、「インスタ映え」建築の基本的な特徴および地域への影響を明らかにすることを目的とする。

 まず日本国内で大都市以外に位置する近現代建築のハッシュタグ投稿数が一万以上を超える建築を研究対象とする。当地域における観光産業の旅行人数や旅行消費などの変遷を総合的に調査し、各年度「インスタ映え」建築が観光産業に与える影響を分析する。各年度のインスタのタッグ付きの投稿写真を収集し、目視で映える要素を大まかに把握する。次に自動的に映える要素を判別するため、分類された要素の写真を人工知能プログラムに学習させる。訓練された人工知能プログラムを用いて全部の投稿写真を解析し、各年度各対象の映える要素を明らかにする。以上の結果を基に同じ建築の年間の映える要素を比較し、その映える要素の変化パタンを分析する。また、同じ時期の異なる建築の映える要素を比較し、その時期に特徴的な映える要素を分析する。最後に、総合的に考察を行い、「インスタ映え」建築の基本的な特徴および地域への影響を明らかにする。




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