Lighting
カメラがとらえるのは被写体というよりは「光と影」です。
光の方向
光の方向・向きの選び方で、陰・影のでき方が変わります。それによって、立体感や発色が大きく左右されます。
- 斜光:被写体の横に光源
- 逆光:被写体の背後(カメラの視線の先)に光源
- 半逆光:被写体の斜め後に光源(逆光と斜光の中間)
- 順光:被写体の正面(カメラの背後)に光源
- トップ光:真上に光源
ちなみに、陰と影の違いは以下。
- 陰 Shade:光線と面の角度の差によって生じる面の明るさの差
- 影 Shadow:障害物が光をさえぎることによって生じる影
光源が長さや面積を持つ場合(点光源ではない場合)、影(Shadow)は本影と半影に区別することができます。
- 本影:光がまったく当たらない部分
- 半影:光の一部が当たっている部分
影できている場所から光源を見ると、光源の一部が見えている状態
光源のタイプ
光源は、点光源・線光源・面光源・平行光源・スポットライト・環境光・天空光などに分類することができるとともに、その撮影上の役割から、以下のように分類することもできます。
- キーライト :主光源(屋外では太陽光)
- フィルライト:補助光(屋外ではレフ版による光)
- バックライト:被写体のエッジを浮き立たせるとともに、
主光源が被写体の背後につくる影も消します。 - リングライト:カメラの周囲に円形に光源を配置すると、
被写体の瞳に輝く光の輪が映ります。
GoogleImage: photography studio lighting
光を拡散させる
カメラについているストロボ(フラッシュ)は点光源でキツイ影をつくってしまいますが、傘(放物面:パラボラ)で反射させるなどすると面光源になって、柔らかい影ができます。
コンビニの袋などを被せてストロボの光を「散らす」方法もあります。
GoogleImage: 撮影 ディフューザー
屋外での撮影の場合、以下のようなリフレクターで下から光をあてると、太陽光によってできる強い影を消すことができます。
GoogleImage: board reflector
付記:「逆光は良くない?」について
「逆光は良くない」というのはフィルムカメラの時代の素人向けの話です。自動露出を備えたフィルムカメラで逆光撮影すると、被写体が相対的に露出不足になる失敗が多かった・・というのがこの話の理由です。現在のデジタルカメラはどう映るかがモニターできるので、その場で調整可能ですし、そもそも 認識系AI が被写体を検知して露出を自動調整するので、失敗はありえません。逆光を使えば、被写体のエッジが立つ(立体感が出る)、モデルがまぶしくない・・など多くのメリットがあります(順光の場合、モデルがまぶしくて目を細めてしまう、瞳孔が小さくなる・・といった問題があります)。
APPENDIX
灯りとデザイン
- かつて夜は暗かった(月夜は意外に明るい)
- 闇の存在がなければ、照明の存在感も得られない。