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Semi-lattice の変更点


#author("2020-03-02T17:51:57+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko")
*ツリー構造とセミラティス構造
建築家クリストファー・アレグザンダーが指摘した創造の原則
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***都市計画 / プログラミング / データベース / Web
#image(semi-lattice.png,right,40%)
ツリー構造とセミラティス構造。いずれも集合(Set)の構成の仕方に対する呼名ですが、このセミラティスは、都市計画から情報のデザインにいたるまで、人間の創造行為に関わる重要な概念です。

-都市に例えると
--ツリー:人工的に計画された都市
--セミラティス:自然にできた都市

-組織に例えると
--ツリー:官僚・軍隊
--セミラティス:IT企業、マトリックス型経営システム

-図書の管理に例えると
--ツリー:図書館の配架
--セミラティス:Amazon の検索

-データに例えると
--ツリー:エクセルの表など(全体を印刷して視覚的に整理できる)
--セミラティス:要素単位にタグ付けされたデータベース(全体を視覚的に図解するのは無理。視覚化可能な表はクエリーで生成する)

-インフラに例えると
--ツリー:水道網、送電網(従来型)
--セミラティス:インターネット、スマートグリッド

-Webサイトに例えると
--ツリー:サイトマップに整理可能な静的Webサイト
--セミラティス:Wiki, Blog(カテゴリやタグで検索するデータベース)
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***都市はツリーではない
 多くのデザイナーが都市をツリーとして考えるのはなぜだろうか
 (その理由は)思考法の習慣、おそらく人間の頭の働きそのものの
 落し穴にかかっているのが原因だ。
 ツリーは視覚的に頭に描きやすく扱いやすいが、
 セミラティスは描きにくく扱いにくい。
 人間が直感的(視覚的)に把握できる能力には限界がある。
 (デザインの仕事の多くがツリー構造になってしまうのは)
 複雑な問題をできるだけ簡単にしなければ理解できないという、
 人間の思考能力に原因がある。
 
 ツリーと比較してセミラティスは複雑な織物の構造である。
 それは命あるもの、即ち偉大な絵画、交響曲の構造である。
 セミラティス構造は重複性、不確定性、多様性などの性質をもち、
 ツリー構造のように、アーティキュレイト、カテゴライズされていないが、
 それは秩序を備えていて、ツリー構造と比較しても、
 混乱していることは決してない・・・

&small(形の合成に関するノート / 都市はツリーではない  Christopher Alexander);
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***部所型組織からプロジェクト型組織へ
-従来型の人事組織はツリー状の「組織図」で描くのが普通ですが、プロジェクト型組織は、セミラティスとなるため「組織図」には描けません(無理に描くとぐちゃぐちゃになります)。
-プロジェクト型組織には、データベースシステムが必須です。例えば、以下のようなデータベース(テーブル)があれば、「プロジェクトIDで抽出してプロジェクトメンバーを捉える」といった組織管理が簡単にできます。
|社員ID|社員名|プロジェクトID|役職|プロジェクトID|役職|
|01001|鎌田敏夫|''T023''|''P''|W501|S|
|01002|北川悦吏子|S101|S|S203|P|
|02001|坂元裕二|''T023''|''S''|V203|D|
|02002|野島伸司|S101|P|''T023''|''D''|
|02003|山田太一|K302|S|S101|D|
-要するに、''部所という器の中に人を入れるのではなく、人それぞれにプロジェクトIDをタグ付けする''という、逆の発想が必要になります。
-セミラティス型の組織管理を実現するには、''データベース活用の常態化が前提''です(''紙に視覚的に印刷して管理する方法では無理です'')。
-IT系企業は全員がデータベースの利活用に慣れているので、プロジェクト型の組織管理方式を採用しています。従来型組織の企業に比べた場合、業務効率には大きな差が生じています。
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***関連キーワード
-[[伽藍とバザール>TheCathedralAndTheBazaar]] Eric Steven Raymond
-[[スケールフリーネットワーク>Scale-freeNetwork]] Albert-László Barabási / Réka Alber
-[[正規分布とべき分布>Distribution]]

-[[ツリーとリゾーム>Google:ツリー リゾーム]] Gilles Deleuze / Pierre-Félix Guattari
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