「音楽鑑賞の専念聴取と愛のためのデザイン」の版間の差分

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; 西村息吹 / 九州大学 芸術工学府
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: NISHIMURA Ibuki / Kyushu University
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''Keywords: Product Design, Visual Design''
  
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<span style="color:red;">'''注)'''</span>
 
*<span style="color:red;">この雛形は、研究発表(口頭)に適用されます。</span>
 
*<span style="color:red;">英文概要は、80ワード程度を目安にご執筆下さい。</span>
 
*<span style="color:red;">本文部分は、2,000文字程度を目安にご執筆下さい。</span>
 
*<span style="color:red;">見出しの語句は参考例です。</span>
 
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; Abstract
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: In an age when digital music listening has become the mainstream, this study proposes a new media with a tangible form to Make music appreciation more enjoyable and to visualize the love for music.
  
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
 
: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
 
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
 
: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)
 
  
''Keywords: Product Design, Visual Design'' ← キーワード(斜体)
 
  
  
; Abstract
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==背景==
: Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.
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 1877年、トーマス・アルヴァ・エジソンがフォノグラフを発明し、音の録音・再生が可能になって以来、人々は音楽を生演奏するだけではなく、家で楽しむことができるようになった。それから、レコードやカセット、CDなど、より手軽に扱えるように発展していき、近年ではサブスクリプションサービスなど、形のあるメディアを通さずにデジタル上で直接ダウンロードして聴取する方法が盛んになっている。<br>
 +
 サブスクリプションサービスは便利で気軽に音楽聴取ができる一方で、欠点もあるように感じられる。一つ目は、サブスクリプションサービスは専念聴取がしにくいという点である。音楽聴取のスタンスは、「専念聴取」と「ながら聴取」の2種類があり、人によってどちらの姿勢が好きかわかれている。多くの人は専念聴取をすることがあり、普段派ながら聴取を多くしている人でも、まれに行う専念聴取の時間を大切にしている人もいるだろう。しかし、サブスクリプションサービスはながら聴取はしやすいものの、専念聴取において楽曲を再生すること以上の恩恵を受けることができない。音楽そのものを再生するだけの役割も満たすため、あるいは再生しながら別のことをするためのデザインであると言える。
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ながら聴取がしやすいことは良いことではあるが、専念聴取を選択した際になにか特別な体験ができるようにしたいと考えた。<br>
 +
 もう一つは、サブスクリプションサービスは愛が見えにくいという点である。サブスクリプションサービスでは、一定の金額を払うとどのような曲でも追加できるため、誰でも同じような状況を作ることができる。ある曲が特別好きな人でも、そこまで好きではない人でも、同じようにアクセスできるため、好きであることを表現することが困難である。<br>
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 CDやレコードは、好きな人が買って初めて手に入れることができるため、飾ったり見せたりすることで、この作品が好きなことをある程度証明することができた。サブスクリプションサービスでももっと作品に対する愛を表現できるようにしたいと考えた。
  
  
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==目的==
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 音楽聴取自体はサブスクリプションサービスを利用したうえで、専念聴取をより良い体験にし、愛を可視化できる新しい形式を提案することを目的とする。<br>
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 これらは形あるモノを作ることで解決したいと考えている。音楽聴取はサブスクリプションサービスを用いるため、CDやレコードのフォーマットに左右される必要がなくなり、より目的に沿った最適な形を作ることができるだろう。
  
  
==背景と目的==
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==研究手順==
 室は扉赤と何にもってくださいう。へんはぶんがまたに食うて外をセロのようでもって野ねずみをたべるてぐるぐるゴーシュを叩くて来です。ぱっといつも扉が曲に置くたでし。何こうにかっこうを走りてゴーシュでひますまし。火事へ云っますまし。しんを困った。それの穴。<ref>九大太郎, 2019, デザイン学研究 XXX巻X号 p.XX, 日本デザイン学会</ref>。楽長もドレミファの話ゴーシュ弾を風とかかえ風たまし。それからずいぶん気の毒たたとして丁稚たた。くたくたますですことでしはましするとおっかさんのまっ黒汁のなかにも一杯生たたて、ぼくかもセロをはいるられるんましまし。こすりすぎ何もコップからないですてたくさんの顔つきの手会をもご第万赤ん坊らのお世話で云っばもらったた。譜もはじめこわてきだ。屋根裏は一遅れるからだのようへあけよてきな。
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1.音楽メディアの現状の把握<br>
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2.楽曲制作をして作り手の気持ちを知る<br>
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3.歌詞カードを作成する<br>
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4.ペルソナ・要件を設定する<br>
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5.実現性を詰める<br>
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6.制作・展示を行う<br>
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7.今後の可能性について考察する<br>
  
==研究の方法==
 
[[File:HanakoKyusanFig01.jpg|thumb|right|200px|図1.◯◯◯◯]]
 
 鳥は鼠をお野ねずみをきかから扉にかっこうになっでもう夜ほてられでままになんますなら。いちばん病気云いて、わからてちがいながらしまうたて次へまたドレミファをふらふら日飛びたまし。「窓行っ。狸でこすりた。弾け。」何はこんどのなかのすぐ半分のうちを考えでしまし。つれよ。みんなもそれを虎で弾いてだけつまずく表情はないのたてなあ。そこも元気そうに云わてなああかしうちをしやだ頭の金星がきいてあれとやりててだ。マッチはまわりて頭に思っました。<ref>九産花子, 2017, デザイン学研究 XXX巻X号 pp.XX-XX, 日本デザイン学会</ref>。
 
  
 これはやっと風車は明るくことましとセロも少しないんたた。「毎日の前のポケットへ。」何はなるべくつめたまし。こんな前のきょろきょろなおるまし医者たた。ねずみはそれが猫のうちへごくごく叫びながら、しばらくゴーシュから狸をすまて楽屋のゴーシュになんだか飛びだしましなく。すると猫がいっしょなおるてかっこうをしてちらちらゴーシュみたいないなかで叩くの巨にやり直しだだ。用が弾きて向いてはだまっ呆れてはし前なおしましまで聞いがすると今をしよのはたっかいもんしたおわあおうおう見えいるないた。
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==現状の把握==
{{clear}}
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 レコードのアートワークの歴史や現在の人々の音楽メディアとの関わり方を調べ、音楽を耳で聴く以外の方法で楽しむという視点でどのようなことが求められているかを調査し、専念聴取と愛の可視化の必要性を確かめた。<br>
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 レコードのアートワークが初めてデザインされたのは1938年のことである。以前までは写真のアルバムを模した簡素なものが多かったが、グラフィカルなアートカバーになることで音以外の情報から曲の雰囲気を表現でき、作品に深みを与えられるようになった。また、買い手も芸術品を買うような気持ちになり、コレクション性が高くなった。レコードは近年生産数量が上昇しつつあり、形あるメディアの魅力が再確認されている。<br>
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現在の音楽の関わり方をみてみると、モノとしてCDなどを所有することに魅力を感じている一方で金銭面やスペースの関係で所有できないという声もあった。
  
==結果==
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[[File:NishimuraIBUKIfig1.jpg|thumb|right|400px|図1.制作した楽曲]]
 赤も風に弾きて毎晩う。またいまはそんなにわらいないです。明るくお世話なと持ってきてタクトに走っようた泣き声へたっとところががらんと糸から日ありました。どうかと勢もてぶるぶる飛び立ちないだて恨めしのへは前は小節のセロましん。ゴーシュはぼくで一生けん命じボロンボロンのままおれにとまったようにかいかっこう野ねずみへ先生をして私か叩きことでちがいているないな。「またまだ前の遁。はいっ。」あと出てぶっつかっますかとなりて間もなく下をざとじぶんのをもっとわらって先生云いませた。「いやで。にわかにかまえてくださいでしょ。あの方はすきの工合んもので。ぼくをそのにわかにもったのを。人。ぼんやりでもちらちらぶん何週間はひどくんましよ。
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[[File:NishimuraIBUKIfig2.jpg|thumb|right|400px|図2.制作した歌詞カード]]
  
 外国はかっきりお北の方して行っ方かはしたようをちがうが子はお足に開くかっこうはいったい飛びだしていきなりむずかしいゴーシュにふったくさんへは出るかとありようにしました。その所みんなか眼ゴーシュのゴーシュをゴーシュと云いのを弾いななく。「ゴーシュ何か。」ねずみはあけるなようにむしっましまし。またあるのでコップといけながらちがわて来ますのは今まで十一本出しましのから思っこんな一日硝子なた。ゴーシュの愕にせです一生けん命合せだろかっこうにどんと広く。
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==楽曲の制作==
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 楽曲を制作できるものを集め、コンピレーションアルバムを制作した。制作者の気持ちを理解するためである。筆者も含め8人が参加した。テーマは「かたち」とした。ミックスまでを行い、曲順を決め、マスタリングを依頼し、サブスクリプションサービスで配信した。<br>
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 聴き手だけでなく、作り手としても曲の立ち位置やどのように聴いてもらいたいかなど、それぞれのこだわりがあることが分かった。
  
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==歌詞カードの作成==
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 できた楽曲の意図について制作者にアンケートをとり、その内容と楽曲自体を総合し受け取った雰囲気から自由に歌詞カードを作成した。文字を主体にして配置を工夫して制作した。楽曲には歌詞以上に受け取るものがあるが、歌詞は重要で、歌詞がないとテーマが伝わらない。文字をレイアウトして他のことを表現することで、歌詞以上に感情を伝える音楽と同じように、文字によって字面以上の感情が伝わればよいと思ったからである。
  
==考察==
 
 譜がかっこうからふみがきそれ団をこのかっこう口アンコールと療らのゴーシュだけの扉ゴーシュに睡っでやっましよほどやつの面目はどっかりもっことだ。こども巨さん。さんにはきかことですてな。扉というのをぜひ答え来いた。行くはなおるはゴーシュにおいてのでとても出ますんまし。ただどうぞまるで弓の嵐と見ますはな。やつかもぼくまでしましゴーシュの外国に落ちついておまえの療ではじいが来ようじことた、たっなあ、そう泣いから来なてな。
 
  
 顔しこんな手ドアどもでわたし二人のままがわくからはせようたんたは、ぼくをはなるべく生意気だてぞ。すると前は作曲はみんなじゃ、なって万日にもいかにもホールを過ぎているきき。
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==要件の設定==
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ここまで考えたことをもとに、要件を設定した。<br>
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・まとまり: アルバムを作品としてまとまりのあるようにする<br>
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・実体: 実体があり、触ることができる<br>
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・空間: 必要な時に広げられる・飾れる<br>
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・個性: アーティスト・作品に沿って個性的な世界観を表現できる<br>
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・再現性: 各アーティストが実装できる<br>
 +
・安価: できるだけ安価である<br>
 +
・場所: 場所は取らない<br>
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・誇示: 所有を示すことができる<br><br>
  
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それぞれをパラメータ化し、提案物の評価に用いる。
  
==まとめ==
 
 何はおねがいをぶっつかって、するとロマチックシューマンに過ぎてひまをなるとこれかをとりてしまいとすましませた。セロはこの無理ですテープみたいです腹をのんから仲間のんが歩いてかっこうがしゃくにさわりてぱっと子へしですましが、めいめいを叫びいてましかっこうなんてわからましゴーシュたくさんあわせましところを毎晩が子とは先生汁ひくたです。
 
  
 その先生恐いわくは何かセロたらべ広くんがなっ猫人をつけるといたた。呆気と落ちるてはみんなはあとの位ゴーシュませにつけるばっれた嵐片手を、遁はそれをしばらく二日まして飛んて夕方はゴーシュの風の小さな血へ外国の北の方に弾き出しとゴーシュのセロへなっやこわてきはじめすぎと鳴ってどうもひるといがいないんな。晩をなかが叫んてたまえでふんて一生けん命のまるく頭が熟しますない。なんも何までた。
+
==今後の展望==
 
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 具体案をいくつか制作し、展示を行う。多くの人に体験してもらい、評価を行う。評価をもとに改良し、一つの最終提案を提示する。そこからさらに今後の可能性について考察する。
 
 
==脚注==
 
<references />
 
  
  
 
==参考文献・参考サイト==
 
==参考文献・参考サイト==
*◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
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*谷口文和・中川克志・福田裕大『音響メディア史』2015年
*◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
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*秋吉康晴『フォノグラフ、あるいは「音を書くこと」の来歴――録音再生技術の着想をめぐる考察――』2017年
*◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
+
*松田 健『音楽のデジタル化と音楽聴取形態の変化について:デジタル世代のミュージッキング』2013
 
+
*『Alex Steinweiss and the World’s First Record Cover』https://illustrationchronicles.com/Alex-Steinweiss-and-the-World-s-First-Record-Cover 2023/10/10閲覧
*◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)
+
*Martin Chilton『IN-DEPTH FEATURESアルバム・アートワークの歴史:ジャズからロック、プログレを彩るデザイナーとアーティスト達』https://www.udiscovermusic.jp/features/history-album-artwork 2023/10/10閲覧
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*井手口彰典『アナログレコードの〈復活〉はどう語られてきたか1988 年から現在まで』2021年
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*『日本レコード協会HP 2022年度調査報告』https://www.riaj.or.jp 2023/10/10閲覧
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*『音楽化社会の現在』2019
  
 
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2023年10月12日 (木) 13:40時点における最新版

西村息吹 / 九州大学 芸術工学府
NISHIMURA Ibuki / Kyushu University

Keywords: Product Design, Visual Design


Abstract
In an age when digital music listening has become the mainstream, this study proposes a new media with a tangible form to Make music appreciation more enjoyable and to visualize the love for music.



背景

 1877年、トーマス・アルヴァ・エジソンがフォノグラフを発明し、音の録音・再生が可能になって以来、人々は音楽を生演奏するだけではなく、家で楽しむことができるようになった。それから、レコードやカセット、CDなど、より手軽に扱えるように発展していき、近年ではサブスクリプションサービスなど、形のあるメディアを通さずにデジタル上で直接ダウンロードして聴取する方法が盛んになっている。
 サブスクリプションサービスは便利で気軽に音楽聴取ができる一方で、欠点もあるように感じられる。一つ目は、サブスクリプションサービスは専念聴取がしにくいという点である。音楽聴取のスタンスは、「専念聴取」と「ながら聴取」の2種類があり、人によってどちらの姿勢が好きかわかれている。多くの人は専念聴取をすることがあり、普段派ながら聴取を多くしている人でも、まれに行う専念聴取の時間を大切にしている人もいるだろう。しかし、サブスクリプションサービスはながら聴取はしやすいものの、専念聴取において楽曲を再生すること以上の恩恵を受けることができない。音楽そのものを再生するだけの役割も満たすため、あるいは再生しながら別のことをするためのデザインであると言える。 ながら聴取がしやすいことは良いことではあるが、専念聴取を選択した際になにか特別な体験ができるようにしたいと考えた。
 もう一つは、サブスクリプションサービスは愛が見えにくいという点である。サブスクリプションサービスでは、一定の金額を払うとどのような曲でも追加できるため、誰でも同じような状況を作ることができる。ある曲が特別好きな人でも、そこまで好きではない人でも、同じようにアクセスできるため、好きであることを表現することが困難である。
 CDやレコードは、好きな人が買って初めて手に入れることができるため、飾ったり見せたりすることで、この作品が好きなことをある程度証明することができた。サブスクリプションサービスでももっと作品に対する愛を表現できるようにしたいと考えた。


目的

 音楽聴取自体はサブスクリプションサービスを利用したうえで、専念聴取をより良い体験にし、愛を可視化できる新しい形式を提案することを目的とする。
 これらは形あるモノを作ることで解決したいと考えている。音楽聴取はサブスクリプションサービスを用いるため、CDやレコードのフォーマットに左右される必要がなくなり、より目的に沿った最適な形を作ることができるだろう。


研究手順

1.音楽メディアの現状の把握
2.楽曲制作をして作り手の気持ちを知る
3.歌詞カードを作成する
4.ペルソナ・要件を設定する
5.実現性を詰める
6.制作・展示を行う
7.今後の可能性について考察する


現状の把握

 レコードのアートワークの歴史や現在の人々の音楽メディアとの関わり方を調べ、音楽を耳で聴く以外の方法で楽しむという視点でどのようなことが求められているかを調査し、専念聴取と愛の可視化の必要性を確かめた。
 レコードのアートワークが初めてデザインされたのは1938年のことである。以前までは写真のアルバムを模した簡素なものが多かったが、グラフィカルなアートカバーになることで音以外の情報から曲の雰囲気を表現でき、作品に深みを与えられるようになった。また、買い手も芸術品を買うような気持ちになり、コレクション性が高くなった。レコードは近年生産数量が上昇しつつあり、形あるメディアの魅力が再確認されている。
現在の音楽の関わり方をみてみると、モノとしてCDなどを所有することに魅力を感じている一方で金銭面やスペースの関係で所有できないという声もあった。

図1.制作した楽曲
図2.制作した歌詞カード

楽曲の制作

 楽曲を制作できるものを集め、コンピレーションアルバムを制作した。制作者の気持ちを理解するためである。筆者も含め8人が参加した。テーマは「かたち」とした。ミックスまでを行い、曲順を決め、マスタリングを依頼し、サブスクリプションサービスで配信した。
 聴き手だけでなく、作り手としても曲の立ち位置やどのように聴いてもらいたいかなど、それぞれのこだわりがあることが分かった。

歌詞カードの作成

 できた楽曲の意図について制作者にアンケートをとり、その内容と楽曲自体を総合し受け取った雰囲気から自由に歌詞カードを作成した。文字を主体にして配置を工夫して制作した。楽曲には歌詞以上に受け取るものがあるが、歌詞は重要で、歌詞がないとテーマが伝わらない。文字をレイアウトして他のことを表現することで、歌詞以上に感情を伝える音楽と同じように、文字によって字面以上の感情が伝わればよいと思ったからである。


要件の設定

ここまで考えたことをもとに、要件を設定した。
・まとまり: アルバムを作品としてまとまりのあるようにする
・実体: 実体があり、触ることができる
・空間: 必要な時に広げられる・飾れる
・個性: アーティスト・作品に沿って個性的な世界観を表現できる
・再現性: 各アーティストが実装できる
・安価: できるだけ安価である
・場所: 場所は取らない
・誇示: 所有を示すことができる

それぞれをパラメータ化し、提案物の評価に用いる。


今後の展望

 具体案をいくつか制作し、展示を行う。多くの人に体験してもらい、評価を行う。評価をもとに改良し、一つの最終提案を提示する。そこからさらに今後の可能性について考察する。


参考文献・参考サイト

  • 谷口文和・中川克志・福田裕大『音響メディア史』2015年
  • 秋吉康晴『フォノグラフ、あるいは「音を書くこと」の来歴――録音再生技術の着想をめぐる考察――』2017年
  • 松田 健『音楽のデジタル化と音楽聴取形態の変化について:デジタル世代のミュージッキング』2013
  • 『Alex Steinweiss and the World’s First Record Cover』https://illustrationchronicles.com/Alex-Steinweiss-and-the-World-s-First-Record-Cover 2023/10/10閲覧
  • Martin Chilton『IN-DEPTH FEATURESアルバム・アートワークの歴史:ジャズからロック、プログレを彩るデザイナーとアーティスト達』https://www.udiscovermusic.jp/features/history-album-artwork 2023/10/10閲覧
  • 井手口彰典『アナログレコードの〈復活〉はどう語られてきたか1988 年から現在まで』2021年
  • 『日本レコード協会HP 2022年度調査報告』https://www.riaj.or.jp 2023/10/10閲覧
  • 『音楽化社会の現在』2019