回帰効果の誤認
人が陥りやすい勘違いについて
物事のランダムな振る舞いには波がある
乱数を振り続けるとわかることですが、ランダムな現象にも大きな波があるのがふつうです。一定の間、下降したり、また上昇したり・・・
平均は変化しないことが前提なので、谷がくれば上昇し、山がくれば下降するというのが全体のふるまいで、常に平均値への回帰現象がみられます。
問題への対処
通常人は、この大きな波の谷の部分において様々な「対処」をします。
- 体調が悪い → サプリメントを飲む
- 賭け事で負け続ける → 神頼みする
- 子供の成績が下がりつづける → 叱る
効果の勘違い
ランダムな現象はいずれも、谷のあとは上昇回帰するので、対処に本質的な効果がない場合も、上昇のふるまいをみて効果があったような気になります。
- サプリメントを飲む → 飲んだ本人は、その効果があったように感じる
- 神頼みする → ここの神様はご利益があると感じる
- 叱る → 叱ると子供の成績は上がるような気がする
これが、「回帰効果の誤認」です。
誤差の範囲のふるまいから生じる誤認は、問題の本質を見失うことにつながるので、注意が必要です。