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百人一首 の変更点


#author("2022-09-15T15:04:30+09:00;2022-09-15T15:02:31+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko")
*小倉百人一首
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小倉百人一首は、藤原定家(1162~1241)が選んだ秀歌撰で、天智天皇から順徳院まで、古い歌人から順に歌番号が付されています。原型は色紙。
 和歌をコレクションする、またそれを教養のひとつとして大切にするという知的価値観は、日本人に特有のものです。
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-1番歌
秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ
&size(12){あきのたのかりほのいほのとまをあらみ わかころもてはつゆにぬれつつ};
天智天皇

-2番歌
春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山
&size(12){はるすきてなつきにけらししろたへの ころもほすてふあまのかくやま};
持統天皇

-3番歌
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む
&size(12){あしひきのやまとりのをのしたりをの なかなかしよをひとりかもねむ};
柿本人麻呂

-4番歌
田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ
&size(12){たこのうらにうちいててみれはしろたへの ふしのたかねにゆきはふりつつ};
山辺赤人

-5番歌
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき
&size(12){おくやまにもみちふみわけなくしかの こゑきくときそあきはかなしき};
猿丸大夫

-6番歌
鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける
&size(12){かささきのわたせるはしにおくしもの しろきをみれはよそふけにける};
中納言家持

-7番歌
天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも
&size(12){あまのはらふりさけみれはかすかなる みかさのやまにいてしつきかも};
安倍仲麿

-8番歌
わが庵は都の辰巳しかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり
&size(12){わかいほはみやこのたつみしかそすむ よをうちやまとひとはいふなり};
喜撰法師

-9番歌
花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに
&size(12){はなのいろはうつりにけりないたつらに わかみよにふるなかめせしまに};
小野小町

-10番歌
これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関
&size(12){これやこのゆくもかへるもわかれては しるもしらぬもあふさかのせき};
蝉丸

-11番歌
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣船
&size(12){わたのはらやそしまかけてこきいてぬと ひとにはつけよあまのつりふね};
参議篁

-12番歌
天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ
&size(12){あまつかせくものかよひちふきとちよ をとめのすかたしはしととめむ};
僧正遍昭

-13番歌
筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる
&size(12){つくはねのみねよりおつるみなのかわ こひそつもりてふちとなりぬる};
陽成院

-14番歌
陸奥のしのぶもぢずりたれゆえに 乱れそめにしわれならなくに
&size(12){みちのくのしのふもちすりたれゆゑに みたれそめにしわれならなくに};
河原左大臣

-15番歌
君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ
&size(12){きみかためはるののにいててわかなつむ わかころもてにゆきはふりつつ};
光孝天皇

-16番歌
立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む
&size(12){たちわかれいなはのやまのみねにおふる まつとしきかはいまかへりこむ};
中納言行平

-17番歌
ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
&size(12){ちはやふるかみよもきかすたつたかは からくれなゐにみつくくるとは};
在原業平朝臣

-18番歌
住の江の岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ
&size(12){すみのえのきしによるなみよるさへや ゆめのかよひちひとめよくらむ};
藤原敏行朝臣

-19番歌
難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
&size(12){なにはかたみしかきあしのふしのまも あはてこのよをすくしてよとや};
伊勢

-20番歌
わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ
&size(12){わひぬれはいまはたおなしなにはなる みをつくしてもあはむとそおもふ};
元良親王

-21番歌
今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな
&size(12){いまこむといひしはかりになかつきの ありあけのつきをまちいてつるかな};
素性法師

-22番歌
吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ
&size(12){ふくからにあきのくさきのしをるれは むへやまかせをあらしといふらむ};
文屋康秀

-23番歌
月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど
&size(12){つきみれはちちにものこそかなしけれ わかみひとつのあきにはあらねと};
大江千里

-24番歌
このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに
&size(12){このたひはぬさもとりあへすたむけやま もみちのにしきかみのまにまに};
菅家

-25番歌
名にし負はば逢う坂山のさねかずら 人に知られで来るよしもがな
&size(12){なにしおははあふさかやまのさねかつら ひとにしられてくるよしもかな};
三条右大臣

-26番歌
小倉山峰の紅葉葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ
&size(12){をくらやまみねのもみちはこころあらは いまひとたひのみゆきまたなむ};
貞信公

-27番歌
みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ
&size(12){みかのはらわきてなかるるいつみかは いつみきとてかこひしかるらむ};
中納言兼輔

-28番歌
山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
&size(12){やまさとはふゆそさびしさまさりける ひとめもくさもかれぬとおもへは};
源宗于朝臣

-29番歌
心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
&size(12){こころあてにおらはやおらむはつしもの おきまとはせるしらきくのはな};
凡河内躬恒

-30番歌
有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし
&size(12){ありあけのつれなくみえしわかれより あかつきはかりうきものはなし};
壬生忠岑

-31番歌
朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪
&size(12){あさほらけありあけのつきとみるまてに よしののさとにふれるしらゆき};
坂上是則

-32番歌
山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり
&size(12){やまかはにかせのかけたるしからみは なかれもあへぬもみちなりけり};
春道列樹

-33番歌
ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ
&size(12){ひさかたのひかりのとけきはるのひに しつこころなくはなのちるらむ};
紀友則

-34番歌
誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに
&size(12){たれをかもしるひとにせむたかさこの まつもむかしのともならなくに};
藤原興風

-35番歌
人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける
&size(12){ひとはいさこころもしらすふるさとは はなそむかしのかににほひける};
紀貫之

-36番歌
夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいずこに月宿るらむ
&size(12){なつのよはまたよひなからあけぬるを くものいつこにつきやとるらむ};
清原深養父

-37番歌
白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
&size(12){しらつゆにかせのふきしくあきののは つらぬきとめぬたまそちりける};
文屋朝康

-38番歌
忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな
&size(12){わすらるるみをはおもはすちかひてし ひとのいのちのをしくもあるかな};
右近

-39番歌
浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき
&size(12){あさちふのをののしのはらしのふれと あまりてなとかひとのこひしき};
参議等

-40番歌
忍ぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで
&size(12){しのふれといろにいてにけりわかこひは ものやおもふとひとのとふまて};
平兼盛

-41番歌
恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
&size(12){こひすてふわかなはまたきたちにけり ひとしれすこそおもひそめしか};
壬生忠見

-42番歌
契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは
&size(12){ちきりきなかたみにそてをしほりつつ すゑのまつやまなみこさしとは};
清原元輔

-43番歌
逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり
&size(12){あひみてののちのこころにくらふれは むかしはものをおもはさりけり};
権中納言敦忠

-44番歌
逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし
&size(12){あふことのたえてしなくはなかなかに ひとをもみをもうらみさらまし};
中納言朝忠

-45番歌
あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたずらになりぬべきかな
&size(12){あはれともいふへきひとはおもほえて みのいたつらになりぬへきかな};
謙徳公

-46番歌
由良の門を渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ恋のみちかな
&size(12){ゆらのとをわたるふなひとかちをたえ ゆくへもしらぬこひのみちかな};
曾禰好忠

-47番歌
八重むぐら茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり
&size(12){やへむくらしけれるやとのさひしきに ひとこそみえねあきはきにけり};
恵慶法師

-48番歌
風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな
&size(12){かせをいたみいはうつなみのおのれのみ くたけてものをおもふころかな};
源重之

-49番歌
御垣守衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつものをこそ思へ
&size(12){みかきもりゑしのたくひのよるはもえ ひるはきえつつものをこそおもへ};
大中臣能宣朝臣

-50番歌
君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな
&size(12){きみかためおしからさりしいのちさへ なかくもかなとおもひけるかな};
藤原義孝

-51番歌
かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを
&size(12){かくとたにえやはいふきのさしもくさ さしもしらしなもゆるおもひを};
藤原実方朝臣

-52番歌
明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな
&size(12){あけぬれはくるるものとはしりなから なほうらめしきあさほらけかな};
藤原道信朝臣

-53番歌
嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る
&size(12){なけきつつひとりぬるよのあくるまは いかにひさしきものとかはしる};
右大将道綱母

-54番歌
忘れじのゆく末まではかたければ 今日を限りの命ともがな
&size(12){わすれしのゆくすゑまてはかたけれは けふをかきりのいのちともかな};
儀同三司母

-55番歌
滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ
&size(12){たきのおとはたえてひさしくなりぬれと なこそなかれてなほきこえけれ};
大納言公任

-56番歌
あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな
&size(12){あらさらむこのよのほかのおもひてに いまひとたひのあふこともかな};
和泉式部

-57番歌
めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影
&size(12){めくりあひてみしやそれともわかぬまに くもかくれにしよはのつきかけ};
紫式部

-58番歌
有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を忘れやはする
&size(12){ありまやまゐなのささはらかせふけは いてそよひとをわすれやはする};
大弐三位

-59番歌
やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな
&size(12){やすらはてねなましものをさよふけて かたふくまてのつきをみしかな};
赤染衛門

-60番歌
大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立
&size(12){おほえやまいくののみちのとほけれは またふみもみすあまのはしたて};
小式部内侍

-61番歌
いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな
&size(12){いにしへのならのみやこのやへさくら けふここのへににほひぬるかな};
伊勢大輔

-62番歌
夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ
&size(12){よをこめてとりのそらねははかるとも よにあふさかのせきはゆるさし};
清少納言

-63番歌
今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな
&size(12){いまはたたおもひたえなむとはかりを ひとつてならていふよしもかな};
左京大夫道雅

-64番歌
朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木
&size(12){あさほらけうちのかはきりたえたえに あらはれわたるせせのあしろき};
権中納言定頼

-65番歌
恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ
&size(12){うらみわひほさぬそてたにあるものを こひにくちなむなこそをしけれ};
相模

-66番歌
もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし
&size(12){もろともにあはれとおもへやまさくら はなよりほかにしるひともなし};
前大僧正行尊

-67番歌
春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ
&size(12){はるのよのゆめはかりなるたまくらに かひなくたたむなこそをしけれ};
周防内侍

-68番歌
心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな
&size(12){こころにもあらてうきよになからへは こひしかるへきよはのつきかな};
三条院

-69番歌
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり
&size(12){あらしふくみむろのやまのもみちはは たつたのかはのにしきなりけり};
能因法師

-70番歌
寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮れ
&size(12){さひしさにやとをたちいててなかむれは いつくもおなしあきのゆふくれ};
良暹法師

-71番歌
夕されば門田の稲葉訪れて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く
&size(12){ゆうされはかとたのいなはおとつれて あしのまろやにあきかせそふく};
大納言経信

-72番歌
音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ
&size(12){おとにきくたかしのはまのあたなみは かけしやそてのぬれもこそすれ};
祐子内親王家紀伊

-73番歌
高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山のかすみ立たずもあらなむ
&size(12){たかさこのをのへのさくらさきにけり とやまのかすみたたすもあらなむ};
前権中納言匡房

-74番歌
憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを
&size(12){うかりけるひとをはつせのやまおろしよ はけしかれとはいのらぬものを};
源俊頼朝臣

-75番歌
契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり
&size(12){ちきりおきしさせもかつゆをいのちにて あはれことしのあきもいぬめり};
藤原基俊

-76番歌
わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波
&size(12){わたのはらこきいててみれはひさかたの くもゐにまかふおきつしらなみ};
法性寺入道前関白太政大臣

-77番歌
瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ
&size(12){せをはやみいわにせかるるたきかはの われてもすゑにあはむとそおもふ};
崇徳院

-78番歌
淡路島通ふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守
&size(12){あはちしまかよふちとりのなくこゑに いくよねさめぬすまのせきもり};
源兼昌

-79番歌
秋風にたなびく雲のたえ間より 漏れ出づる月の影のさやけさ
&size(12){あきかせにたなひくくものたえまより もれいつるつきのかけのさやけさ};
左京大夫顕輔

-80番歌
ながからむ心も知らず黒髪の 乱れてけさはものをこそ思へ
&size(12){なかからむこころもしらすくろかみの みたれてけさはものをこそおもへ};
待賢門院堀河

-81番歌
ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる
&size(12){ほとときすなきつるかたをなかむれは たたありあけのつきそのこれる};
後徳大寺左大臣

-82番歌
思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪へぬは涙なりけり
&size(12){おもひわひさてもいのちはあるものを うきにたへぬはなみたなりけり};
道因法師

-83番歌
世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
&size(12){よのなかよみちこそなけれおもひいる やまのおくにもしかそなくなる};
皇太后宮大夫俊成

-84番歌
長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき
&size(12){なからへはまたこのころやしのはれむ うしとみしよそいまはこひしき};
藤原清輔朝臣

-85番歌
夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ ねやのひまさへつれなかりけり
&size(12){よもすからものおもふころはあけやらぬ ねやのひまさへつれなかりけり};
俊恵法師

-86番歌
嘆けとて月やはものを思はする かこちがほなるわが涙かな
&size(12){なけけとてつきやはものをおもはする かこちかほなるわかなみたかな};
西行法師

-87番歌
村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮
&size(12){むらさめのつゆもまたひぬまきのはに きりたちのほるあきのゆふくれ};
寂蓮法師

-88番歌
難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき
&size(12){なにはえのあしのかりねのひとよゆゑ みをつくしてやこひわたるへき};
皇嘉門院別当

-89番歌
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする
&size(12){たまのをよたえなはたえねなからへは しのふることのよはりもそする};
式子内親王

-90番歌
見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず
&size(12){みせはやなをしまのあまのそてたにも ぬれにそぬれしいろはかはらす};
殷富門院大輔

-91番歌
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む
&size(12){きりきりすなくやしもよのさむしろに ころもかたしきひとりかもねむ};
後京極摂政前太政大臣

-92番歌
わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし
&size(12){わかそてはしほひにみえぬおきのいしの ひとこそしらねかわくまもなし};
二条院讃岐

-93番歌
世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも
&size(12){よのなかはつねにもかもななきさこく あまのおふねのつなてかなしも};
鎌倉右大臣

-94番歌
み吉野の山の秋風さよ更けて ふるさと寒く衣打つなり
&size(12){みよしののやまのあきかせさよふけて ふるさとさむくころもうつなり};
参議雅経

-95番歌
おほけなく憂き世の民におほふかな わが立つ杣にすみ染の袖
&size(12){おほけなくうきよのたみにおほふかな わかたつそまにすみそめのそて};
前大僧正慈円

-96番歌
花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
&size(12){はなさそふあらしのにはのゆきならて ふりゆくものはわかみなりけり};
入道前太政大臣

-97番歌
来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ
&size(12){こぬひとをまつほのうらのゆふなきに やくやもしほのみもこかれつつ};
権中納言定家

-98番歌
風そよぐ楢の小川の夕暮は 御禊ぞ夏のしるしなりける
&size(12){かせそよくならのをかはのゆふくれは みそきそなつのしるしなりける};
従二位家隆

-99番歌
人も愛し人も恨めしあじきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は
&size(12){ひともをしひともうらめしあちきなく よをおもふゆゑにものおもふみは};
後鳥羽院

-100番歌
百敷や古き軒端のしのぶにも なほ余りある昔なりけり
&size(12){ももしきやふるきのきはのしのふにも なほあまりあるむかしなりけり};
順徳院


&aname(mannyogana);
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***参考|万葉仮名の事例
百人一首には、[[万葉集>Google:万葉集]]から選ばれたものがあります。表記(読み方)が異なる場合もありますが、万葉集の時代の「万葉仮名(日本語の音を表記するために漢字を借用したもの)」で表記した事例を紹介します。

-春過而 夏来良之 白妙能 衣乾有 天之香来山
&small(はるすぎて なつきたるらし しろたへの ころもほしたり あめのかぐやま);

-田兒之浦従 打出而見者 真白衣 不盡能高嶺尓 雪波零家留
&small(たごのうらゆ うちいでてみれば ましろにぞ ふじのたかねに ゆきはふりける);

-秋田苅 借廬乎作 吾居者 衣手寒 露置尓家留
&small(あきたかる かりほをつくり わがをれば ころもでさむく つゆぞおきにける);

-足日木乃 山鳥之尾乃 四垂尾乃 永長夜乎 一鴨将宿
&small(あしひきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ);
~
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