メディアを理解するための技術的基礎
視覚情報の伝達には、大きく紙媒体と電子媒体が利用されますが、特に電子媒体については、その基本的な仕組みについての理解を抜きに、
それを活用しているのがほとんどでしょう。
しかし、情報を能率的に伝達するには、各種メディアが利用する技術について
知識をもつことも重要です。
ここでは、そうした話を理解するうえでの、基本的な用語について
いくつか解説します。
このページは書きかけです。
電磁波
電磁波とは、空間の電場と磁場の変化によって形成される波のことです。これは「横波」のかたちで空間を直進しますが、物質が存在する空間では、
反射・屈折などの現象が起こります。
電磁波の速度は、真空中で 3×100,000.000m/s と一定ですが、
物質が存在する場合、その速度は、物体の屈折率によって変化します。
屈折率は電磁波の波長に依存するので、実質的にその伝わる速さは波長によって
異なることになります。
電磁波は波長によって様々な分類がされていて、波長の長い方から、
電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・ガンマ線などと分けられています。
周波数
周波数(frequency)という言葉は、振動現象が一秒当たりに何回繰り返されるかを表す数で、単位はヘルツ (Hz)を用います。
身近なところでは、100Vのコンセントから取り出される交流電流が
60Hz(東日本では50Hz)です。
電波を利用する情報メディアは、細分化された周波数帯域をそれぞれが
棲み分けるかたちで、同じ空間を使って情報を伝達しています。
ちなみに「電波」とは正確には 30Hz から 3THz の電磁波を指すもので、
波長域によって超低周波・超長波・長波・中波・短波・超短波・マイクロ波などと
細分化されています。
電波の周波数による分類
波長
波長とは、周期的に繰り返す波の形の高・低1セット分の長さを意味します。その長さは [ 速度 / 周波数 ] で求まります。
電磁波は波長によってふるまいが異なります。
波長の長い電波は、進行方向に多少の障害物があっても進むことができるため、
主にテレビやラジオなどの長距離の情報送信に使用されます。
電波よりも波長の短い光は、経験的にわかるように、直進します。
ただし、その中でも波長の長い光(例えば赤)と波長の短い光(例えば紫)では、
屈折が異なるため、プリズムなどを通すと曲がり方が異なります。
カメラ(写真)には、この問題は重要で、単純に大きな単レンズを使えば、
当然波長によって像にズレができることになるので(色収差といいます)、
実際のカメラでは複数のレンズを組み合わせることで、このズレを解消しています。
X線はさらに光よりも波長が短く、物体を透過するようになります。
レントゲン写真やX線CTは、これを応用した視覚情報だといえます。
変調
変調(moduration)とは、情報を記録・伝送する際に、伝送媒体の性質に応じて最適な電気信号に変換する操作のことです。
たとえば、音声(100Hz~数千Hz)の振動を、80MHzのFM放送電波に
のせる操作などが、変調です。
通信では一定周波数の電波(搬送波・キャリア)を発生し、
それを変調することにより情報を伝送します。
同一空間内に複数の音声を直接同時に発生させると、
音はゴチャマゼになってしまいますが、
それぞれの音声を異なる周波数の搬送波に載せれば、分離することができます。
この空間に、ラジオ・テレビ・携帯電話など無数の情報が飛び交うことができるのは、
それぞれを異なる搬送波に載せているからです。
ちなみに、変調された電波は、当然、音としては聞こえません。
変調された放送電波から音声情報を取り出す操作を「復調」といいます。
変調方式の分類
1)振幅変調(AM) :搬送波の振幅の変化で変調するもの。
AMラジオ放送、テレビ放送の映像信号などはこれ
2)角度変調
周波数変調(FM) :搬送波の周波数の変化を利用するもの。FMラジオ放送など
位相変調(PM) :搬送波の位相の変化を利用するもの。
3)パルス変調 :パルスの振幅・幅・位相・符号などで変調するもの。
4)デジタル変調 :デジタル信号で搬送波を変調するもの
このページは書きかけです。
画像データのデジタル化
アナログのフィルムや映像信号をデジタル化して処理・記録する場合は、A/D変換系が必要で、フィルムス キャナ・イメージスキャナ・ビデオキャプチャーなどと呼ばれるものがそれを行います。今日ではデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなど、光学系・ 光電変換系及びA/D変換系を合わせ持つ機器が一般化しており、アナログからデジタルへというプロセスを意識することが少なくなりましたが、世界を光の像 としてとらえる光学系と、それを電気に変換する光電変換系、そしてさらにそれをデジタル情報へ変換するA/D変換系、この3つのブロック全てが、画像のク オリティーに関わっているということは、常に意識しておくべきでしょう。さて、画像のデジタル化においては、標本化数と量子化数を決める必要があります。
画像の場合、縦横の画素数を決めることが標本化にあたり、この数はA/D変換系の限度内で自由に決めることができるのですが、問題は今述べたように光学系と光電変換系がどの程度のものであるかが重要です。
例えば原画像が35㎜ フィルムによるものであれば、その画質は約1000万画素程度に相当し、また通常のビデオ画像であれば約30万画素程度に相当します。原画像を超える解像度 をもたせても特別な目的がないかぎり意味がないため、おのずとそれが標本化数の上限をきめることになります。
次に量子化数についてですが、これは色数に関わるもので、例えば量子化数8ビットであれば256 色、24ビットであれば1677 万色となります。RGB各8ビット(256 段)で24ビット量子化したものが、一般にフルカラー画像と呼ばれ、我々の視覚の能力はカバーされます。
ただしある程度の面積で並べて見れば、1ビット異な るだけでも差は分かります。
CMYKモードと減法混色
CMYKは減法混色になる色モードで、シアン (cyan)、マゼンタ (magenta)、イエロー (yellow) と、墨(black / Key plate)の4色で混色されます。理論的には、CMYをすべて均等に混ぜると黒色になるはずなのですが、インクや紙の特性上、実際には濁った茶色という感じになってしまいます。そこで、黒の発色をよくするために別途黒インクを用います。
なお、黒のインクのみで作る黒に対して、CMYのインクも加えて作った黒を、「リッチブラック」といって、黒の上の濃い黒を使った表現などに用いられます。
表記は0~100%
RGBモードと加法混色
RGBは光の三原色で、それぞれ赤 (red) 緑 (green) 青 (blue) の頭文字です。加法混色を表現するのに使われるモードで、各値をすべて最大値にしたものが白、逆に0にした場合が黒になります。モニタでの表示を前提とした画像には、このモードが使用されます。
RGB各8ビットとして (28 )3= 1670万
表記は0から255
補足:音声データのデジタル化
マイクロフォンやピックアップからの入力をデジタル化する場合も同様のA/D変換が必要となります。俗にサンプラーと呼ばれる音声のデジタル化マシンは音楽の分野から登場しましたが、現行の大半のデジタル機器はアナログ音声入力端 子を持ち、その内部でA/D変換(俗に言うキャプチャー)ができるのが一般的です。音声のデジタル化では、原音波形をどこまで忠実に再現するか、その必要性に応じて標本化周波数と量子化数と呼ばれるパラメータを決める必要があります。
標本化定理(sampling theorem)によれば、標本化周波数は、信号に含まれる最高周波数の2倍以上必要である。「人」の聴覚は20,000Hz = 20kHz までの帯域をもつので、標本化周波数が40kHz以上あれば、耳には十分忠実に再現されているように聴こえます。実際には 44.1kHz・22.05kHz・11.025kHzといったレートのものが一般的に採用されており、順にCD・ラジオ放送・電話のクオリティーと考え るとよいでしょう。
量子化数は音の波形の振幅を何段階に分けるかに関わるもので、例えば量子化数16ビットであれば、音の強弱が216 = 65,536 段階で表現されます。一般にCDでは16 ビット、マルチメディアコンテンツでは16ビットや8ビットが採用されています。
もちろん、さらにモノラルかステレオかという選択が必要で、ステレオであれば当然2倍の情報量となります。
可視光線と色彩
人の視覚がとらえることのできる光とは、波長が380nm から760nm の範囲の電磁波です。ちなみにその外の領域は、波長の短い方へ紫外・X・ガンマ‥、長い方へは赤外・無線通信の電磁波領域‥となります。我々はその波長の 違いを「色」という現象としてとらえていて、波長の長い方から「赤橙黄緑青藍紫」というふうに対応づけることができます。もちろんこの「色」は物理的に存 在するものではなく、我々一人一人の頭の中で生じている心理現象であって、また「色名」も本来連続的に分布するものを言葉で区切ったものにすぎないため、 「赤と橙の境界は?」と問われてもその答えは定まるものではありません。このページは書きかけです。
補足:可聴周波数と最小可聴限
「人」の音波に対する可聴周波数範囲は、ほぼ20Hz から20,000Hz で、音楽の話で言うと(1000倍≒210倍ですから)10オクターブに相当します。内耳の特性のみでは100kHz 程度まで感じるらしいのですが、伝達系である中耳の限界で上限がきまってきます。これは当然、構造・サイズの異なる聴覚器をもつ生物では異なるもので、例 えば犬は上限が50kHz といわれます(調教用の犬笛はこの帯域を利用しているため、人間には聴こえません)。音の強さの範囲については、音圧では2 × 10-4μbar から2 × 102μbar と約百万倍のレンジをもっています。もちろん最大限界の方は、これ以上では鼓膜が破れるという意味の数値です。最小値の方は、正常聴力者での最も感度の高い3kHz 付近での音圧です。
一般に音の強さについてはSPL(Sound Pressure Level: 音圧レベル)が単位として用いられ、これは 20log((実効音圧)/(基準音圧:2 × 10-4μbar))dBという式で与えられます。ちなみに、百万倍は120dB にあたります。対数が用いられるのは、人の聴覚のダイナミックレンジが百万倍もあること、また一般に感覚が物理量の対数に比例することが主な理由で、メー タ等はこのdB表示を採用することで感覚的に理解しやすくなっています。
「アナログとデジタル」について
analog : 類似的な、、連続的な
取り出しやすい、一挙に損失することはない無限の解像度、しかし複製の都度質が落ちる
シーケンシャルアクセス(テープ)、情報は線状に進行
インターフェイスが直感的 身体感覚あり
各々が異なる記録メディアを持つ
ハードとソフトが一体・・人間の脳もこのタイプ
※「魂」の座とはその切り離せない部分か?
digital : 数値化された、離散的な
取り出しにはデジタルプロセッサーが必要一挙に損失する可能性あり
有限の解像度、しかし複製しても落ちない
ランダムアクセス(ディスク、メモリー)、選択肢による介入可能
インターフェイスはスイッチ
記録メディアは多種多様で、すべてが情報の種類を問わず記録可能
※USBメモリー:見ただけでは用途のわからないメディア
ハードとソフトが分離している
※ワイヤードロジックではなくストアドプログラム方式
アナログで取り扱っていた最大情報である2時間のビデオ映像。
これがDVDとなり、またHD上で編集可能となった2000年ごろ
パーソナルコンピュータの性能は1つの目標点に達したと言える
「メディア」と「作品」
このページは書きかけです。「メディアはメッセージである」 M.マクルーハン 「人間拡張の原理」
「人間の拡張」としてのメディア
このページは書きかけです。人間の「脳」は「体」から自由になりたがっている
人間は「脳」だけで外との関係をつくりたがっている
※棒でつつく→棒の先は指先と同じ
望遠鏡・カメラ・・脳の出先機関としての「眼」の拡張
車・・足の拡張であると同時に「見られずに見る」空間の創出
->人間はもともと引きこもる傾向にある
->人間は直接的なコミュニケーションを好まなくなった?
->いつでも退席できるネット上のコミュニケーションが快適?
隣に座っている人よりも、携帯(メディア)の向こうの人につながる
->「集団・組織・協調」の崩壊
手仕事とPC作業、割り込まれて不快に感じるのは後者
-> メディアは人間の「引きこもり傾向」を助長する
※デジタル万引き・・(欲しいのは実体ではなく「情報」である)
※電話というメディアは「営利誘拐」という新たな犯罪を生んだ
※メディアの普及にはアダルト業界の動きが大きく影響する
「機械芸術」について
このページは書きかけです。機械の目はボトムアップである。
芸術の存在する場所 作家⇔作品⇔鑑賞者
「複製芸術」について
このページは書きかけです。複製によってアウラは消滅する
ベンヤミン「複製技術時代の芸術」
コンピュータは複製のための道具
仕事の大半はコピペ
※コピーしすぎて不要になった情報の整理も必要になった
複製が瞬時にできる→これが世の中のスピードに影響する
記号論の用語(フェルディナン・ド・ソシュール)
Signifiant / Signifie (能記 / 所記)Denotaion / Connotation (外示 / 伴示)
※写真はその外示の強さによって共示を隠蔽する
例えば、言語記号においては、「イヌ」という音声がSignifiant で、
「犬」の概念がSignifieです。
人間が作り出した記号の大半、両者の関係は恣意的なものです。つまり「約束」です。
たとえば 「赤→止まれ」 の関係は、成員間の合意が得られれば 「青→止まれ」に変えることも可能です。同様に 「猫」 を 「イヌ」と発音するように決めてしまうことも、可能です。
ちなみに、現実の世界に境界線を引いて物事を分類しているのは、人間の用いている言語なので、言語圏が異なれば、物事の分類はかわります。
我々にとって蝶と蛾は異なりますが、これらはいずれも Butterfly で、言語圏によっては同じものなのです。
Signifiant / Signifie (能記 / 所記) は、
「形式」と「内容」という言葉に置き換えて、考えると理解しやすいかも知れません。
余談ですが、
例えば、物語の内容を伝える場合の文字。
「内容」をスムーズに伝えるには、「形式」そのものが目立ってはいけません。
本文はクセのない明朝体などにします。
面白がって読んだ小説については、その書体が明朝だったか、細ゴシックだったかは、みなさん、おそらく、記憶にないでしょう。
逆になんだかよくわからない文章の場合は、内容が入ってこない分、
形式としての文字の形などが鮮明に意識化されたりします。
「右は左ではない」 という、内容のない文章や、
「無色の緑色をした思想が、猛然と眠っている」 といった意味不明の文章、
「かごめ、かごめ、かごの中の鳥は、・・・夜明けの晩に、鶴と亀が ・・」 といった呪文のような文章、いずれも、内容ではなく、「形式」が強調され、それが記憶に残ります。
ギャグは一般に、「内容」がありませんので、「形式」が印象に残ります。
逆に言えば、内容のない文章を徹底して言葉にすれば、それなりに笑えるものになります。
また 例えば、歌の歌詞が意味不明であれば、Vocalすなわち「声」という形式が
より強調されて記憶に残ることになります。
このページは書きかけです。
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