3DCG演習/2022?|2022.07.19 -
マテリアルの設定について体験する前に、体験用のシーンを作成します。
オブジェクトの材質(色・質感)のことをマテリアルと言います。Blenderでは、このマテリアル設定をシェーダーエディタのメインウインドウにあるノードエディタを使って設定します。従来型のプロパティーエディタでも設定可能ですが、レンダリングエンジンの Cycles と Eevee はノードツリーを使用するため、ノードエディターの利用(Use Nodes)がデフォルトになっています。
2DCGでは、ラスター系(Photoshopなど)でもベクター系(Illustrator)でも、ピクセルや図形に設定するのは色(RGB値)と透明度(α値)のみですが、3DCGの場合は、基本的な色のみならず、光の拡散、鏡面反射、透過・屈折、発光といった、シェーディングに関する細かい設定が必要になります。
マテリアルに関するデータ自体が大きなデータセットになるため、赤いプラスチック・銅・ガラスなど、マテリアルには個別に名前を付けて、オブジェクトとの紐付けを簡単にできるように管理します。例えば「ガラス」と名付けられたマテリアルデータは、シーンに登場する複数のガラス素材のオブジェクトにリンクされて利用されるのが一般的です。
マテリアルの設定を行う場合は、Shadingワークスペースを使うのが効率的です。TopBar の ワークスペース選択から Shading を選択すると シェーダーエディタを含むワークスペースが表示されます。
新規のオブジェクトは、オブジェクトデータ(頂点座標等)を持っていますが、マテリアル情報は持っていません。オブジェクトに色を付けるには、マテリアルデータブロックをリンクする必要があります。この初期操作は、以下のいずれかの方法で実現できます(後者を推奨)。
PropertyEditor > Material Property > New(または既存のものを選択) ShaderEditor > Header > Material > New(または既存のものを選択)
右図は、オブジェクト(Cube)にマテリアル(Material)が設定されている場合のデータの階層構造です。これは、Outliner の画面で個々のオブジェクトの項目をプルダウンして確認することができます。
シェーダーエディタのメインウインドウは NodeEditor になっています。
右図は、オブジェクトに新規のマテリアルを設定(New)した直後の画面で、シェーダーノードのひとつである Principled BSDF と、アウトプトノードのひとつである、Material Output の2つのノードが表示されています。
個々のノードには、ソケットと呼ばれる連結部分があって、マウスドラッグで同じ色同士のソケットを接続します。
ノードは大きく3種類あって、ソケットは以下のように配置されています。
Blenderには様々なシェーダーが用意されていますが、デフォルトは Principled BSDF(Bidirectional Scattering Distribution Function:双方向散乱分布関数)と呼ばれる PBR(Physically-Based Rendering:物理ベースレンダリング)シェーダーです。これに用意された各種のパラメータを設定することで、様々なオブジェクトの色や質感を設定することができます。
マテリアルの設定は、ひとつのオブジェクトにひとつのマテリアルをリンクするのが簡単ですが、ひとつのオブジェクトに複数のマテリアルを持たせることが必要になる場合もあります。以下の2つの方法があります。
例えば、本体がアルミで、取っ手が木材の「鍋」をつくる場合、全体の形をつくってから塗り分けるのではなく、本体と取っ手を別のオブジェクトとしてモデリングし、マテリアルの設定まで行ってから、2つのオブジェクトを JOIN すれば、結果的には、複数のマテリアルを持ったオブジェクトが完成します。
以下、Blender に用意されているシェーダーノードを紹介します。鏡面反射や透明ガラス等に特化したノードが用意されているので、最適なノードを選択するだけで、それらの質感は簡単に設定することができます。