「インタラクティブ動画の現状調査」の版間の差分
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インタラクティブ動画の核心は「インタラクション」であり、技術の発展とともに、インタラクションの形態は、従来の分岐型プロット選択(=「ABドラマ」)から画面情報の探索、マルチビュー切り替え、ゲーミフィケーション探索など多様化し、映像制作にさらなる可能性を提供している。 | インタラクティブ動画の核心は「インタラクション」であり、技術の発展とともに、インタラクションの形態は、従来の分岐型プロット選択(=「ABドラマ」)から画面情報の探索、マルチビュー切り替え、ゲーミフィケーション探索など多様化し、映像制作にさらなる可能性を提供している。 | ||
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2022年10月25日 (火) 11:43時点における版
-日中比較を中心に -
- 陳嵐清 / 九州産業大学 大学院 芸術研究科
- Lanqing Chen / Kyushu Sangyo University
Keywords: Interactive Video, Interactive Design, Media Platform
- Abstract
- With the spread of mobile internet, mass consumption of entertainment and the development of digital internet technology, the short video industry has undergone a rapid transformation and has gradually come to occupy a mainstream position in social media. This is where a new mode of short video called 'interactive video' has emerged. Interactive video is a fusion of short video + interactive action (interactive button: touch on mobile, click on PC) + storyline (plot tree), and has emerged as a new potential in the video industry, reaching Internet It is becoming increasingly visible to Internet users as a new potential player in the video industry.
背景と目的
本発表は筆者が取り組んでいる「地域活性化に関わるインタラクティブ動画の可能性」の研究に関連して、その現状調査を行った結果を報告するものである。
モバイルインターネットの普及、娯楽の大量消費化及びデジタルインターネット技術の発展により、ショート動画産業は急激な変容を遂げ、徐々にソーシャルメディアの主流の位置を占めるようになってきた。そこに登場したのが「インタラクティブ動画」というショート動画の新しいモードである。インタラクティブ動画とは、ショート動画+インタラクティブアクション(インタラクティブボタン:モバイルではタッチ、PCではクリック)+ストーリーライン(プロットツリー) を融合したもののことで、動画産業における新たな可能性を秘めた存在として、インターネットユーザーの目に触れるようになってきた。中国では、インタラクティブ動画機能をサポ ートする主なプラットフォームは、Tencent、IQIYI、Mango TV、Youku、BILIBILI などが挙げられ、日本では、インタラクティブ動画機能をサポートする主なプラットフォームはミルなどが挙げられる。
本研究では、「ユーザーの嗜好度」、「理解しやすさ」、「覚えやすさ」、「伝送意向(シェアしたいと感じるかどうか)」等に関して、インタラクティブ動画の従来動画に対する優位性を、実験的に検証するとともに、その結果をもとに、今後の地域活性化に寄与すべく、インタラクティブ動画を制作し、その効果を検証する。本発表では、インタラクティブ動画の実験を行うため、インタラクティブ動画が支えられる日中プラットフォームの機能を整理し、実験方法の可能性を探ることを目的とする。
調査
インタラクティブ動画を持つプラットフォームは、国内外に多数存在している。インタラクティブな映像をデザインするために、まず、インタラクティブ動画を機能としてサポートしているプラットフォームについて、動画の制作・公開に各種機能の情報収集を行なった(表1)。
インタラクティブな映像機能をサポートする様々なプラットフォームを集めると、以下のような代表的な機能のカテゴリーが見いたされた。それぞれの用語について説明する。
1)サブプロット:視聴者は自分の立場や好みに応じてキャラクターの行動を選択し、プロットの展開に影響を与え、異なるプロットの内容に入り込み、異なる選択を経験することができる。
2)画面上の情報探索:テキスト、ビデオ、その他の情報コンテンツがメインビデオに追加され、視聴者に自然な没入感で探索を促しガイドする。さらに、視聴者はパノラマモードで画面上の情報を探索することが可能である。
3)マルチビュースイッチング:視聴者は複数のビューを切り替えて、キャラクターや物理的な場所など、さまざまな視点からコンテンツを体験することができる。
4)ゲーミフィケーションの探求:機械解読、宝探し、QTE(クイックタイムイベント)、キャラクターの関係構築など、ゲーム的な要素を映像に加える。
5)Xファクターによるストーリー展開:コンテンツ制作者は、「Xファクター」を使って、長いスパンでの視聴者の一連のインタラクティブな行動を追跡し、視聴者の各インタラクティブな行動の傾向を継承し、最終的には「Xファクター」の累積値の違いで異なるコンテンツをトリガーすることができます。 X-Factorは、長いスパンでの一連のインタラクションを追跡し、それぞれのインタラクションにおけるオーディエンスの傾向を継承するために使用することができる。
結果
WEB検索を行なったところ、中国のプラットフォームが五つ、日本のプラットフォームが一つという結果であった。
サブプロットを持つプラットフォームが多く、一方で、画面上の情報探索とゲーミフィケーションの探求をプラットフォームが少ないことがわかった。
インタラクティブ動画の核心は「インタラクション」であり、技術の発展とともに、インタラクションの形態は、従来の分岐型プロット選択(=「ABドラマ」)から画面情報の探索、マルチビュー切り替え、ゲーミフィケーション探索など多様化し、映像制作にさらなる可能性を提供している。
まとめ
プラットフォームの機能・性能に関する情報を収集したところ、中国のプラットフォーム数は日本を大きく上回っていることがわかる。
調査・研究の結果、これは仮想サーバーによるものであることが判明している。中国では、仮想サーバーは国家によって管理されており、その結果、多くのプラットフォームがインタラクティブな動画機能やコンポーネントを導入している。日本では、仮想サーバーが自由に利用でき、個人がウェブ上にインタラクティブなシステムを立ち上げ、そこに動画を埋め込むことができる。
脚注
[1] Kaizen Platform 公式note. “SNS動画の長さはどれくらいが最適?各SNSに適した動画時間を解説!”.kaizenplatform. 2020-04-26. https://media.kaizenplatform.com/n/n2080725ac45b,(参照2020-08-06)
[2] 浜本階生. “具体例で学ぶ!情報可視化のテクニック”. 技術評論社. 2008-10-14. https://gihyo.jp/dev/feature/01/visualization,(参照2020-11-20)