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SocialDesign/Introduction

ソーシャルデザインの前提

SocialDesign|Introduction

良いデザインとは? と聞かれたら・・
私は「問題がないモノ・コト」と答えることにしています。

問題に気付く

私たちの身の回りには、様々な問題(problem)があります。まずは、問題に気付くことができるかどうか?アーティストとしての感性が問われる部分です。

日本語の「問題」には Question と Problem という異なる意味があります。受験勉強で問題を解くことに専念してきた多くの日本人は「問題は与えられるものである」という感覚に慣れてしまって「問題」そのものを疑うことをしないようですが、重要なのは、検索で答えが出るような Question ではありません。人と社会が抱える Problem を見出し、これに対する Solution を提案することです。

問題を忘れない

問題は無数にあって、せっかくそれに気づいても、忘れてしまうことが多いのも事実です。見えやすい場所に問題を銘記し、みんなで共有することが大切です。

問題の本質をとらえる

橋をデザインするのではなく、川をどう渡るのかをデザインする。

カタチを作る前に、そもそも何が目的なのかを考えることが大切です。

課題を設定する

課題とは、問題を解決するための具体的な方法です。
問題(problem)と課題(issue)は違うので、まずこれを区別しましょう。
問題とは「あるべき姿と現状とのギャップ」で、
課題とは「そのギャップを埋める方法」を意味します。

例えば

「村が孤立して住民が困っている」というのは「問題」。
「物資を届ける」「住民を移動させる」「橋を架ける」などは「課題」。

一般にひとつの「問題」に対して、いくつもの「課題」が設定できます。問題が発生した段階では「何をどうすればいいか」が定まっていませんが、課題を定義すると「誰が何をいつまでにどうするか」が明確になります。

ソーシャルデザインの上流工程では、この「課題」を明確に「設定」して、
参加するメンバー全員がこれを共有する必要があります。

付記1|そもそもその問題は共有できるのか

ある人にとっては「寒い」部屋でも、他の人にはちょうどいい・・・
「問題」が共有されなければ、その「解決」は混乱を招くだけです。
価値観、宗教観など文化の違いも含め、問題そのものが共有できない場合は、
「棲み分け」が必要です。
先を急ぐ人と、のんびりしたい人を一緒にすると、お互いが不幸。
実は「棲み分け」るだけで解決する問題が多いことも事実です。

付記2|問題解決型ビジネスとソーシャルデザインは違う

世の中には「問題解決型ビジネス」というものがあります。対象を定めた問題解決型ビジネスというのは、問題がなくなるとビジネスが成立しなくなります。結果、自らの存続のためには問題を生み出し(掘り起こし)続けなくてはならなくなります。問題でもないものに「新たな名前をつけて」問題を喚起したり、必要以上に人々の不安を煽ったり・・。そのような動機づけで駆動するビジネスは、ソーシャルデザインが目指すものではありません。






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Last-modified: 2023-05-10 (水) 11:32:41