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3DCG演習/Texture のバックアップ(No.1)


第5回 テクスチュアマッピング

3DCG演習/2022?2022.07.26 -

解説動画

CONTENTS




はじめに

オブジェクトの表面に使用される画像やパターンのことをテクスチュアと言い、3次元データの頂点と画像の位置を調整して表面に貼り付ける操作をテクスチャマッピングと言います。Blenderではこの設定を、シェーダーエディタ、テクスチュアノードエディタ、UVエディタ等を使って行います。

3次元物体の頂点を( x, y, z )という変数によって表すのに対し、2次元のテクスチュア画像の位置情報は( u, v )という変数によって表します。

なお、原点を左上とするか左下とするかは、ソフトウエアによって異なりますが、Blenderでは左下を原点( 0, 0 )とし、右上を(1.0 , 1.0) とする形で画像内の座標を表現します。


Shading ワークスペースの利用

マテリアルの設定と同様、テクスチュアの設定でも Shadingワークスペースを使うのが効率的です。TopBar の ワークスペース選択から Shading を選択すると Shader Editor を含むワークスペースが表示されます。

ShaderEditor の利用

新規のオブジェクトは、マテリアル、テクスチュアの情報を持っていません。オブジェクトにテクスチュアを貼るには、オブジェクトがマテリアルを持っていることを前提として、その階層下にテクスチュアデータをリンクする必要があります。まずは、以下のようにして新規のマテリアルを用意してください。

ShaderEditor > Header > マテリアルの [New] をクリック

Principled BSDF ノードが表示されていれば準備OKです。

テクスチュア画像の準備

練習用に以下の2つの画像を使います。ダウンロードして準備して下さい。

単純なテクスチュアマッピング

TextureMap1.jpg

物体の表面にレンガやコンクリートの表面の画像を単純に投影する方法を紹介します。頭部のモデルに顔画像を貼るような詳細な作業ではなく、2次元の画像を3次元の物体にざっくり投影するもので、以下のような方法があります。

テクスチュア画像の準備

concrete.jpg

右図のようなテクスチュアを貼ってみます。事前に準備した画像を利用して下さい。このような画像は、以下のように検索するとフリー素材が多数見つかります。
Google:テクスチャ コンクリート フリー素材

ShaderEditor の利用

TextureMap2.jpg

作業は、ShaderEditor(NodeEditor)上に必要なノードを追加するとともに、これらを正しくソケット接続することが必要です(右図)。以下、その手順です。

以上で、3D View に表示されているオブジェクトの色がテクスチュア画像によって変わることが確認できると思います(3D Viewの表示モードが、Material Preview あるいは Render Preview モードになっていることが必要です)。



UVマッピング

UV_Map.jpg

実際的なテクスチュアマッピングでは、構造物の特定部分に当該素材の画像を貼る、顔面形状に顔の画像を貼るなど、画像と頂点との対応を正確に決めなくてはなりません。そのような場合は オブジェクトの展開図をUV画像に重ねて、UV座標上で、各頂点の位置を対応付けします。

UVマップ画像の準備

dice.jpg

立方体の6つの面にサイコロの1から6の面を対応させることを前提に、右のような画像を用意します。状態が見やすくなるよう右図には境界線が入っていますが、実際には邪魔になるので、練習の際は事前に準備した PNG画像を利用して下さい。

オブジェクトの展開図

Blender のメッシュオブジェクトは、デフォルトで展開図情報を持っています。
以下のようにして確認してみて下さい。

右側の3D Viewport Editor が Edit モードになると同時に、左側の UV Editor に展開図が表示されるはずです。

UV Editor で編集

UV Editing ワークスペースの左側、UV Editor で画像と展開図を重ねて表示して位置調整します。UV Editing ワークスペースに展開図が表示されていない場合は、オブジェクトを再度選択して、EditMode に入り直して下さい。EditModeで頂点がすべて選択されていれば、展開図が表示されるはずです。

以下のようにすると、画像がUV Editor 上に表示されます。

Header > 画像選択(または Open) > 対象となる UV画像を選択します。


頂点と画像の対応付け

UV_Editor1.jpg

UV Editor の中で、画像と頂点の対応付けを行います。モデリングの操作が2Dになるだけで、頂点の移動・回転・拡縮は、[ G ] , [ R ], [ S ] で行うことができます。

UV_Editor2.jpg

対応付けを行なった結果は右図のようになります。


ShaderEditor で UVのリンク設定

UV_Setting.jpg

作業は、ShaderEditor(NodeEditor)上で行います。これを適正に行うには、NodeEditor 上に いくつかのノードを追加するとともに、これらを正しい順序でソケット接続することが必要です(右図)。以下、その手順です。


UV_Result.jpg

以上で、UVマッピングの結果が確認できると思います。。




Worldの設定

Worldは、単一の色から物理的な空のモデル、任意のテクスチャまで、様々な環境光の放射をシミュレーションすることができます。特に環境テクスチュアを使った Image Based Lighting (イメージベースドライティング)を使用すると、光源オブジェクトを使用せずにシーン全体を照らすことができ、シーン内のオブジェクトへの環境の映り込みを含めて、自然なライティングが実現します。

World_EnvironmentTexture.jpg

環境テクスチュアを使ってワールドの設定を行うには、マテリアル、テクスチュアの設定同様、PropertyEditor から設定する方法と、ShaderEditor で設定する方法がありますが、ここでは ShaderEditor を使う方法で説明します。


環境光(色)の設定

デフォルトのグレーの背景色を単純に変更する方法です。

環境テクスチュアの設定

World に環境テクスチュアを設定すると、Image Based Lighting(IBL)が実現します。これを実現するには、環境の Background に Environment Texture をリンクします。Environment Textureノードは、Equirectangular(正距円筒図法)およびミラーボール状の画像をマッピングする Mirror Ball(ミラーボール) を環境マップとしてサポートしています。