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SocialDesign/SpatialScale のバックアップ差分(No.1)


#author("2023-04-27T19:31:02+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko")
*デザインの「半径」
[[SocialDesign]]|SpatialScale
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***半径10m以内の「自分ゴト」
ソーシャルデザインに関する文章の中によく登場するフレーズとして「自分ゴトからはじめましょう」というものがあります。半径10mとは、ほぼ住居の敷地の範囲です。

社会を変えよう、世界を変えよう・・と本腰を入れる前に、自分自身にとって「面白いこと」「楽しいこと」「シアワセなこと」とは何なのか・・。デザインを、もっと身近な行為として考えてみましょう。

自分の部屋を模様替えする・・といった誰もが日常的に行っている行為にも、そこには「必要なものに手が届きやすいか?」、「机の上に入る光の方向は適正か?」など、快適な暮らしのための様々な配慮がなされるものです。それはまさに「デザイン行為の原点」といえるものです。
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***半径100m の「集落(ご近所)」
モノの貸し借り・共有、何かあればすぐに集まることができる距離感。それが「集落(ご近所)」です。[[GoogleImage:集落]]

都会の暮らしでは、それが実体として見えにくくなっていますが、歴史を遡れば明らかなように、人は、このサイズに住居を集合させ、またその中心・焦点・要にあたる場所に「聖域(神社)」を置きました。

意識したことがない方が多いかもしれませんが、神社の数はコンビニの数と同等か、それ以上です。神社は「非日常」の空間であり、かつ「非日常」の時間(祝祭)に関わります。それは、日常と非日常を対峙させることによって、私たちの暮らしを「活性化」させる、社会的な「装置」のひとつだと言えます。

異質なものが存在しないフラットな秩序からは、社会の動的な活性化は生じません。「動き」は緊張感・不安定から生まれるのです。

神域を失った現代の都市空間においても、私たちの身の回りには、それに代わる「神秘的なもの」・「異質なもの」が、様々なかたちで「装置」として組み込まれています。
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***半径10km の「地域」
半径10km、時速4kmの徒歩だと2時間半です。つまり、人間が1日のうちに行って戻ることができる距離が、ほぼ半径10kmです。私たちはこのくらいのエリアを「地域」と呼んでいます。

車や公共交通機関で移動する私たち現代人には、この距離感が失われていますが、ヒトが大型哺乳類の一種に過ぎない以上、適正な行動半径というものは自ずと定まります。自宅から半径10kmの円を地図上に描いて、その範囲を確認してみて下さい。

-付記:日本語における「ら(ま)」は、場(空間)を意味する言葉?
むら(村)、のら(野良)、はら(原)、やま(山)、そら(空)
[[Google:ムラとノラとハラ]]

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