「ご遺族の手続きに関する行政サービスのデザイン研究」の版間の差分

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; 森山真歩 / 九州大学大学院 芸術工学府
 
; 森山真歩 / 九州大学大学院 芸術工学府
 
:Maho Moriyama / Kyushu University 
 
:Maho Moriyama / Kyushu University 
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;平井康之 / 九州大学芸術工学研究院
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:Yasuyuki Hirai / Kyushu University
  
  
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''Keywords: Product Design, Visual Design'' 
  
  
 
; Abstract
 
; Abstract
: Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.
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: After the death of family member, there are a wide range of procedures to be undertaken by the bereaved family. Despite the importance of the procedures, the current situation is one of conflict, as they are forced to go through the necessary procedures without being able to sort out the emotional aspects of the death. This study will focus on the administrative services provided by the bereaved family support office and investigate the issues of the process of following the procedures performed by the bereaved family members from a design perspective.
  
  
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==背景と目的==
 
==背景と目的==
家族の死後、遺族が行うべき手続きは多岐にわたる。亡くなったという感情面での整理もままならず、必要な手続きに追われるという葛藤が生じている現状がある。重要な課題であるだけではなく、行政によるサポートや、DX化が進む現在にもかかわらずデザインの視点から見た遺族のための行政サービスの研究は見られない。本研究では、遺族サポート窓口で行われている行政サービスを中心に、デザインの視点から、ご遺族が行う手続きを行うプロセスの課題を調査する。また、現在提供されているサービスとの比較、考察を行い、新たに提供できるサービスを提案することを目的とする。
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家族の死後、遺族が行うべき手続きは多岐にわたる。重要な手続きにもかかわらず、亡くなったことへの感情面での整理もままならない状態で、必要な手続きに追われるという葛藤が生じている現状がある。また、行政サービスにおけるDXやサービスデザインなどは、まだ始まったばかりであり、遺族のための行政サービスの研究は見られない。そこで本研究では、遺族サポート窓口で行われている行政サービスを中心に、デザインの視点から、ご遺族が行う手続きを行うプロセスの課題を調査し、課題を抽出する。また、現在提供されているサービスとの比較、考察を行い、新たに提供すべきサービスの要件を明らかにすることを目的とする。
  
 
==研究の方法==
 
==研究の方法==
本研究は、福岡市役所の担当課や福岡市で初めてご遺族が行う手続きに関する行政サービスが導入された福岡市中央区役所を対象として研究を進める。具体的には、「ご遺族サポート窓口」を研究対象とする。 文献調査では、遺族の行う手続き全体を把握し、フィールド調査では現行のサービス内容についての調査を行う。
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本研究は、福岡市役所の担当課や、区役所で初めてご遺族が行う手続きに関する行政サービスが導入された福岡市中央区役所を対象として研究を進める。具体的には、「ご遺族サポート窓口」を研究対象とする。 
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研究の方法は、文献調査→フィールド調査→コンセプト・アイデア展開→プロトタイプ作成・検証→デザイン要件→提案と検証→結論 とする。
  
==結果==
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==文献調査==
 まず、親族が死亡後の流れについて整理を目的とした現状把握の調査を行った。死亡後の手続きには様々あり、該当者の保有している健康保険証の種類や受給している年金などによって異なる内容となるが、大まかな流れを図1に示す。本研究で取り扱うのは図1の行政機関への手続きである。
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 まず、親族が死亡後の流れについて、現状を整理して課題を把握するための調査を行った。死亡後の手続きには様々あり、該当者の保有している健康保険証の種類や受給している年金などによって異なる内容となる。大まかな流れを図1に示す。本研究で取り扱うのは図1の行政機関への手続きである。
[[ファイル:手続き流れ.png|小px|サムネイル|右|図1]]
 
  
行政機関への手続きとして該当するものは以下に示す。
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[[ファイル:手続き流れ.png|200px|図1.遺族が行う手続きの流れ]]
・年金受給停止の手続き(14日以内)
 
・介護保険視覚喪失届(14日以内)
 
・住民票の抹消届(14日以内)
 
・世帯主の変更届(14日以内)
 
・雇用保険受給者資格の返還
 
・所得税準確定申告、納税
 
・相続税の申告、納税
 
・国民年金の死亡時一時金請求
 
・埋葬料請求
 
・葬祭料・家族葬祭料請求
 
・葬祭費請求
 
・高額医療費の申請
 
・遺族年金の請求
 
上記の手続きのうち、該当するものを行う必要がある。特に14日以内に行う必要な手続き(年金受給停止の手続き、
 
介護保険視覚喪失届、住民票の抹消届、世帯主の変更届)に関しては、期限内に早急に行う必要がある。
 
  
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===サービスデザインの設計についての調査===
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 行政サービスのサービス設計と設計コンセプトについて文献調査を行った。
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図2にある、12箇条とコンセプトについて留意する必要があることがわかった。
  
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[[ファイル:Moriyamapic6.png|200px|図2.サービス設計12箇条と設計コンセプト]]
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===行政サービスにおけるDXやサービスデザインに関する調査===
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 行政サービスには中央省庁、生活者との繋がりについて文献調査を行った。
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[[ファイル:Moriyama10.png|200px|図3.行政サービスデザインの背景]]
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===死亡時から手続きに関する調査===
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親族の死亡後、死亡日から1週間で行う必要のある手続きや、葬儀などの情報を調査し、図3にまとめた。
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[[ファイル:死亡後流れ.png|200px|図4.死亡後発生する手続きのまとめ]]
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===役所・民間での手続きに関する調査===
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役所や民間で行う必要のある手続きをまとめた。
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この中にも細かく対象かどうか検討する必要があり、非常に煩雑であることがわかる。
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[[ファイル:Moriyamapic7.png|200px|図5.役所・民間で行う手続き]]
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===現行調査===
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実際に遺族の行う手続きをサポートする区役所の行政サービスについて文献調査を行った。
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これは役所が、全て独自に開始したサービスであり、区役所間の様式の統一などはない。
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各サービスの概要について代表例を、図4にまとめた。
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[[ファイル:Moriyamapic4.png|200px|図6.手続きのサポート窓口のある例]]
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==フィールド調査==
 
 フィールド調査として、実際に手続きを行ったことのある方へのインタビュー調査と、福岡市中央区役所 ご遺族サポート窓口スタッフの方へのインタビュー調査、見学を行った。
 
 フィールド調査として、実際に手続きを行ったことのある方へのインタビュー調査と、福岡市中央区役所 ご遺族サポート窓口スタッフの方へのインタビュー調査、見学を行った。
  
 実際に親族が亡くなった際に死亡後の手続きを行った経験がある方4名にインタビュー調査を行った。
+
===調査概要===
聞き取りを行った内容は、手続きを行う際似合った問題や、気持ちの問題についてである。
+
*調査対象:福岡市中央区役所ご遺族サポート窓口(スタッフ 1名,利用者 1組2名)
その内容を踏まえて、挙げられた問題点をまとめた。
+
*調査目的:現在提供されているサービス内容を知り、スタッフ・ユーザーの利用状況を把握する
・手続きの手をつけ始めるところがわからない
+
*調査内容: 2/1 15:00~16:30 スタッフ インタビュー
・ネットにある情報が信じられるのかわからない
+
      6/30 10:00~11:30 利用者 見学
・様々ある制度に該当しているかどうかわからない
+
                       スタッフ インタビュー
・葬儀屋がサポートをする場合が多い
 
・手続きのための予約が必要かどうかわからない
 
以上のような内容が挙げられた。
 
  
 +
===使用中のツールについて===
 +
利用者が、このサービスを知るきっかけで最も多かったのは葬儀社から配布される「ご遺族のための手続きガイド」の冊子である。 
 +
この冊子は、福岡市が発行しており、ご遺族が行う行政機関への手続きがまとめられている。また、そこに各区役所のご遺族サポート窓口への案内が記載されている。
  
 福岡市中央区役所でご遺族サポート窓口の担当をされている職員の方へインタビュー調査、及び利用者の見学を行った。
+
====ご遺族のための手続きガイド====
  
 ご遺族サポート窓口で提供するサービス内容は基本、利用者が手続きを行う前段階のサポートである。実際の内容としては、
+
利用者が持参することが多く、これだけで手続きができるように作成されている。
①電話予約、お亡くなりになられた方の情報聞き取り(図2の記入)
+
・主に死亡届提出時に葬儀社から配布
②職員が必要な手続きの精査(図3の記入)
+
・ご遺族サポート窓口への案内掲載
③来館日に必要な手続きをまとめた案内用紙(図3)を基に説明
+
・役所への手続き、民間等への手続き一覧
以上の内容となっている。
+
・チェックリスト形式での手続き項目が掲載されている
  
利用者がこのサービスを知るきっかけで最も多かったのは葬儀社から配布される「ご遺族のための手続きガイド」(図4)の冊子である。 
+
====ご遺族サポート窓口 受付シート====
図4の冊子については、福岡市が発行しており、ご遺族が行う行政機関への手続きがまとめられている。また、そこに各区役所のご遺族サポート窓口への案内が記載されている冊子である。
 
 実際に窓口を担当されている職員の方へのインタビューから挙げられる問題点として、
 
・予約をせず来館される方が多い
 
・区役所内での手続き以外のことを聞かれる
 
・必要な持参品が揃っていないことがある
 
・タイミングによっては半日ほど時間を使うことになる
 
などがあった。
 
また、他にも職員のためのマニュアルはないため担当職員が実際にした手続き経験をもとに案内を行っていること、担当職員が一人で窓口業務を行っていることも挙げられた。
 
 次に、実際に窓口の利用者の見学を行った。
 
利用者の方は、葬儀社が配布した図4の冊子に書き込みをして自分たちで手続きをしようとしていたが、本当に正しいのかわからず飛び込みで来館していた。
 
利用者に対してこの冊子(図4)が大きな役割を果たしていることがわかった。
 
次に、調査でわかったことをジャーニーマップにまとめた。
 
  
文献調査、フィールド調査からわかった課題として、
+
スタッフが記入して情報の整理を行う。
・手続きに関して知る機会が葬儀社からの案内以外にないこと
+
・電話予約の際に故人と利用者の基本情報を聞き取り、記入
・亡くなった感情面の整理と同時に事務的な作業を行う負担が大きいこと
+
・事前に関連部署へ共有
・実際に必要な手続きにかかる手間の見通しが立たないこと
+
・実際、予約なしでの来館が多くその場で使用する
・手続きに必要情報が散乱していること
 
・予約(事前の情報聞き取り)がないと結局来館後に時間がかかってしまうこと
 
・自分たちでの判断だけでは、第3者による確認がないと不安であるということ
 
などが挙げられる。
 
  
==考察==
+
====ご遺族の手続き窓口 案内用紙====
[[ファイル:カスタマージャーニー.png|サムネイル]]
+
 
 +
スタッフが記入し、利用者が持ち歩き手続きをして回る。
 +
・案内シートをもとにスタッフが記入
 +
・利用者がこの用紙をもとに手続きをして回る
 +
・予約の利用者にはすぐ案内ができるが、予約なしの作成は時間がかかる
 +
 
 +
[[ファイル:手続きガイド.jpg|200px|図7.ご遺族のための手続きガイド]]
 +
[[ファイル:受付シート.jpg|200px|図8.ご遺族サポート窓口 受付シート]]
 +
[[ファイル:案内シート.jpg|200px|図9.ご遺族の手続き窓口 案内用紙]]
  
 
==まとめ==
 
==まとめ==
・故人の情報が散乱していて、必要な物を精査するのが困難
+
調査をもとに課題抽出のために、カスタマージャーニーマップを作成した
・手続きの多さから実際にかかる手間の見通しが立たない
+
 
・手続きを行う上で、見落としがないか第3者の確認が欲しい
+
[[ファイル:カスタマージャーニー.png|200px|図10.カスタマージャーニーマップ]]
  
==脚注==
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その結果、
<references />
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*故人の情報が散乱していて、必要な物を精査するのが困難
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*手続きの多さから実際にかかる手間の見通しが立たない
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*手続きを行う上で、見落としがないか第3者の確認が欲しい
 +
の3点が課題として示唆された。
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今後の展望として、引き続きユーザー調査を行い新たなコミュニケーションツールのデザイン要件を抽出した上で、プロトタイプを作成・検証を行う。
  
  
 
==参考文献・参考サイト==
 
==参考文献・参考サイト==
*◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
+
*サービスデザイン実践ガイドブック(β版) 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 R2,5,5
*◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
+
*福岡市HP https://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/koho/life/A040.html
*◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
+
*ご遺族のための手続きガイド 福岡市中央区版 R4,6
 
+
*おくやみコーナー設置ガイドライン 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 R2,5,5
*◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)
+
*おくやみコーナー設置自治体支援ナビ 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 R2,5,15
 +
*別府市HP https://www.city.beppu.oita.jp/seikatu/todokede_syoumei/koseki_jyuuminhyounado/shibou_kanren.html
 +
*松阪市HP https://www.city.matsusaka.mie.jp/soshiki/15/okuyami1.html
 +
*宝塚市HP https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kurashi/madoguchi/1039221.html
  
 
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2022年10月27日 (木) 18:22時点における最新版


森山真歩 / 九州大学大学院 芸術工学府
Maho Moriyama / Kyushu University 
平井康之 / 九州大学芸術工学研究院
Yasuyuki Hirai / Kyushu University


Keywords: Product Design, Visual Design 


Abstract
After the death of family member, there are a wide range of procedures to be undertaken by the bereaved family. Despite the importance of the procedures, the current situation is one of conflict, as they are forced to go through the necessary procedures without being able to sort out the emotional aspects of the death. This study will focus on the administrative services provided by the bereaved family support office and investigate the issues of the process of following the procedures performed by the bereaved family members from a design perspective.



背景と目的

家族の死後、遺族が行うべき手続きは多岐にわたる。重要な手続きにもかかわらず、亡くなったことへの感情面での整理もままならない状態で、必要な手続きに追われるという葛藤が生じている現状がある。また、行政サービスにおけるDXやサービスデザインなどは、まだ始まったばかりであり、遺族のための行政サービスの研究は見られない。そこで本研究では、遺族サポート窓口で行われている行政サービスを中心に、デザインの視点から、ご遺族が行う手続きを行うプロセスの課題を調査し、課題を抽出する。また、現在提供されているサービスとの比較、考察を行い、新たに提供すべきサービスの要件を明らかにすることを目的とする。

研究の方法

本研究は、福岡市役所の担当課や、区役所で初めてご遺族が行う手続きに関する行政サービスが導入された福岡市中央区役所を対象として研究を進める。具体的には、「ご遺族サポート窓口」を研究対象とする。  研究の方法は、文献調査→フィールド調査→コンセプト・アイデア展開→プロトタイプ作成・検証→デザイン要件→提案と検証→結論 とする。

文献調査

 まず、親族が死亡後の流れについて、現状を整理して課題を把握するための調査を行った。死亡後の手続きには様々あり、該当者の保有している健康保険証の種類や受給している年金などによって異なる内容となる。大まかな流れを図1に示す。本研究で取り扱うのは図1の行政機関への手続きである。

図1.遺族が行う手続きの流れ

サービスデザインの設計についての調査

 行政サービスのサービス設計と設計コンセプトについて文献調査を行った。 図2にある、12箇条とコンセプトについて留意する必要があることがわかった。

図2.サービス設計12箇条と設計コンセプト

行政サービスにおけるDXやサービスデザインに関する調査

 行政サービスには中央省庁、生活者との繋がりについて文献調査を行った。 図3.行政サービスデザインの背景

死亡時から手続きに関する調査

親族の死亡後、死亡日から1週間で行う必要のある手続きや、葬儀などの情報を調査し、図3にまとめた。

図4.死亡後発生する手続きのまとめ

役所・民間での手続きに関する調査

役所や民間で行う必要のある手続きをまとめた。 この中にも細かく対象かどうか検討する必要があり、非常に煩雑であることがわかる。

図5.役所・民間で行う手続き

現行調査

実際に遺族の行う手続きをサポートする区役所の行政サービスについて文献調査を行った。 これは役所が、全て独自に開始したサービスであり、区役所間の様式の統一などはない。 各サービスの概要について代表例を、図4にまとめた。

図6.手続きのサポート窓口のある例

フィールド調査

 フィールド調査として、実際に手続きを行ったことのある方へのインタビュー調査と、福岡市中央区役所 ご遺族サポート窓口スタッフの方へのインタビュー調査、見学を行った。

調査概要

  • 調査対象:福岡市中央区役所ご遺族サポート窓口(スタッフ 1名,利用者 1組2名)
  • 調査目的:現在提供されているサービス内容を知り、スタッフ・ユーザーの利用状況を把握する
  • 調査内容: 2/1 15:00~16:30 スタッフ インタビュー

     6/30 10:00~11:30 利用者 見学       スタッフ インタビュー

使用中のツールについて

利用者が、このサービスを知るきっかけで最も多かったのは葬儀社から配布される「ご遺族のための手続きガイド」の冊子である。  この冊子は、福岡市が発行しており、ご遺族が行う行政機関への手続きがまとめられている。また、そこに各区役所のご遺族サポート窓口への案内が記載されている。

ご遺族のための手続きガイド

利用者が持参することが多く、これだけで手続きができるように作成されている。 ・主に死亡届提出時に葬儀社から配布 ・ご遺族サポート窓口への案内掲載 ・役所への手続き、民間等への手続き一覧 ・チェックリスト形式での手続き項目が掲載されている

ご遺族サポート窓口 受付シート

スタッフが記入して情報の整理を行う。 ・電話予約の際に故人と利用者の基本情報を聞き取り、記入 ・事前に関連部署へ共有 ・実際、予約なしでの来館が多くその場で使用する

ご遺族の手続き窓口 案内用紙

スタッフが記入し、利用者が持ち歩き手続きをして回る。 ・案内シートをもとにスタッフが記入 ・利用者がこの用紙をもとに手続きをして回る ・予約の利用者にはすぐ案内ができるが、予約なしの作成は時間がかかる

図7.ご遺族のための手続きガイド 図8.ご遺族サポート窓口 受付シート 図9.ご遺族の手続き窓口 案内用紙

まとめ

調査をもとに課題抽出のために、カスタマージャーニーマップを作成した

図10.カスタマージャーニーマップ

その結果、

  • 故人の情報が散乱していて、必要な物を精査するのが困難
  • 手続きの多さから実際にかかる手間の見通しが立たない
  • 手続きを行う上で、見落としがないか第3者の確認が欲しい

の3点が課題として示唆された。


今後の展望として、引き続きユーザー調査を行い新たなコミュニケーションツールのデザイン要件を抽出した上で、プロトタイプを作成・検証を行う。


参考文献・参考サイト