#author("2024-11-07T15:39:53+09:00;2024-11-07T15:39:02+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko") #author("2024-11-07T15:42:11+09:00;2024-11-07T15:39:53+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko") *Database ~ データベースとは、大量のデータをコンピューターで扱いやすい形に整理したものです。インターネット検索、チケット予約、ブログ、オンラインショッピングなど、様々なアプリケーションやWebサイトがデータベースと連携しています。 ~ ***CONTENTS #contents2_1 ~ ~ **概要 ***データモデル データモデルには、カード型、階層型、ネットワーク型、リレーショナル型などが存在しますが、現在主流となっているデータモデルはリレーショナル型です。 リレーショナル型データベースは、データを列(Column)と行(Row)で表現される表(Table)の集合として編成されます。 Table には一般にデータ(行、レコード)を一意に識別するための」''PRIMARY KEY(主キー)''(学籍簿で言えば「学籍番号」)や、他の Table を参照する''FOREIGN KEY(外部キー)''などが設定されます。これらによって、複数の Tableを関係づけた、様々な「問い合わせ」や「ビュー(仮想 Table)」の作成が可能になります。 小規模なデータ管理であれば、同じく Table を基本とするスプレッドシートでも事足りますが、大規模かつ効率的なデータ管理を行うには、これが重宝します。 ~ ***DBMS データベースを管理するソフトウェアのことを一般にデータベース管理システム(DBMS:DataBase Mnanagement System)と呼びます。DBMSには、データ管理のための様々な機能があって、それらは以下4つの機能に分類されます。 -Data Definition(データ定義) データの編成を規定する定義の作成、変更、および削除 -Update(更新) 実データを挿入、変更、および削除 - Retrieval(検索) データを直接、または他のアプリケーションで処理できる形式で提供 検索結果は、データベースに保存されているものと同形式、または、それらを編集した新たな形式でも利用することができる -Administration(管理) ユーザー登録、状態の監視、データの維持・管理、破損情報の回復など DBMSの具体例としては、MySQL、Microsoft Access、Microsoft SQL Server、FileMaker Pro、Oracle Database、dBASE などがありますが、その代表はオープンソースの__[[MySQL>Database/MySQL]]__(派生版:MariaDB) です。 MySQLは、Webベースのアプリケーションに最適なプラットフォームで、オンデマンド利用における柔軟性から、Airbnb、Uber、LinkedIn、Facebook、X(Twitter)、YouTubeなど、世界中に多数の利用者を持つ Webアプリケーションに利用されています。 ~ ***Database のファイル実体はどこ? Databaseファイルの操作は通常 MySQLのようなDBMS を介して扱うので、当該ディレクトリを開いて直接触ることは稀ですが、データファイルの実体がどこか?というのはよく話題になるので、とりあえず、LinuxOS で MySQLが管理するデータ・・ということで言えば、デフォルトでは以下の場所に存在します。 /var/lib/mysql/ ちなみに Linux(UNIX)OSのファイルシステムにある var というディレクトリは、外部からのアクセスで中身が変わるようなものを置くための場所で、httpd(Webサーバー) が扱う Web関連のファイルもここに置かれます。 /var/WWW/html ちなみに Linux(UNIX)OSのファイルシステムにある ''var'' というディレクトリは、可変データを格納するディレクトリで、外部からのアクセスで中身が変わるようなファイルが置かれます。httpd(Webサーバー) が扱う Web関連のファイルもここに置かれます。> 例:/var/WWW/html ~ ~ **phpMyAdmin ***概要 #image(phpMyAdmin07.jpg,right,40%) [[phpMyAdmin>https://www.phpmyadmin.net/]]とは、MySQLをブラウザからデータベースに接続してGUIで管理するツールです。通常、MySQLを設置したサーバの Webディレクトリ(/var/www/html)に置いて、ブラウザからアクセスします。当然 PHPが動作するサーバ環境になっていることが必要です。 これを使うと、ブラウザからデータベースを操作することができるので、Webアプリケーションの開発等に興味がある方は、まずこれを使って、データベースとその操作のイメージを掴むことをお勧めします。 ~ ***ダウンロードとセットアップ -ローカルで XAMPP を利用しているケース すでに同梱されています。以下のアドレスで確認できるはずです。 http://localhost/phpmyadmin/ -レンタルサーバーを利用するケース すでに置いてあるケースが大半です。サーバーの管理ページのメニュー項目に phpMyAdmin がないか確認してください。 -自身でサーバーを立てているケース 自分でインストール・初期設定する必要があります。 --以下の公式サイトから phpMyAdmin をダウンロード https://www.phpmyadmin.net/ --FTP接続で phpMyAdmin フォルダをドキュメントルートにアップロード &color(red){公開サーバーの場合、ドキュメントルートにあるの phpMyAdmin という名称は攻撃を受けやすいので、別名に変更する方がよいでしょう。}; --設定の詳細は [[Database/MySQL#phpMyAdmin]] に記載しています。 ~ ***アクセス方法 -ローカルで XAMPP を利用しているケース 自分のPCにXAMPPをインストール済みで、XAMPPマネージャで MySQL Database を Running させている場合は、以下のアドレスとログイン情報でアクセスできるはずです。 --接続先:http://localhost/phpmyadmin/ --データベースユーザー:root --パスワード:なし -レンタルサーバーを利用するケース サーバー管理画面にアクセスすると、メニュー項目に phpMyAdmin というワードが見つかると思います。そこから接続可能です。 -自身でサーバーを立てているケース MySQL(MariaDB)のインストール・設定時に自身で設定したユーザ名とパスワードを使ってアクセスします。MySQL(MariaDB)のインストールや利用者設定は、通常SSH接続で遠隔操作します。> 詳細:[[Database/MySQL]] --接続先:http(s)://path/to/(phpMyAdminのディレクトリ名)/ --データベースユーザー:MySQL(MariaDB)に自身で設定したもの --パスワード:MySQL(MariaDB)に自身で設定したもの ~ ***データベースの作成 #image(phpMyAdmin01.jpg,right,40%) phpMyAdmin に接続すると、デフォルトで4つのデータベースがありますが、まずは、新しいデータベースを作成して、それを使って試しましょう。 ~ -1) 新規作成をクリック #image(phpMyAdmin02.jpg,right,30%) -2) 「データベース」タブが表示されるので、以下のように入力して「作成」 --データベース名:sample_db --照合順序:utf8mb4_general_ci #image(phpMyAdmin03.jpg,right,30%) -3) 「構造」タブに「テーブルを作成」と表示されるので、以下のように入力して「作成」 --名前:member --カラム数:4 -4) データベースの構造を定義する画面が表示されるので、以下のように設定して「保存する」をクリック #image(phpMyAdmin04.jpg) --名前:id、データ型:INT(Integer:整数値という意味です) ユニークな(他とかぶらない)値なので、PRIMARY を設定して下さい。 --名前:name、データ型:VARCHAR(255) --名前:e-mail、データ型:VARCHAR(255) --名前:created、データ型:datetime データが登録された際にその日付が自動入力されます。 --付記:name や e-mail の型に TEXT を設定する例もあるようですが、VARCHARは固定長データとしてそのままデータベースに格納、TEXTは長文となることが前提なので、ポインタ(格納場所のアドレス)が格納される・・という違いがあります。VARCHARの方が、その後の処理は高速になります。 -5) テーブル member ができました。 #image(phpMyAdmin05.jpg) -6) データを数件登録してみます。「挿入タブ」から適当に入力してみて下さい。実行をクリックすると、挿入操作の SQL が表示されて、以下のようにテーブルにデータが登録されたことがわかります。 |45|10|45|c |#image(phpMyAdmin06.jpg)|>|#image(phpMyAdmin07.jpg)| ~ ***データベースの操作 ここから先は、データベースに複数の TABLE を作成して、データの挿入・更新・削除、また、複数の TABLE を組み合わせて問い合わせを行う・・という流れになります。phpMyAdmin は SQL を書く作業を GUI 化させたものなので、その具体的な理解には SQL を直接理解するのが賢明です。以下をご覧下さい。 ~ ~ **SQL SQLの詳細は > [[Database/SQL]] ~ ***SQLとは SQL(Structured Query Language:構造化クエリ言語)とは、データの定義、書き込み、問い合わせ(クエリ)などを行うためのデータベース言語です。 SQLによるデータベース操作には「対話型」と「埋め込み型」の2種類があります。対話型は、[[Terminal]]接続や、phpMyAdmin のようなGUIツール上で、ユーザーが直接SQLのコマンドを打ち込むもので、埋め込み型は、PHPやJavaなどのプログラミング言語で記述したソースコードにSQL文を埋め込むものです。 SQLは、 あくまでもデータの操作や定義を行うためのデータベース言語で、それ自体はプログラミング言語ではありません。実際的には、様々なアプリケーションにおけるデータベースへのアクセスのために、他のプログラミング言語(ホスト言語)に埋め込まれて利用されるのが一般的です。 SQLはその機能によって「データ定義言語」「データ操作言語」「データ制御言語」の3種類に分類されます。以下、それぞれの概要と命令文の例です。 ~ ***DDL(Data Definition Language:データ定義言語) データを格納する際の構造を定義するためのSQL -CREATE:オブジェクトを制作する -JOIN:テーブルを結合する -DROP:オブジェクトを削除する -ALTER:オブジェクトの内容を変更する -TRUNCATE:データを全削除する ~ ***DML(Data Manipulation Language:データ操作言語) 格納された個々のデータを操作するためのSQL -SELECT:データを検索して取得する -INCERT:データを追加する -DELETE:データを削除する -UPDATE:データを更新する ~ ***DCL(Data Control Language:データ制御言語) データへのアクセス権限などを制御するためのSQL -GRANT:ユーザーに権限を付与する -REVOKE:ユーザーの権限を削除する -BEGIN:トランザクションを開始する -COMMIT:トランザクションを確定する -ROLLBACK:トランザクションを取り消す ~ ***DBMSでの対話例 Terminalからデータベースに接続する、あるいは GUIツール phpMyAdmin を使うと、SQLによるデータベースとの対話が可能になります。 例えば、成績一覧テーブルから、芸術学部の学生のみを選んで、その英語の点数のみを抽出するには、以下のようなSQL を書いて「実行」します。 SELECT 英語 FROM 成績一覧 WHERE 学部 = '芸術'; ~ ***PHPでの埋め込み例 PHPからデータベースに接続するには、PDO(PHP Data Objects)というデータベース接続クラスを使用します。以下、商品表(shohin)から ID(id) と 商品名(name)を抽出する例です。 // データベースへの接続情報の設定 $dsn = 'mysql:dbname=SampleDB; host=localhost'; $user = 'SampleUser'; $password = 'SampleP@ssWord'; // PDOインスタンスの生成 $pdo = new PDO( $dsn, $user, $password ); $pdo->query('SET NAMES utf8;'); // 文字化け対策 // クエリの定義 $sql = 'select id,name from shohin'; // クエリの実行 foreach ( $pdo->query( $sql ) as $row ) { print( $row['id'] ); print( $row['name'].'<br>' ); } // データーベースを切断 unset($pdo); 上記の例では・・ -mysql:dbname = mydb; host = localhost; の部分が、データベースへの接続に必要な情報( DSN:Data Source Name )です。 -select id,name from shohin という記述が SQL です。 ~ ~ ~