行為との関係から見た空港情報システムのインクルーシブ性を高める研究

提供: JSSD5th2022
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高榕 / 九州大学 芸術工学府 
Gao Rong / Kyushu University 


Keywords: Information Design, Service Design 


Abstract
Taking the airport's entry information system as a sample, from the perspective of the relationship with people's behavior, it studies the way of inclusive design of the information system. The main research target population will be foreigners. It aims to eliminate the information constraints for people with dyslexia and create easier entry services for users.


背景

 入国制度の緩和に伴い、日本に入国する外国人の数が増えている。外国人は入国の際、「緊張」「抵抗」「話す勇気がない」などの問題に直面する。新たな環境に入ると、環境内の複雑な情報システムもその環境に初めて接触する人の心理状態に大きく影響する。情報の意味を正確に理解できない場合には、利用者が目的地にスムーズなアクセスを妨げる。理想化された情報システムはインクルーシブ性を持つべきであり、つまり利用者の排除感を除去することである。情報システムにとって、排除感は情報制約から来ており、排除感を除去するには情報制約を解消すべきである。

先行研究

 まずこれまで研究室で調査している熊本地震の避難所貼り紙の調査を基に、方法を学習した。さらに、九州大学キャンパスを基に、情報システムの調査と分析を行った。主に情報と空間、利用者の角度から現在の情報システムが存在する問題を分析した。正門エリアを基に、貼り紙を調査し、分類比較、要素還元などの方法を通じて、現在のキャンパス内の情報システムには主に以下の問題を得た:(1)情報の意義と分布が一致しない。利用者にミスリードを与える。(2)レイアウトが不合理である。利用者が目的地に向かう移動中に余計な動作が発生する。(3)情報読み取りの難易度と機能が一致しない。情報の伝達性が低くなることにより、目標機能を十分に達成できない。(4)情報のスタイルは複雑である。情報と環境の不一致であり、利用者に抵抗感を与え、情報の伝達を阻害する。以上の問題は、この情報システムに初めてアクセスする利用者の理解性が低く、情報制約をもたらす。問題を総合し、情報制約に影響する主な要因は:情報内容、レイアウト、表現形式である。「ユーザーの行為遂行の 7 段階理論(D.A.Norman)」に基づいて利用者の行為を分析した、これらの要因が利用者の理解性に影響を与えることが分かった。すなわち、情報制約に影響を与える主な原因は利用者の行為と一致しないことである。



研究対象

 情報制約の対象は,高齢者,外国人,読解障害者など,読解力が乏しい人である。インクルーシブデザインの研究にはターゲットグループの参加が必要であるため、本研究では外国人を研究ターゲットとして選択することで、自身の経歴を結合することもできるし、身近な他の外国人の体験を参考にすることもでき、研究の進行に有利である。

 本研究では、行為との関係から、公共場所内の情報システムのインクルーシブ性を高める研究を行う。本研究では、外国人を主なターゲットとする。先行研究によると、情報制約の影響要因は主に利用者が初めて接触する環境の情報システムに現れ、外国人にとって入国後最初に接触する場所は着陸する空港であるため、今回の研究では空港の情報システムを主な研究サンプルとする。特定の言語読解障害を持つ外国人にとって、情報の表現形式は最も設計研究価値と向上空間があることを考慮し、今回の研究は情報の表現方式から着手して、外国人の排除感を除去する情報システムの表現形式を研究する。。


研究内容

 今回の研究では、何度も調査と実験を行い、現在の空港情報システムの不足をまとめて分析し、外国人の体験と心理を結合し、次の学習を通じて、より良い理論と技術を習得し、情報システムをインクルーシブのデザイン方法を研究する。特に、掲示だけでなく配付情報や様々な事柄から、「入国」を情報デザインにより読み解き、情報デザインより解決していく。将来的には、本研究で得られたデザイン研究方法は、空港における外国人が入国する場合状況だけでなく、他の情報システムのインクルーシブデザインにも広く活用され、参考になると考えている。


研究方法

 本研究は主に以下の方法で行い、まず福岡空港を主なサンプルとして、情報システムを実地調査し、調査結果を分析します。ターゲットグループ、つまり外国人に対するアンケート、いくつかの関連文献を通じて、より理解しやすい表現形式を分析します。以上を総合して、情報システムのインクルーシブ性の要素について分析を行います。これらの研究内容によって、新しいデザイン提案の試作を行い、実験を通じて試作に対して検証と繰り返しの討論を行い、最終的に検証できるデザイン方法を得るまで行います。

まとめ

キャンパス内の情報システムの研究によると、複雑な情報システムは初めて接触した人にとって情報制約がある。私はキャンパス情報システムの研究を基礎に、既知の研究方法に基づいて、キャンパス情報システムの存在する問題を参考にして、福岡空港を主な研究サンプルとして、空港の入国情報システムに対して調査と研究を行います。本研究で得られたデザイ研究方法は、空港における入国状況だけでなく、他の利用者が初めて接触する情報システムのインクルーシブデザインにおいても広く活用することができる。


参考文献・参考サイト

  • 彦坂渉、田中直人、宮井雄太:空港施設利用者による現状サイン評価と経路探索時の見回し行動の発生傾向(2009) 日本建築学会計画系論文集 74(640)、p.1323-1330 
  • 橋口恭子、片岡春乃、和合加愛、市川裕介、手塚博久、山下慎一郎、久原勇作、秋山哲男:デザインのユニバーサル性に配慮した動的サインの表現様式の研究 (2016)  日本デザイン学会