「字幕における縦書きと横書きの差異について」の版間の差分

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; 石森菜々 / 九州産業大学 芸術学部
<span style="color:red;">'''注)'''</span>
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: Nana Ishimori / Kyushu Sangyo University 
*<span style="color:red;">この雛形は、研究発表(口頭)に適用されます。</span>
 
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''Keywords: vertical subtitles, horizontal subtitles, Eye Tracker'' 
; 石森菜々 / 九州産業大学 芸術学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
 
: Nana Ishimori / Kyushu Sangyo University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
 
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
 
: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)
 
 
 
''Keywords: Product Design, Visual Design'' ← キーワード(斜体)
 
  
  
 
; Abstract
 
; Abstract
: Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.
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: The covid-19 epidemic has increased the chances of watching movies on smartphones. A question arose as to whether there is a difference between vertical and  horizontal subtitles when watching movies on smartphones. The line of sight when viewing the video was measured using an eye tracker. Horizontal subtitles get attention for shorter time and were seen more times than vertical subtitles.
  
  
  
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==背景と目的==
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 Criteoによる市場調査によると、新型コロナウイルスが流行する前後で動画配信サービスの視聴時間に過去最大の変化が見られており、流行後の方が有料・無料コンテンツ共に長時間視聴されていることがわかる。スマートフォンには、時間や場所に捉われることなく好きなものを視聴することができるという利点がある。動画配信サービスの映画は字幕の表示をオンオフすることができるのだが、字幕は外国語映画だけでなく、例えば静かな場所でイヤホンを使わずに視聴したいときや、家でドライヤーのように音の出る家電等を使用しながら視聴したいときなどにも役立つ。YouTubeにもフルテロップといってすべての発言にテロップをつけるものもよく見られる。これらの字幕はほとんどが横書きであるが、ミュージックビデオや昔の劇場版映画には縦書きのものもある。縦書き字幕と横書き字幕では、読み手にとって違いはあるのだろうか。本研究ではスマートフォンで映像を視聴する際、字幕の縦書きと横書きで差異が生まれるのかについて検討する。
  
==背景と目的==
 
 室は扉赤と何にもってくださいう。へんはぶんがまたに食うて外をセロのようでもって野ねずみをたべるてぐるぐるゴーシュを叩くて来です。ぱっといつも扉が曲に置くたでし。何こうにかっこうを走りてゴーシュでひますまし。火事へ云っますまし。しんを困った。それの穴。<ref>九大太郎, 2019, デザイン学研究 XXX巻X号 p.XX, 日本デザイン学会</ref>。楽長もドレミファの話ゴーシュ弾を風とかかえ風たまし。それからずいぶん気の毒たたとして丁稚たた。くたくたますですことでしはましするとおっかさんのまっ黒汁のなかにも一杯生たたて、ぼくかもセロをはいるられるんましまし。こすりすぎ何もコップからないですてたくさんの顔つきの手会をもご第万赤ん坊らのお世話で云っばもらったた。譜もはじめこわてきだ。屋根裏は一遅れるからだのようへあけよてきな。
 
  
 
==研究の方法==
 
==研究の方法==
 
====実験参加者====
 
====実験参加者====
 20〜22歳の男女13名を対象に本実験を行なった。その内2名はうまく計測できなかったため、11名分のデータを解析している。
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 20〜22歳の男女13名を対象に実験を行なった。その内2名のアイトラッカーの軌跡はがくつきがひどく計測できなかったため、11名分のデータを解析している。
====実験材料====
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====実験環境====
 実験材料として、パソコン、視線を計測するためのTobii Eye Tracker5、パソコンの画面を撮影するためのスマートフォン、縦書き字幕・横書き字幕それぞれの映像を用意した。実験用の映像を制作する際にAdobe Premiere Pro、実験後のデータ計測の際にはAdobe After Effectsのソフトを使用した。
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 実験環境として、パソコン、視線を計測するためのTobii Eye Tracker5、パソコンの画面を撮影するためのスマートフォンを用意した。実験に使用した映像は、「PAPERS, PLEASE – The Short Film」から抜粋し、縦書き・横書きそれぞれの字幕をつけたものを準備した。この映像をパソコンで開いた際に、6.1インチのスマートフォンと同じ大きさで表示されるようにした。実験用の映像を制作する際にAdobe Premiere Pro、実験後のデータ計測の際にはAdobe After Effectsのソフトを使用した。
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[[File:Tateyokojikenhuukei.jpg|thumb|200px|実験風景]]
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[[File:Tateyokobaburugamen.jpg|thumb|200px|バブル画面]]
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====手続き====
 
====手続き====
 実験参加者をランダムに2つの群に分けて、片方を横書き字幕の動画を視聴する横書き群、もう片方を縦書き字幕の動画を視聴する縦書き群とした。
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 実験参加者をランダムに2つの群に分け、片方を横書き字幕の動画を視聴する横書き群、もう片方を縦書き字幕の動画を視聴する縦書き群とした。
 横書き群、縦書き群共に実験参加者には、机に置いたパソコンの正面且つ画面から50cm程度の場所に座ってもらい、画面の中央にカーソルを表示させ、そこに視線を送るように指示した。アイトラッカーのバブルがカーソルと合うように画面の角度や距離を調整した。このアイトラッカーのバブルはヒートマップ等にも設定できるのだが、表示時間が長く、動画が見えづらくなってしまうため、今回はバブルに設定することにした。実験参加者の右側に画面の様子を撮影するためのスマートフォンを設置し、実験参加者にもその旨を説明した。了承を得た上で、録画のスタートボタンを押し、映像を再生し、実験を開始した。
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 横書き群、縦書き群共に実験参加者には、机に置いたパソコンの正面且つ画面から50cm程度の場所に座ってもらい、画面の中央にカーソルを表示させ、そこに視線を送るように指示した。アイトラッカーのバブルがカーソルと合うように画面の角度や距離を調整した。このアイトラッカーのバブルはヒートマップ等にも設定できるが、表示時間が長く、動画が見えづらくなってしまうため、今回はバブルに設定することにした。実験参加者の右側に画面の様子を撮影するためのスマートフォンを設置し、実験参加者にもその旨を説明した。了承を得た上で、録画のスタートボタンを押し、映像を再生し、実験を開始した。
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 実際に視聴してもらった映像の時間は1分45秒の長さであったが、その中から26秒分を抽出し、計測・分析した。
 
 実際に視聴してもらった映像の時間は1分45秒の長さであったが、その中から26秒分を抽出し、計測・分析した。
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 字幕を見ていた時間を1人ずつ計測し、横書き群と縦書き群における平均値をそれぞれ算出したものをFigure1に示した。横書き群の平均値は8.85秒、縦書き群の平均値は12.80秒であった。その違いについて対応のないt検定を行なったところ、その差は有意であった(''t''(10)=2.79, ''p''<.05)。つまり、字幕を見ていた時間は横書き群の方が縦書き群よりも優位に短かった。
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 字幕を見ていた時間を1人ずつ計測し、横書き群と縦書き群における平均値をそれぞれ算出したものをFigure1に示した。横書き群の平均値は8.85秒、縦書き群の平均値は12.80秒であった。その違いについて対応のないt検定を行なったところ、その差は有意であった(''t''(10)=2.79, ''p'' < .05)。つまり、字幕を見ていた時間は横書き群の方が縦書き群よりも有意に短かった。
 以上より、横書き群の方が縦書き群よりも字幕を見ていた時間が短いため、スマートフォンで映画を視聴する際の字幕は、縦書きよりも横書きの方が適しているといえる。
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 字幕に視線を向けた回数を1人ずつ計測し、横書き群、縦書き群それぞれの平均値を求めたものをFigure2に示した。対応のないt検定を行なったところ、その差は有意であった(''t''(10)=3.02, ''p''<.05)。つまり、字幕に視線を移した回数は横書き群の方が縦書き群よりも有意に多かった。
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 字幕に視線を向けた回数を1人ずつ計測し、横書き群、縦書き群それぞれの平均値を求めたものをFigure2に示した。対応のないt検定を行なったところ、その差は有意であった(''t''(10)=3.02, ''p'' < .05)。つまり、字幕に視線を移した回数は横書き群の方が縦書き群よりも有意に多かった。
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==考察==
 
==考察==
 譜がかっこうからふみがきそれ団をこのかっこう口アンコールと療らのゴーシュだけの扉ゴーシュに睡っでやっましよほどやつの面目はどっかりもっことだ。こども巨さん。さんにはきかことですてな。扉というのをぜひ答え来いた。行くはなおるはゴーシュにおいてのでとても出ますんまし。ただどうぞまるで弓の嵐と見ますはな。やつかもぼくまでしましゴーシュの外国に落ちついておまえの療ではじいが来ようじことた、たっなあ、そう泣いから来なてな。
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 本実験は簡易的なものではあったものの、縦書きと横書きの字幕では横書きの方が字幕に注目している時間が短いという結果が認められた。縦書きと横書きで読む速さに違いはないという先行研究があることから、横書き字幕の方が視野を広く持つことができ、アイトラッカーのバブルがはっきりと字幕の上にあるとき以外にも、文字を読むことができている可能性がある。
  
 顔しこんな手ドアどもでわたし二人のままがわくからはせようたんたは、ぼくをはなるべく生意気だてぞ。すると前は作曲はみんなじゃ、なって万日にもいかにもホールを過ぎているきき。
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 実験終了後に参加者から、自分の感覚では画面全体を見ているつもりだったが、視線が一点として表示されるのが不思議だったという感想もあった。今回はアイトラッカーの軌跡表示設定においてバブルのサイズを最小に設定していたことも関係しているのではないかと考えられる。確かに、視角の中心がどこなのかを表示しているのであって、本実験では視野の範囲まではわからない。ぼんやり全体を広く見ているのか、一点に集中して見ているのかは判断しきれないが、横書き群の方が字幕に注目している時間が短いという結果に加えて、横書き群の方が字幕に視線を移した回数が多かったという結果からも、次のように考察した。縦書き群の視線を移す回数が少ないというのは字幕に集中して文字を追っている状態であり、逆に横書き群の視線を移す回数が多いのは映像と字幕を行ったり来たりしながら視聴しているということではないだろうか。なお、文字から視線を外している時は、縦書き群・横書き群共に、ほとんどが登場人物の顔を見ていた。つまり、横書き字幕の方が映像の内容とテロップの両方を認識することができるのではないかと考える。
  
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 ただし、ミュージックビデオなど何度も視聴してもらうことを目的に制作され、文章に集中して視聴したり映像に集中して視聴したり、といった見方をしてもらいたい場合は縦書き字幕の方が適しているのかもしれない。
  
==まとめ==
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 また、実験参加者からの感想には、慣れるまで最初の方はどうしてもバブルを追ってしまったというものもあった。この点に関しては、本実験の抽出データの計測する範囲を映像の後半から選ぶことで対応している。
 何はおねがいをぶっつかって、するとロマチックシューマンに過ぎてひまをなるとこれかをとりてしまいとすましませた。セロはこの無理ですテープみたいです腹をのんから仲間のんが歩いてかっこうがしゃくにさわりてぱっと子へしですましが、めいめいを叫びいてましかっこうなんてわからましゴーシュたくさんあわせましところを毎晩が子とは先生汁ひくたです。
 
  
 その先生恐いわくは何かセロたらべ広くんがなっ猫人をつけるといたた。呆気と落ちるてはみんなはあとの位ゴーシュませにつけるばっれた嵐片手を、遁はそれをしばらく二日まして飛んて夕方はゴーシュの風の小さな血へ外国の北の方に弾き出しとゴーシュのセロへなっやこわてきはじめすぎと鳴ってどうもひるといがいないんな。晩をなかが叫んてたまえでふんて一生けん命のまるく頭が熟しますない。なんも何までた。
 
  
 
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==まとめ==
==脚注==
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  横書き群の方が縦書き群よりも字幕を見ていた時間が短く、字幕に視線を移した回数が多かった。本実験の結果からは、スマートフォンで映画を視聴する際の字幕は、縦書きよりも横書きの方が適していると考えられる。
<references />
 
  
  
 
==参考文献・参考サイト==
 
==参考文献・参考サイト==
*◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
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*外国にルーツを持つ児童の横書き・縦書きテキストにおける読み能力の違いーー読み能力検査および視機能評価を通してーー (2019) 楠啓太・小澤亘・金森裕治 立命館人間科学研究 No.40
*◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
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*タテ書きはことばの景色を作るータテヨコふたつの日本語はなぜ必要か? (2013) 熊谷高幸 新曜社
*◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
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*手話と字幕の同時呈示に対する見やすさについての検討 (2006) 宮本一郎・竹内晃一・長嶋祐二 電子情報通信学会 vol.106
 
 
*◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)
 
  
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*Criteo、動画とコネクテッドTVに関する調査レポートを発表 https://www.criteo.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2021/12/PR-2021-Dec-9-Criteo-CTV-Survey.pdf (2022年9月25日 閲覧)
 
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2022年10月27日 (木) 18:17時点における最新版


石森菜々 / 九州産業大学 芸術学部
Nana Ishimori / Kyushu Sangyo University 

Keywords: vertical subtitles, horizontal subtitles, Eye Tracker 


Abstract
The covid-19 epidemic has increased the chances of watching movies on smartphones. A question arose as to whether there is a difference between vertical and horizontal subtitles when watching movies on smartphones. The line of sight when viewing the video was measured using an eye tracker. Horizontal subtitles get attention for shorter time and were seen more times than vertical subtitles.


背景と目的

 Criteoによる市場調査によると、新型コロナウイルスが流行する前後で動画配信サービスの視聴時間に過去最大の変化が見られており、流行後の方が有料・無料コンテンツ共に長時間視聴されていることがわかる。スマートフォンには、時間や場所に捉われることなく好きなものを視聴することができるという利点がある。動画配信サービスの映画は字幕の表示をオンオフすることができるのだが、字幕は外国語映画だけでなく、例えば静かな場所でイヤホンを使わずに視聴したいときや、家でドライヤーのように音の出る家電等を使用しながら視聴したいときなどにも役立つ。YouTubeにもフルテロップといってすべての発言にテロップをつけるものもよく見られる。これらの字幕はほとんどが横書きであるが、ミュージックビデオや昔の劇場版映画には縦書きのものもある。縦書き字幕と横書き字幕では、読み手にとって違いはあるのだろうか。本研究ではスマートフォンで映像を視聴する際、字幕の縦書きと横書きで差異が生まれるのかについて検討する。


研究の方法

実験参加者

 20〜22歳の男女13名を対象に実験を行なった。その内2名のアイトラッカーの軌跡はがくつきがひどく計測できなかったため、11名分のデータを解析している。

実験環境

 実験環境として、パソコン、視線を計測するためのTobii Eye Tracker5、パソコンの画面を撮影するためのスマートフォンを用意した。実験に使用した映像は、「PAPERS, PLEASE – The Short Film」から抜粋し、縦書き・横書きそれぞれの字幕をつけたものを準備した。この映像をパソコンで開いた際に、6.1インチのスマートフォンと同じ大きさで表示されるようにした。実験用の映像を制作する際にAdobe Premiere Pro、実験後のデータ計測の際にはAdobe After Effectsのソフトを使用した。

実験風景
バブル画面


手続き

 実験参加者をランダムに2つの群に分け、片方を横書き字幕の動画を視聴する横書き群、もう片方を縦書き字幕の動画を視聴する縦書き群とした。

 横書き群、縦書き群共に実験参加者には、机に置いたパソコンの正面且つ画面から50cm程度の場所に座ってもらい、画面の中央にカーソルを表示させ、そこに視線を送るように指示した。アイトラッカーのバブルがカーソルと合うように画面の角度や距離を調整した。このアイトラッカーのバブルはヒートマップ等にも設定できるが、表示時間が長く、動画が見えづらくなってしまうため、今回はバブルに設定することにした。実験参加者の右側に画面の様子を撮影するためのスマートフォンを設置し、実験参加者にもその旨を説明した。了承を得た上で、録画のスタートボタンを押し、映像を再生し、実験を開始した。

 実際に視聴してもらった映像の時間は1分45秒の長さであったが、その中から26秒分を抽出し、計測・分析した。




結果

Tateyokojimakugraph.jpg
Tateyokojimakukaisuu.jpg


 字幕を見ていた時間を1人ずつ計測し、横書き群と縦書き群における平均値をそれぞれ算出したものをFigure1に示した。横書き群の平均値は8.85秒、縦書き群の平均値は12.80秒であった。その違いについて対応のないt検定を行なったところ、その差は有意であった(t(10)=2.79, p < .05)。つまり、字幕を見ていた時間は横書き群の方が縦書き群よりも有意に短かった。

 字幕に視線を向けた回数を1人ずつ計測し、横書き群、縦書き群それぞれの平均値を求めたものをFigure2に示した。対応のないt検定を行なったところ、その差は有意であった(t(10)=3.02, p < .05)。つまり、字幕に視線を移した回数は横書き群の方が縦書き群よりも有意に多かった。




考察

 本実験は簡易的なものではあったものの、縦書きと横書きの字幕では横書きの方が字幕に注目している時間が短いという結果が認められた。縦書きと横書きで読む速さに違いはないという先行研究があることから、横書き字幕の方が視野を広く持つことができ、アイトラッカーのバブルがはっきりと字幕の上にあるとき以外にも、文字を読むことができている可能性がある。

 実験終了後に参加者から、自分の感覚では画面全体を見ているつもりだったが、視線が一点として表示されるのが不思議だったという感想もあった。今回はアイトラッカーの軌跡表示設定においてバブルのサイズを最小に設定していたことも関係しているのではないかと考えられる。確かに、視角の中心がどこなのかを表示しているのであって、本実験では視野の範囲まではわからない。ぼんやり全体を広く見ているのか、一点に集中して見ているのかは判断しきれないが、横書き群の方が字幕に注目している時間が短いという結果に加えて、横書き群の方が字幕に視線を移した回数が多かったという結果からも、次のように考察した。縦書き群の視線を移す回数が少ないというのは字幕に集中して文字を追っている状態であり、逆に横書き群の視線を移す回数が多いのは映像と字幕を行ったり来たりしながら視聴しているということではないだろうか。なお、文字から視線を外している時は、縦書き群・横書き群共に、ほとんどが登場人物の顔を見ていた。つまり、横書き字幕の方が映像の内容とテロップの両方を認識することができるのではないかと考える。

 ただし、ミュージックビデオなど何度も視聴してもらうことを目的に制作され、文章に集中して視聴したり映像に集中して視聴したり、といった見方をしてもらいたい場合は縦書き字幕の方が適しているのかもしれない。

 また、実験参加者からの感想には、慣れるまで最初の方はどうしてもバブルを追ってしまったというものもあった。この点に関しては、本実験の抽出データの計測する範囲を映像の後半から選ぶことで対応している。


まとめ

  横書き群の方が縦書き群よりも字幕を見ていた時間が短く、字幕に視線を移した回数が多かった。本実験の結果からは、スマートフォンで映画を視聴する際の字幕は、縦書きよりも横書きの方が適していると考えられる。


参考文献・参考サイト

  • 外国にルーツを持つ児童の横書き・縦書きテキストにおける読み能力の違いーー読み能力検査および視機能評価を通してーー (2019) 楠啓太・小澤亘・金森裕治 立命館人間科学研究 No.40
  • タテ書きはことばの景色を作るータテヨコふたつの日本語はなぜ必要か? (2013) 熊谷高幸 新曜社
  • 手話と字幕の同時呈示に対する見やすさについての検討 (2006) 宮本一郎・竹内晃一・長嶋祐二 電子情報通信学会 vol.106