鉄道車両における外観グラフィックが与える印象の研究
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- 川崎大雅 / 九州大学 芸術工学府芸術工学専攻ストラテジックデザインコース ← 氏名 / 所属(筆頭者)
- Kawasaki Taiga / Kyushu University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
- 迫坪知広 / 九州大学大学院芸術工学研究院 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
- Sakotsubo Tomohiro / Kyushu University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)
Keywords: Industrial Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
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目次
背景
私は、ホームに来る列車を見るとわくわくする。また博多駅などでは国内外からの観光客が鉄道車両の先頭部分に行って記念写真を撮る光景を目にすることができる。このような体験や事例から、鉄道車両のエクステリアデザインには、心を揺さぶる要素があると考えている。
鉄道車両外装デザインとは
鉄道車両外装デザインは、「案内サイン」「車両特性の表現」「営業運転地域の表現(地域性)」「事業者ブランド」「時代性の反映」といった視点からデザインに取り組みながら、鉄道車両の利用を促す人々に好まれるデザインがなされている。 多くの場合、最終的なデザインは、デザイナーの感性に委ねられており、デザイン視点を理解したからといって、人々に好まれるデザインが誰でもできるという状況にはない。
心を揺さぶる要素とは
駅ホーム上では、鉄道の先頭車両を見たり、一緒に写真を撮る観光客や親子連れをみることがある。 そして、多くの場合、好奇心に満ちた生き生きとした表情を見て取れる。 そこには、「旅の記念(記録)」以上の、或る「感動」が人々の中にあると考えることができる。 鉄道車両外装デザインのどのような要素が、或る「感動」をあたえているのかを分析した研究は少ない。
目的
本研究では、鉄道車両外装デザイン要素が、人々に「感動」をあたえているという前提に立ち、どのような要素が、どのような「感動」を与えているのかを明らかにすることを目的とする。
研究の観点
エモーショナルデザインについて
本研究では、ドナルド・A・ノーマン(認知心理学者)が提唱した、「日常生活の製品において、役立つこと、使いやすいこと以外に、人が情動を感じることが重要である」という考えに基づき、エモーショナルデザインの観点から研究を進める。
感性工学について
本研究では、エモーショナルデザインを「感性工学」の手法で研究する。 感性工学とは、「人が製品やサービスに接したときの感情を数値化して的確に把握し、魅力的な設計を行うための学問および手法のこと。」 既存の車両をサンプルとして感性評価を行うことで、鉄道デザインに対する評価構造を科学的に解き、潜在的な要素を明らかにする。
予備調査1
JR九州の鉄道車両を対象に
感性評価を行うための「評価ワード」を抽出することを目的に、JR九州の鉄道車両をサンプルとし、ヒアリング調査を実施した。 ここでは、鉄道車両デザインの全般(造形、グラフィック等)を対象に調査した。 約100組もの評価ワードが集まった。 鉄道車両外装デザイン要素は、多種多様なため、研究対象の絞り込みが必要であると判断した。
研究対象
本研究の対象は鉄道車両の外観デザインのうち、グラフィック要素を対象とした。 本研究におけるグラフィック要素とは、塗装や灯具(ライト)、前面のガラスで表現できる色や形、質感、シルエット(車両そのものの形状以外の要素)を指すものとする。 また、鉄道車両のうち通勤型の車両を対象とする。造形の要素が少なく、形状が直方体に近いため、グラフィック部分に着目した調査がしやすいと考えたためである。
予備調査2
国内の最新型の通勤型鉄道車両を対象に
地域性やデザイナーの違いなどによるデザインの偏りを減らすため、日本国内のJR6社と大手民鉄16社の最新型の通勤型車両を選定した。 ※大手民鉄とは、国土交通省の資料「鉄軌道事業者一覧」に記載されている鉄道事業者。 ※最新型の通勤型車両の情報は、各社のHPでニュースリリースされている最も新しいものを参照。(2023年10月5日時点)
調査1:感性評価に必要な評価ワードの抽出
方法
感性評価に必要な評価ワードの抽出を行うため、ラダリング手法を使い評価ワードとなるイメージワードと直表現ワードを収集した。 被験者は、22-24歳の大学生5名とした。 22種類のサンプル車両のカードから5種類ずつ好きなサンプル・好きでないサンプルを選んでもらいその理由を掘り下げていくという手法をとった。
結果
ラダリングで集められた評価ワード(約300個)を共同研究者2名で近似の評価ワードを集約・分類し、直表現ワード(認知部位)を12アイテム、イメージワードを19組を選定した。
調査2:感性評価(SD法を用いたアンケート)
本研究で明らかにする、「人々に『感動』をあたえている鉄道車両外装デザインの要素」における「感動」とは、個々人の経験に左右されるものである。年齢を重ねるにつれて、涙もろくなるのはその代表的な事例である。他方、小さな子供が鉄道を見た際に喜ぶ様をみると、限られた経験でも、「感動」を与えられることを否定できない。 つまり、鉄道の利用経験の有無により、「感動」する鉄道車両外装デザインの要素が異なることが考えられる。
回答者属性
上記のことから、本調査では、第一に鉄道を利用できる環境と考えられる、鉄道利用率が全国平均より高い8都府県の20代の男女に被験者を限定し 、第二に鉄道利用の有無で分けて調査結果を分析できるよう、鉄道利用頻度で事前に1000人に対しスクリーニング調査を行った。 同時に、グラフィック要素において、色情報は大きな意味があると考え、色覚異常のある人も被験者から除外した。 スクリーニング調査の回答者のうち、鉄道利用頻度が「週4-5日以上利用する」「全く利用しない」と回答した者各50人に対し感性評価を行った。 なお、一定の属性の回答者を広く収集するためインターネット調査サービス「Freeasy」を利用した。
調査票の設計
回答負担の軽減の為サンプル車両を調査1より厳選して調査を行った。 先述のラダリングにおいて「好ましい・好ましくない」として選ばれた回数が多かった上位の8車両を何らかのエモーショナルな要素を含んでいる可能性が高いと考えサンプルとして選定した。 選定した8車両に対し、それぞれの車両に関する経験に関して6段階、19組のイメージワードに対するグラフィックデザインの印象の評価に関して7段階(SD法)の評価の回答を得た。
VRアプリの開発
考察
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まとめ
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脚注
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)