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SocialDesign/Idea の変更点


#author("2023-04-27T20:16:51+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko")
#author("2023-04-30T12:17:34+09:00;2023-04-27T20:16:51+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko")
*ソーシャルデザインのアイデア
[[SocialDesign]]|Idea

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***意味を生成する
新たな意味・価値が生じる場面=「面白い!」を感じる場面

-差異をつくる
--空間や時間に境界を設けて区別する
--結界をつくる(禁足地を設ける)
--タブー(禁忌)を設定する
--空間や時間に特別な意味が生じる、力の勾配が生じる
--風景の見え方が変わる

-空間に名前を与える
--場所に名前をつける(看板を立てる・サインをつくる)
--地図に載せる
--空間が区分され、意味が与えられる
--人が集まる楽しい場所になる

-時間(時刻)に名前を与える
--特定の日を◯◯記念日にする / 15:00を Tea Time にする
--カレンダーに記す / 時報を鳴らす
--それが特別な日 / 特別な時間になる
--人が集まる楽しい日 / 時になる

-参考
--Desinの語源:ラテン語のdesignare =「印を付ける、区分して描く」
--[[構造主義|Structuralism>Structuralism]]
--[[「面白い」とは>Feeling]]
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***編集する
関係の組み換えが生じる場面=「面白い!」を感じる場面

-アイデアの大半は、既存のアイデアの「編集」から生まれます。
-編集は、いくつかの要素を「切って」「つなぐ」行為です。それによって要素間の「関係」が再構築され、そこに新たな意味が生まれます。
-人間がつくる「関係」に自然的根拠はなく、新規構築・組み換えが可能です。「関係」をつくる・かえることで、構成要素の意味も生まれ変わります。
-組み合わせる・・という意味では、バランス感覚を含む「取り合わせ」という言葉がふさわしいかもしれません。
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***見立てる
認識の更新・価値の転倒が生じる場面=「面白い!」を感じる場面

-茶の湯の世界で使われる「見立て」という素敵な言葉。本来別の目的に使われるものを、工夫によってその場に活かすことを意味します。
-コップはペン立てに、椅子の背はハンガーに・・・
-他所では単なる日用の雑器が、見立てによって国宝にまでなる([[井戸茶碗>Google:井戸茶碗]])この日本という国では、人は昔から様々な「見立て」によって生活を豊かにしてきました。
-資源とエネルギーを使って新たにモノをつくるのではなく、既存のものを「転用」する・・・これもある意味ではモノと空間の関係を「編集」する行為と言えます。
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***つなぐ
関係の構築が生じる場面=「面白い!」を感じる場面

-人と人をつなぐ
--必要なスキルを持った人同士をつなぐ
--生産者と消費者をつなぐ
--「これはいらない」という人と「それが欲しい」という人をつなぐ
-人と場所をつなぐ
-場所と場所をつなぐ
--道をつくる
--通信手段をつくる
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***情報を共有する
知の共有・関係の更新が生じる場面=「面白い!」を感じる場面

-掲示板を設置する
-Webサイト(Wiki、ブログ・・・)をつくる
-冊子(リーフレット、絵本、マンガ・・)をつくる
-映像(HowTo動画、ドキュメンタリー、アニメーション・・)をつくる
-人が集まる「場」(会議、ワークショップ、飲み会・・・)をつくる
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***発想を転換する
価値の転倒が生じる場面=「面白い!」を感じる場面

-倒れないようにする → はじめから倒しておく(台風に備えて・・)
-頑丈なものを作る → 壊れても簡単に修復できるものを作る
-明るくする → 周りを暗くする
-看板をつくる → プロジェクターで投影する
-実体を渡す(車を貸す) → 情報を渡す(車の場所を教える)
-届ける → 取りに来てもらう
-資料を配る → サイトを見てもらう(スマホが普及しました)
-全員に配る → 回覧してもらう(この方が確実に見ます)
-防災グッズを備える → それを日常的に使う(使い方が身につく)
-違反者に罰則を与える → 違反しなかった人に宝くじが当たる
-お金とモノを交換する → お互いの知恵を交換する
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***参考:発想法について
KJ法の生みの親である川喜田二郎氏によれば、科学には、書斎科学、実験科学、野外科学の大きく3つの分野があり、それぞれ演繹、帰納、発想(アブダクション)という方法が研究の中心的役割を果たします。ソーシャルデザインは、フィールドの観察から、問題を発見し 仮説を発想する野外科学の方法が参考になります。
参考:[[学問の方法>Sciences]]
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***付記:地域の活性化
地域の活性化は企業活動の活性化とは異なります。[[社会共通資本>Society]]を基礎とする地域社会では、「成長」よりも「持続」、「排他的な所有」よりも「非排他的な共有」がフィットします。何かを生み出すことよりも、何かが動き出す仕組みをつくること(「生産」ではなく「生産性」)が重要だと思います。

-空間に「境界」・「結界」をつくって、交換を促す
--歩行者天国にする
--聖地にする 
-時間を「ハレ」と「ケ」に区分けて循環を促す
--祭りを企画すること

// コスプレの撮影スポットとして場所を提供する

非日常的なもの、異質なもの、「神」的なものを措定することが、地域を「動かす」原動力になります。
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***付記:地域と神様
地域社会の停滞には、政治・経済的な問題もありますが、すべてが日常化したこと、すなわち、[[ポテンシャル>PotentialAndStability]]の差異が消失し(エントロピーが増え)、熱的死に陥ったことにも原因があるのかもしれません。

地域のデザインには「神」あるいは「闇」といった「非日常」を内包させた秩序の動的更新が必要であると思います(闇のない秩序は面白くない)。

人は大型動物としては稀な「定住」という道を選択しています。大型動物が定住に耐えるには、食料の安定確保はもちろんですが、日常空間の中にそれ自身を動的に変革する仕組みが必要です。「神」の存在が措定されたことは、生活世界の動的更新、閉塞感の解消を可能にする上で、重要な意味があったのではないでしょうか。科学的には説明不可能でも、共同幻想として「神」を存在させることはできます。「神」は最小限の環境負荷で人間社会を持続させるための最大の発明であると思います。

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