#author("2023-09-05T15:37:55+09:00;2023-09-01T12:02:55+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko") *第3回 統計解析2 [[データサイエンス/2023]] ~ ***CONTENTS #contents2_1 ~ ~ **クロス集計 集計には大きく''単純集計''と''クロス集計''の2つがあります。単純集計(GT:Grand Tota)は、アンケートの回答者数全体の実数や比率のことで、集計の基本となります。例えば「◯◯が好きですか?」という質問を200人行った結果、はい:110人、いいえ:50人、どちらとも言えない:40人・・といった集計が単純集計です。しかし、それがどんな属性をもった集団にもあてはまるとは限りません(例えば、学部によって傾向に違いがあるもしれない)。そこで、数(比率)の違いを「属性」別に見えるように集計するのがクロス集計です。 |◯◯が好き|文学部|経済学部|工学部|芸術学部|合計|h |''はい''|20|30|35|25|110| |''いいえ''|20|10|5|15|50| |''どちらとも言えない''|10|15|10|5|40| |''合計''|50|55|50|45|''200''| RIGHT:&small(クロス集計表); このような表をつくると、学部によって、好き嫌いの傾向に違いがあることがわかります。ちなみに、その違いが統計的に優位なものであるか否かを検定する方法として、__[[カイ二乗検定>Statistics/χ-Squared-test]]__(独立性の検定)があります。 ~ ~ **相関 統計分析では、個々のカテゴリ項目の代表値や散布度の把握と並んで、項目間の連動関係を見出す作業も重要です。例えば成績一覧表から「数学の点数が高い学生は物理の点数も高い」など、項目間に連動が見られる場合を「相関がある」と言います。 ~ ***共分散 はじめに共分散から説明します。共分散とは「国語の点数 X」と「数学の点数 Y」のような2組の対応するデータについて「X の偏差 × Y の偏差」の平均 を取った値です。 #mathjax( s_{xy} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n}(x_{i}-\bar{x})(y_{i}-\bar{y} ) ) -共分散の値が正:X が大きいときに Y も大きくなる傾向がある -共分散の値が 0: X と Y には関係がない -共分散の値が負:X が大きくなると Y が小さくなる傾向がある ~ ***相関係数 2つの変数の間の関係を測る指標で、「数学の点数が高い人は物理の点数も高い」など、「ああであれば、こうである」ということの程度を示します。相関係数 r が正のとき確率変数には正の相関が、負のとき確率変数には負の相関があるといいます。 #mathjax( r = \frac{(xとyの共分散) }{ (xの標準偏差) \times (yの標準偏差) } ) -&mathjax(r); は -1.0 から +1.0 までのいずれかの値をとる -&mathjax(| r |); が 1.0 に近いほど相関が強く、0に近いほど相関が弱い レポート等で相関の有無について語る場合、一般的な目安は以下です。 -| r | = 0.7~1.0 かなり強い相関がある -| r | = 0.4~0.7 やや相関あり -| r | = 0.2~0.4 弱い相関あり -| r | = 0~0.2 ほとんど相関なし //-詳細はこちら >__[[Statistics/Descriptive]]__ ~ ~ **演習3|相関係数 ***サンプルデータの準備 -[[教育用標準データセット|SSDSE>https://www.nstac.go.jp/SSDSE/]]にある「SSDSE-基本素材(SSDSE-E)」を利用します。以下からダウンロードして下さい。 --https://www.nstac.go.jp/sys/files/SSDSE-E-2023.xlsx --データの解説:https://www.nstac.go.jp/sys/files/kaisetsu-E-2023.pdf -GoogleDrive > マイドライブ > DataScience に、ダウンロードした基礎データをアップロードして下さい。 -アップしたファイルをダブルクリックすると、ファイルがGoogleスプレッドシートで開かれます。 -''メニュー > ファイル > 「Googleスプレッドシートとして保存」''としてから利用することを推奨します。 ~ ***相関係数の計算 項目間の相関係数を計算してみましょう。 -元データは、全国の集計行と都道府県の47行あります。 -一番上の「全国」の行を削除、あるいは色分けして、間違って計算対象に含めないように処理して下さい。 -あなたの興味関心にもとづいて、いくつかの項目のペアを選んで下さい。 -列を移動して、ペアとなる列が横並びになるようにして下さい。 -ペアの右に空の列を挿入して、その一番上の行に、相関係数を求める式を記述して下さい。Excel でも GoogleSpreadsheet でも、関数式は同じです。 =CORREL(範囲1, 範囲2) 例 =CORREL(C4:C50,D4:D50) -列のペアを複数(数は任意)つくって、いろいろ試してみて下さい。 -「◯◯の値が大きな県は、△△の値も大きい」といった知見が得られると、面白い・・となるでしょう。 付記:サンプルデータのように比較可能な項目が多い場合は、すべての項目間について一括で「相関行列」を作るのが一般的です。「相関行列」は Python を使うと簡単に得られるので(後の授業で紹介・体験します)、ここでは手動で簡単に体験するにとどめます。 ~ ***参考情報 -[[Googleスプレッドシートで相関係数を求めてグラフ化する方法>https://ponicom.net/correl/]] ~ ***学科サイトで学科サイトにリンク掲載 -1. Spreadsheet を開いた状態で、右上の「共有」をクリック -2. 共有設定を変更して、以下のように表示される状態にします。 このリンクを知っているインターネット上の全員が閲覧できます。 -3. 「リンクをコピー」をクリックして、そのアドレスを、以下の形式で、学科サイトにリンク掲載して下さい。 -[[相関係数の計算事例>https://docs.google.com/spreadsheets/・・=sharing]] -4. 以下のようになればOKです。 https://design.kyusan-u.ac.jp/socialdesign/?JohnSmith/DataScience ~ ~ ~ ~ ~ ~