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Linux の変更点


#author("2021-10-12T13:16:23+09:00;2019-10-16T08:36:37+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko")
*Linux
オープンソースのUnix系OS
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**はじめに
Linux は MacOS や Windows と同様の基本ソフト(Operating System)です。GUIベースのものは見た目もMacOSやWindowsと同様ですので、パソコンを使った経験のある方であれば、違和感なく操作することができます。
-[[GoogleImage: Linux Screenshot]]

最大の特徴は[[オープンソース>OpenSource]]であるということです。つまり、自由に複製や改変ができる無料のソフトウエアです(一般にあまり意識されていないかもしれませんが、Windows に代表される OS は有料で、パソコンの販売価格にはその分が含まれています)。
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***CONTENTS
#contents2_1

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**概説

Linux には Debian系(Debian、''Ubuntu''、Knoppixなど)、RedHat系(''CentOS''、Fedora、Vine Linux など)、Slackware系(Slackware、openSUSE)、さまざまなディストリビューション(配布形態)があります。見た目はそれぞれ異なりますが、いずれもその中核部分(カーネル)に「Linuxカーネル」を採用していることから、これらの配布パッケージはすべてLinuxと総称されてい ます。

Linuxカーネルは、1991年、Linus Torvaldsというフィンランドの学生が、PC用の「UNIX」を自ら書き下ろし、そのソースコードをインターネット上に公開したことがはじまりで す。その後、多くの賛同者の手によって開発が進み、現在さまざまなディストリビューションとなって、MacOSやWindowsと同様の、ユーザーフレン ドリーなOSとなりました。

おそらくみなさんにとって最大の問題は、Linux上では、Adobe のPhotoshopや Illustrator などが動かないというこ とでしょう。基本的にLinuxは、オープンソースのツールを使うのが前提、というか、そういうスタンスのユーザが多いため、有料のソフトでLinuxに対応したものは稀です。したがって、Photoshop の代用は GIMP、IIllustrator の代用は Inkscape など、それぞれオープンソースの世界の定番 ツールを利用することが前提となります。

また、プリンタやスキャナー、デジカメとの直結など、専用のドライバーソフトを必要とする機器とは接続が難しいというのも弱点です。一般にプリンターを購入すると、そのプリンターをPCから制御するためのドライバーソフトというのがCD等で添付されていますが、MacOS用 や Windows用のドライバーは含まれていても、Linux用は含まれていないのがほとんどです。そこで、Linuxユーザはネット上から当該機器のドライバーが配布されていないか確認し、それを自分でインストールする必要があるのです。

上記のような使いづらさはありますが、PC本体の動作、USBメモリーの利用、ネットワークの利用では、まったく問題なく動作します。
 つまり、Webブラウジングやメール、オフィスワークやグラフィックス、3DCG、Webデザインなど、PCとネットワークで完結する電子媒体中心の作業では Linux環境で十分仕事ができるということになります。
 Linux上で動作するソフトウエアもその大半がオープンソースなので、PCとインターネット接続環境さえあれば、あとは一切お金がかかりません。
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**それはどこで手に入るの?

インストールディスクの iso イメージ(インストールDVD作成用のデータ)が各プロジェクトごとにWeb上で配布されています。それをダウンロードして自分でインストールディスクを作成するのが一般的です。
 ただ、「isoイメージディスクの作成というのがよくわからない」 という場合は、雑誌や書籍に付録のディスクを利用するとよいでしょう。[[日経Linux>Google:日経Linux]]のような雑誌では、常に最新のディストリビューションがDVDの付録でついています。また、 LinuxのインストールDVDがバンドルされたLinux入門の書籍もたくさんあります。インストールの手順なども細かく説明してありますので、初心者の方にはそちらがお勧めです。
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**必要な環境と試用

***PC/AT互換機 / インターネット環境
Macに対応したものもありますが、とりあえず PC/AT互換機、つまり現在みなさんがWindowsマシンとして用いているPCの方がトラブルは 少ないでしょう。Linux はOSを軽量化することが比較的簡単なので、中古でも十分動きます。
また当然ですが、ネット接続環境が必要です。大半のソフトウエア(アプリケーションやドライバ)をインターネットから入手して使うという前提から、ネットに接続できないと Linuxを用いるメリットが活かせ ません。
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//***とりあえず、試してみる
//どんなものかとりあえず試してみたいという方には、USBメモリーに Linux をがお勧めです。
//-[[Google:USB Linux]]

//現在持っているPCにKNOPPIXのCDを挿入して起動するだけで、Linuxの動作を試すことができます。もちろん試すだけでなく実用が可能で、すでに 高等学校等でもKNOPPIXを使用したインターネット接続演習、またワープロや表計算の授業を行っているケースがあります。
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***とりあえず、試してみる
不要になって放置しているPCがあれば、とりあえず、それにLinuxをインストールしてみるのがよいでしょう。入手したインストールDVDを挿入して、次へ次へと進めればインストールは完了します。非常に簡単です(ただし簡易な「おまかせインストール」の場合、ハードディスクの中身はOSも含めてすべて消えてしまいますので注意してください。

現実的には Windows とのデュアルブート環境がお勧めです。ただしそれには、本体HDのパーティション設定や、Windows領域を残して正しくLinuxの領域を確保するといった作業が必要になりますので、PC 初心者の方は、入門書などでその手順を参照しながら注意して作業してください。最低限、Windows領域のデータのバックアップはしておいたほうがいいでしょう。
-[[Google:Linux インストール]]

私自身は PC/AT互換機をデュアルブート環境にしています。Linuxが利用できるメリット以外にも、Windowsがクラッシュした場合に、Linux側からWindows領域のデータをサルベージ(救出)できるというメリットがあります。
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**Linux(Unix)の特徴

***Unix の哲学
The Unix Philosophy
- 1. スモール・イズ・ビューティフル
- 2. 一つのプログラムには一つのことをうまくやらせる
- 3. できるだけ早く試作する
- 4. 効率より移植性を優先する
- 5. 数値データはASCIIフラットファイルに保存する
- 6. ソフトウエアを梃子(てこ)として使う
- 7. シェルスクリプトによって梃子の効果と移植性を高める
- 8. 過度の対話的インターフェースを避ける
- 9. すべてのプログラムをフィルタとして設計する

'''Mike Gancarz|1996'''
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 我々が守ろうとしたものは、単なる便利なプログラミング環境ではなく、
 協力関係が構築できるシステムであった。
 我々は経験上、遠隔アクセスやタイムシェアリングシステムによって
 もたらされた共同コンピューティング環境は、単にプログラムの入力手段が
 キーパンチから端末装置に変わるというだけのものではなく、
 密接なコミュニケーションを生み出すものであることを知っていた。
'''Dennis MacAlistair Ritchie 1979'''
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***ディレクトリ構成

Linuxをインストールしたディスクの中( / 以下 )のフォルダ構成は Unix と同じ形式になります。各ユーザのデータは、/home 以下の各ユーザー名のフォルダ内に置いていきます。これをホームディレクトリといいます。MacOSの場合の言い方と同じです(MacOSXはもともと UNIX系なので同じ発想になります)。

-ページを独立させました。>[[Linux/DirectoryStructure]]
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***root ユーザー(特権ユーザ)

MacOSXやWindowsでは、あまり明確に意識されていない方が多いようですが、Linux(Unix)では、root という特権ユーザと、その他の一般ユーザというように、明確に「マルチユーザ」環境を意識する必要があります。システム環境の変更などのリスクを伴う操作については、root ユーザのみが、それを行うことができるようになっています。root はWindowsでいう「Administrator」に相当します。
 たとえ自分だけのPCであっても、最低2つのアカウント、つまり、rootユーザと、もう一人一般ユーザを設定する必要があり、通常はその一般ユーザとし てPCを使うことになります。アプリケーションのインストールや更新、またネットワークの設定など、システム全体にかかわる変更を行う場合は、root ユーザになり代わって (「rootに上がる」と言います)その操作を行います。
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***ターミナル(コンソールウインドウ)
マウスではなく、キーボードから直接コマンド(命令文)を入力してPCを操作するためのウインドウです。現在のシステムでは、これは使わなくとも大半の操作はできますが、これを用いることで、マウスでは複雑な操作が、簡単にできてしまう場合もあります。

例えば、Blenderというソフトをインストールするには、
 $ su- (rootユーザに上がる)
 # yum install blender
と打つだけで、ネット上のリポジトリ(情報のため池)から当該ソフトウエアを検索して、インストールが行われます。

ファイルの移動、コピーや、検索など、基本的にすべてUNIXのコマンドと同じものですので、一度覚えてしまえば便利です。
 ちなみに、MacOSXにも同様の [[Macターミナル>Terminal]] があって、Linuxと同じコマンド入力での操作が可能です(これは先に述べたように、MacOSX 自体がUNIX系のFreeBSDをベースにしていることに由来します)。同様に Windows にもコンソールウインドウがあり、一部のコマンドは同一の書式となっています。
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***パス
データのありかを示す表記は重要です。絶対指定と相対指定があって、絶対指定は、ハードディスク直下( / 以下 )からの記述で、相対指定はカレントディレクトリ(現在開いているフォルダ)から見た相対的な記述となります。
例えば、ユーザ名が designer のホームディレクトリにある works というフォルダの中のsample.jpgというファイルは、以下のように表現されます。
 絶対指定では、/home/designer/works/sample.jpg
 相対指定では、./works/sample.jpg
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**アプリケーション
アプリケーションの大半は、オープンソースです。オープンソースのソフトウエアについては以下のページで紹介しています。
-[[OpenSource]]

アプリケーションのインストールは他のOSより簡単です。メニューに「アプリケーションの追加と削除」のような項目がありますので(多分ディストリビューションによって表記が異なると思います)、それを起動すれば、Web上にあるインストール可能なソフトの一覧が得られます。その中から欲しいアプリケーションにチェックをつけて「更新」とすれば、あとは勝手にダウンロード・インストールしてくれます。基本オープンソースでいこう・・という発想なので、課金される心配などはありません。管理されたリポジトリの情報をもとに、安全なサーバーからのダウンロードとなりますので、安心して利用することができます。
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**ディストリビューション
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***Ubuntu
Ubuntu(ウブントゥ)はDebian GNU/Linuxをベースとしたオペレーティングシステムで、カノニカルから支援を受けて開発されています。誰にでも使いやすい最新かつ安定したOSという位置付けで、Linux 初心者には最適なデスクトップOSです。 
-公式サイト http://www.ubuntulinux.jp/
-詳細な情報 http://ja.wikipedia.org/wiki/Ubuntu

-[[Ubuntu]]

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***CentOS
CentOS(セントオーエス)は、Red Hat Enterprise Linux との完全互換を目指したフリーのLinuxディストリビューションです。 

-公式サイト https://www.centos.org/download/
-詳細な情報 https://ja.wikipedia.org/wiki/CentOS

//-[[ImgBurn>http://www.imgburn.com/]]

//注意
//BIOSの設定については、PC初心者の場合、経験のある方に必ず付き添ってもらってください。間違った設定をすると、大変な目にあいますので、十分気を つけてください。BIOSの設定画面・操作は、メーカー・機種ごとに異なります。
//[[BIOS設定の例>http://www.pc-info.sakura.ne.jp/jisaku-biossettei.html]] 
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**APPENDIX

***関連ページ
-[[Linux/DirectoryStructure]]
-[[Terminal]]
-[[SSH]]

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