論文・研究発表等

「映像断片の継時的群化に関わる『演出』の効果」
九州産業大学芸術学部研究報告 第38巻  平成20年3月

「映像断片の継時的群化に関わる『演出』の効果」
日本映像学会第33回大会  平成19年6月(女子美術大学相模原キャンパス)

「映像断片の継時的群化に関わる『視線』の効果Ⅱ」
芸術工学会誌 No.43  平成19年3月

「映像断片の継時的群化に関わる『タイトル』の効果」
九州産業大学芸術学部研究報告 第38巻  平成19年3月

「映像断片の継時的群化に関わる『アクション』の効果」
芸術工学会2006年秋季大会  平成18年10月(北海道東海大学,旭川)

「映像断片の継時的群化に関わる『視線』の効果」
芸術工学会誌 No.41  平成18年9月

「映像断片の継時的群化に関わる『タイトル』の効果」
日本映像学会第32回大会  平成18年6月(関西学院大学)

「映像断片の因果的結合について
─映像編集における『視線』その他の誘導素材の効果」
日本映像学会西部支部研究会  平成18年5月(九州大学芸術工学府)

「映像断片の継時的群化に関わる『ベクトル』の効果」
九州産業大学芸術学部研究報告 第37巻  平成18年3月

「映像断片群の継時的群化に関わる『視線』の効果」
芸術工学会2005年秋季大会  平成17年11月(長岡造形大学,新潟)

「映像編集におけるショットの継時的群化の要因」
日本デザイン学会第52回研究発表大会  平成17年6月(九州大学,福岡)

 「映像断片群の編集に関わる継時的群化の要因」
九州産業大学芸術学部研究報告 第36巻  平成17年3月

映像の伝達と認知に関する一考察 - 映像情報のスキーマ 2 」
  映像と理論 Vol.28 日本映像学会西部支部編  平成16年3月

映像を& ldquo;束ねる”音 楽的なものについて - 映像情報のスキーマ 1 」  
 映像と理論 Vol.27 日本映像学会西部支部編  平成12年9月

「映像情報におけるスキーマ  - 映像を“束ねる”音楽的なものについて  」
日本映像学会西部支部研究会  平成11年3月(九州大学芸術工学府)

「『流れ』の研究 - 映画的なものへの一考察 」  映像と理論 Vol.23

日本映像学会西部支部編   平成2年7月

「『流れ』の研究  - 映画の原理と日本文化  」
日本映像学会西部支部研究会  平成1年12月(福岡市美術館)

「日本人の視覚と想像」- 浮世絵を中心に -
九州芸術工科大学 大学院修士論文 昭和63年3月
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研究テーマ 「映像断片の継時的群化の要因」 について

 映像情報の大半は、"ショット"といわれる映像断片の継時的な連鎖からなります。ショットというものは本来、空間的にも時間的にも不連続なものなのです が、私たちは通常そのことをあまり意識せずに、映像をひとつながりのものとして見ています。 しかし、ショットとショットの間には、その関係のつくりかた によって、つながりの強さに差が生じることも確かです。 私の研究はその要因を探ること、すなわち、「ショットがつながって見える」ための要因、逆転させ て言えば「ショットとショットが分離して見える」ための要因を探るということです。

 例えば、テレビのようなメディアでは、映像断片は次々に(黒コマなしで)送り出されてくるのですが、そこでは本来つながるべき関係ではないもの(例えば 番組本編とCM)が、誤って連続的に認知されてしまうことも少なくありません。我々は知らず知らずのうちに映像の関係を誤解している場合もあるのです。  見る人を混乱させないように「映像情報をデザインする」という視点に立った場合、視聴者が映像だけを見て間違った理解をすることがないように、映像断片が 「つながる・切れる」ための要因を、認知心理的な観点から実験的に整理・体系化する必要があります。私の研究は、そのような問題意識にもとづいています。

 映画やテレビにおける「物語映像」では、「コンティニュイティー・エディティング」と呼ばれるハリウッドスタイルのテクニックが用いられることで、視聴 者がショット間のつなぎ目に気づかないような編集が実現されています。そのような技法に含まれる編集上の「条件」は、映像がつながって見えるための強い要 因のひとつといえます。 しかし、映像がつながって見えるための要因は、他にも様々なレベルのものが考えられます。例えば、ミュージックTVなどは、映像 の編集という点ではハリウッドスタイルとはまったく異なるものですが、「音がつながっている」ということが、映像断片をひとつながりのものとして認知させ る非常に強い要因になっていると考えられます。また、当然のこととしてあまり話題になることがないようですが、「画質が同じである」ということも、映像の つながりにとっては重要です。逆の例えでいえば、ビデオで撮ったドラマの本編映像とフィルム(24P)で撮って変換したCMの映像とではその境界が明瞭 で、ほとんどの場合は混同されることはありません。

 映像は非常に多くの素材からなる総合的な情報です。したがって「つながる・切れる」要因も複合的であるため、「複数の素材に対する評価を分析して、そこ から数種類の因子を抽出する」といった実験は、ほとんど不可能か、あるいは、それが検出できたとしても、そのような抽象的な因子では、実際に映像断片を 「つなぐ・切る」ための編集手法として応用できそうもありません。 そこで、地味ではありますが、これまで一般に現場の経験則として知られていた各種の 「つなぐための手法」について、そのパラメータを実験的に操作した映像素材を自作しつつ、その要因の効果を一つずつ検証するというスタイルで実験研究を 行っています。
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古典的ハリウッドのキーワード

1)Continuity Editing / Invisible Editing
    コンティニュイティー・エディティング
2)Action & Reaction / Question & Answer
    アクションとリアクション / 疑問と謎解き
3)Parallel Editing(Cross Cutting)
    平行編集(クロスカッティング)
4)Eyeline Match / Match on Action / Graphic Match
    視線の一致 /  動きの一致 / グラフィックの一致
5)180°System ( Imaginary Line )
    180°ルール(イマジナリーライン)
6)Establishing Shot
   エスタブリッシングショット 
7)Long / Middle / Close Up
    サイズ : ロング・ミドル・クローズアップ
8)High Position / Eye Psition / Low Position
    カメラポジション : ハイ・アイ・ローポジション
9)High Angle / Horizontal / Low Angle
    カメラアングル : ハイ・水平・ローアングル
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ハリウッドスタイルの詳しい解説 リンク集

All Movie Guide - Glossary
Film Analysis Guide 
Movie Terminology Glossary
Notes on The Gaze
Online Film Dictionary
BARNES & NOBLE .COM Video & DVD
素晴らしき哉、クラシック 映画!
シ ネママガジン
映画用語集
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認知科学のキーワード

1)プレグナンツの原理

「あらゆる体制化は簡潔で安定した構造を目指す」というもので、ゲシュタルト心理学の中心概念とされています。

 
2)群化の要因

近接・類同・閉合・共通運命・よい連続・よい形・客観的態度の要因・経験の要因


3)因果的結合・因果知覚

文章中の命題間の結びつきのことで、談話理解の因果的結合に関して、

以下のことが明らかになっている (Langston & Trabasso, 1999)と

言われます。(以下引用)


 ・ 因果的な結びつきは、文と文との間の因果的関連の判断、
  および原因がキューとして与えられた場合の結末の想起されやすさに
  影響を与える。
 ・ 因果的な結びつきは、文の重要性の判断に影響を与える。
 ・ 因果的な結びつきは、結末を読むことでその原因をプライムするのに
  影響を与える。
 ・ 因果的な結びつきは、理解しやすさ、または当文がストーリーの文脈に
  どれくらい一致するかの判断に影響を与える。
 ・ 因果的な結びつきは、各文およびストーリー全体の想起に影響を与える。
 ・ 因果的な結びつきは、ストーリーの一貫性の判断に影響を与える。


参考・引用: http: //www.modern.tsukuba.ac.jp/~ushiro/Publishing/Rglossary.htm


4)結束性(cohesion)

文に一貫性を持たせる主要な要因で、テキストを構成する要素の意味が、

別の要素に依存して解釈される場合に、その結びつきを指します。

文法的な方法と語彙的な方法があります。


5)文脈効果(プライミング)
先行する刺激が認知的な構えを形成して後続刺激の処理に促進効果を及ぼす
映像のような時系列情報の認知には、この効果が常に働いていると考えられます。概念的文脈効果と知覚的文脈効果に分類されます。

6)情報量(情報処理モデルに関連)
情報理論の定義によれば、-log2[出現確率] 又は log2[可能性の数]
出現確率の小さな出来事(予測の範囲外) → 情報量大
出現確率の大きな出来事(予測の範囲内) → 情報量小

7)ボトムアップとトップダウン
情報処理における2つのプロセスで、スキーマとデータが相互に情報交換する場が想定されます。

・ トップダウン処理(概念駆動型処理)は、人間の記憶に多く依存し、

  入力データを予想や仮説、期待などのもとに処理します。

・ ボトムアップ処理(データ駆動型処理)は、感覚入力データに駆動され、
  より上位の概念や枠組みに組み込まれます。

このページは書きかけです。
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映像断片の群化に関わる3つのレベル

1.感覚レベル

大前提として画質が一致していることが必要です。フィルムで撮ったものとビデオで撮ったものとでは明らかに違和感があります。又例え ば、暗いからといって特定のショットだけゲイン調整を行ったりすると、やはり違和感が生じてスムーズな映像の認知を妨げます。

2.知覚レベル

2.1.空間的な情報の一致 
・被写体の視線方向、立ち位置、
 衣装その他の視覚情報の一致
・照明条件の一致
・カメラの撮影パラメータの工夫

2.2.時間的な情報の連続
・被写体の動きの連続
・照明の動きの連続
・カメラの動きの連続
・音声情報の連続

3.認知レベル

3.1.視聴者の知識ベースに依存した接続
 「男→女」、「赤信号→停止する車」

3.2.先行情報の文脈効果に依存した接続
 「オープニングでの登場人物の紹介」
 「エスタブリッシング・ショット」

3.3.アクションとリアクションによる接続
 「人物の視線→見られた対象」
 「照らす→照らされる対象」
  「投げる→打つ」
 「電話のベル→受話器をとる人物」


認知レベルの接続は「小説の書き方」にも通じます。「少女は見上げた。空には白い雲。」と書けば、「少女が白い雲を見た」と解釈されます。

一 方知覚レベルの接続の問題は「小説」では問題にならない映像特有のものです。 例えば、2人の会話で、「どちらが右にいるか」や「何色の服を着ているか」は 小説では問題になりませんが、映像では「一致」させる必要があります。分割して撮影して後でつなぐ場合、「映っているもの」を写真に撮って記録しておくと よいでしょう。

※このページは書きかけです。

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