CG の歴史

1960 年代のCG 
サザーランドのスケッチパッド(初の対話型グラフィックシステム) 1963 年
ワイヤーフレーム、隠線消去、サーフェスモデル、スムースシェーディング等
の基礎研究が進む
1970 年代のCG
1970 年 Bezier らが曲面記述法を開発
1975 年 Catmull がZ-Buffer 法を開発
1980 年代のCG
1980 年 Whitted が光線追跡法を開発
1982 年CG による映画「トロン」  家庭用ゲーム機でのリアルタイム処理
1990 年代のCG
仮想現実感(VR) の技術が進展 ゲーム業界の成長がCG 分野を牽引
ハードの低価格化 PC での3DCG が実用レベルに


CGの概要

コンピュータグラフィックスはデータ構造の点から、2次元CGと3次元CGに、あるいはラスターグラフィックスとベクターグラフィックスに分類されます。 さらに創作上の観点から、「形状記述型(マウス等でインタラクティブにイメージを形にするもの)」 と 「手続き記述型(形状生成アルゴリズムによるも の)」に分類することもあります。実際私たちが映画やゲームで目にするCGはそれらの技術を複合的に用いたものといえます。

従来のアナログ技術と比較した場合、編集(とくにUndo)が容易にできること、複製が簡単なこと、鮮やかな色彩が無限に利用できる(1pixelのデー タから、その色を全面に延展することが可能)など、物質的、人的コストが少ないのが特徴ですが、実際の制作現場に求められる技術は非常に高度なものとなり ます。
今日CGは、映画、テレビ、ゲーム、印刷物、あらゆる視覚情報媒体でその技術は基盤的なものとなっています。



2次元コンピュータグラフィックス

ラスターグラフィックス

一枚の絵を、小さな点(画素)が縦横に並ぶものとして考えるようなデータ形式を、ラスターデータと言います。Photoshopが扱っているのはこのラス ターデータで、各点の色の値を入力データとして、様々な画像処理を行うことができます。

ラスター画像は各画素ごとに、R(0-255) 、G(0-255)、 B(0-255)の3つの数値データを持つのが一般的で、縦横の画素数が多くなるほど全体の情報量が大きくなります。例えば、横640pixel縦 480pixelのRGBモードのラスター画像は、640x480x3 = 921600Bつまり約1MBの情報量を持ちます。

JPEG GIF BMP PSDといった拡張子を持つデータはこの形式のものです。

ベクターグラフィックス

一枚の絵を、線図形や面図形の集合として考えるようなデータ形式を、ベクターデータと言います。Illustratorが扱っているのはこのベクターデー タで、幾何学的な形状の自動生成や、図形単位での移動・回転・拡大縮小をはじめとする様々な変換操作が可能です。

図形単位に、頂点座標・結線・色属性などのデータを持つため、図形の数が多く複雑になるほど情報量は大きくなりますが、ラスター画像とは異なり、全体サイ ズの拡大や縮小で情報量が変わることはありません。

CADの標準形式であるDXFやIllustratorのファイル、アウトラインフォントのデータなどがこの形式です。


手続き記述によるCG

手続記述型の発想法には大きく二つのタイプがあります。ひとつは
「全体を統一的な生成規則で描く」 というもので、もうひとつは
「要素の相互関係にのみ規則を与えて、複数の要素から成る全体を描く」
というものです。

前者の典型的な例は数理曲線や再帰図形などですが、
これらは一般に 「いかにも機械的で表情に欠ける」という性格をもつため、
生成の過程で若干の乱数を加えることで表情を豊かにするという方法をとることが多いようです。この乱数は先の話で言うと対称性を破る存在で、例えば単純な 2分木の再帰図形でも、適度な乱数で十分豊かな表情を醸し出します。

後者は、いわゆる複雑系の現象のシミュレーション、
例えばフォン・ノイマン(1957)のセル・オートマトン、
クレイク・レイノルズ(1989)のボイド(鳥もどきのアニメーション)などに
その典型を見ることができます。
多くの要素が絡みあう複雑な系(Complex System)において、
我々の目に面白く見える部分というのは、秩序の領域と混沌の領域がせめぎあう
「カオスの縁」と呼ばれる領域です。
たばこの煙に例えて言えば、たばこの先から一直線に上昇している部分が(決定論的に記述される)秩序の領域で、天井に拡散した部分が(確率論的に記述され る)混沌の領域。そして、その中間にある煙の「乱れそめ」の部分が(カオス理論の対象となる)見ていて面白い領域です。
コンピュータで要素間の関係に規則を与えて、そのふるまいを観察した場合も同様で、安定した秩序に落ち着くか、あるいは無秩序な撹乱になるか、あるいはそ の中間的状況として複雑で有機的な形を次々に展開するかになるのですが、もちろん最後の状態が見ていて面白いものであり、造形的にも応用が効きやすいもの といえます。
ただしこの場合の条件の与えかたは難しく、その試行錯誤はゲーム感覚ですらあります。

いずれにせよ、こうした発想法の最大の特徴は、「何ができるかは、結果を待つしかない」という点と「数多く生産させて、美的に良いとおもわれるものを選択 する」という作品に対する姿勢(進化論的な発想)で、これは機械(特にコンピュータ)が登場する以前にはできなかった発想です。もちろん自然界にある偶然 の産物のなかから面白い部分を抽出するという発想は古くからあるものかもしれませんが、偶然を機械的に制御しながら面白い形が出来るまでひたすら作らせる というのはまったく新しい発想と言えるでしょう。




3次元コンピュータグラフィックス

3次元すなわち(x,y,z)の軸をもつ架空の世界でデータを定義し、その形状を代数的な計算によって2次元のスクリーンへ投影して表示するものであす。
3次元空間内でのデータの移動・回転・拡大・縮小、視点をカメラの位置へ移動する視野変換、隠線・隠面の消去、光源・物体・視点の関係に基づく影と明るさ の計算、テクスチュア画像のマッピングなど様々な計算プロセスを経由して、最終的には架空の世界の写実的なイメージが生成されます。
さらに、その位置・回転・サイズなどのデータを時間というパラメータにしたがって変化させれば3DCGアニメーションができあがります。
その制作は従来のセルアニメーションの場合と同様のキーフレーム法、すなわち、動きのキーポイントとなるフレームのみを定義し、その中間部分は計算で補間 していくという方法が多く採用されています。
3DCGアニメーションには、全体の動きを骨格の動きとして定義するスケルトンアニメーション、関節の回転角に制限を与えて先端から中心へ(指先から肩 へ)のなめらかな関節の動きを定義するインバースキネマティクス(逆運動学)、さらに、対話型操作では、定義が難しい複雑な動きを、実際の人間に取り付け たセンサーから取り込むモーションキャプチャなど、キャラクターに振り付けを行うための様々な技法が用意されています。

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