ネットワーク関連用語
ネットワークの通信モデルには、回線交換(circuit-switched)とパケット交換(packet-switched)の大きく2つの種類があります。コンピュータのネットワークでは パケット交換 が主流です。
URL(Uniform Resource Locator:統一資源位置指定子)とは、インターネット上のリソース(資源)を特定するための形式的な記号の並びのことで、一般的な形式は以下のような形になります。
<scheme>://<user>:<password>@<host>:<port>/<url-path> 例:https://www.example.com mailto:example@example.com
コンピューターネットワークで標準的に利用されているプロトコルで、通信制御と信頼性確保を担う TCP と、データをパケットに分割して転送するIPという2つのプロトコルで構成されます。
参考:OSI reference model
OSI参照モデル。ISOでオープンシステムの技術として検討されていた標準のことです。実際には、TCP/IP が事実上の業界標準となったため、現在では単なるモデルとしての位置付けになっています。
Hypertext Transfer Protocol は、World Wide Webにおいて、主にWebブラウザとWebサーバとの間で HTML などのコンテンツの送受信に用いられる通信プロトコルです。
Webサーバとクライアント(ブラウザ)間の通信路を共通鍵暗号方式で暗号化することを前提としています。そのためには暗号化のために使う共通鍵情報を安全にサーバとクライアント間で共有する必要があります。そこで、以下のような手順を採用します。
File Transfer Protocol はファイルの転送を行うための通信プロトコル。
Telnet は、リモートサーバを端末から操作する仮想端末プロトコル
Telnetクライアントは、Telnetサーバとの間でソケットを開いて単純なテキストベースの通信を行います。平文のまま送信する Telnetプロトコルはセキュリティ上問題とされ、Telnetによるリモートログインを受け付けているサーバは少なくなりました。現在では、リモートログインの代替プロトコルとして情報を暗号化して送信するSSHが用いられています。
Secure Shell はリモートホストのシェルを利用するための通信プロトコル
Telnet 通信にかわり、現在ではこれを使うのが主流です。
Network Time Protocol は、ネットワークに接続される機器の時計を正しい時刻へ同期するための通信プロトコル
Transmission Control Protocol は、OSI参照モデルのトランスポート層にあたる伝送制御プロトコルで、送信元から宛先へと順序通りのオクテット列の転送を行います。
TCPは、ネットワーク層のプロトコルであるIPの上位プロトコルとして使われます。 IPヘッダでのプロトコル番号は6。WWW、e-mail、リモート管理、FTP などの主要なインターネット・アプリケーションはすべて TCP を利用しています。
尚、高信頼のデータストリーム・サービスを必要とせず、即応性を重視したアプリケーションでは UDP(User Datagram Protocol )を使います。
TCPやUDPを使用する際、接続されたコンピュータはポート(port)と呼ばれる接続の窓口を利用します。このうち、0番 から1023番 までの各ポートはそれぞれ特定のサービスやプロトコルが利用することが広く知られており、インターネットで公開するサーバはその番号を当該サービス、プロトコルで利用することが推奨されています。
Service | Port No. | TCP/UDP |
FTP | Data 20, Control 21 | TCP |
SSH (SCP) | 22 | TCP |
Telnet | 23 | TCP |
SMTP | 25 | TCP |
DNS | 53 | TCP/UDP |
DHCP | Client 67, Server 68 | UDP |
HTTP | 80 | TCP |
POP3 | 110 | TCP |
NNTP | 119 | TCP |
NTP | 123 | UDP |
NetBIOS | 137,138,139 | UDP/TCP |
IMAP | 143 | TCP |
HTTPS | 443 | TCP |
SMTPS | 465 | TCP |
Socks | 1080 | TCP/UDP |
https://packetlife.net/media/library/23/common_ports.pdf
HTTPアクセス時にポートを明示した例(通常はポート指定不要です)
Internet Protocolは、OSI参照モデルのネットワーク層にあたるプロトコルであり、IPアドレスに基づいて、データグラム(パケットのうちIPが受け持つネットワーク層の部分)を送信元から宛先へと送付する役割を担っています。
IPパケットは、発信者、受信者などの情報を持つIPヘッダ( 20オクテット 〜 60オクテット)と、通信内容を格納するペイロードとで構成されます。
IPは自己のインタフェース(ネットワークカード)からパケットを送出するだけであり、相手まで確実にパケットが届くことには責任を持ちません。送受信の保証は、トランスポート層の TCP が担います。
IPアドレス(IP address)には2の規格があって、IPv4では32bit、IPv6では128bitの数値を用います。この数値のうち、上位ビット側をネットワーク部、下位ビット側をホスト部として、サブネットマスクを用いて区別します。
IPアドレス | 172.16.254.1 | 10101100.00010000.11111110.00000001 |
サブネット | 255.255.255.0 | 11111111.11111111.11111111.00000000 |
ネットワーク部 | 172.16.254 | 10101100.00010000.11111110 |
ホスト部 | 1 | 00000001 |
クラス | 範囲 | サブネットマスク | アドレス数 |
A | 10.0.0.0 - 10.255.255.255 | 255.0.0.0 | 16,777,216 |
B × 16 | 172.16.0.0 - 172.31.255.255 | 255.240.0.0 | 1,048,576 |
C × 256 | 192.168.0.0 - 192.168.255.255 | 255.255.0.0 | 65,536 |
Ethernet(イーサネット) は、オフィスや家庭で一般的に使用されている有線のLAN (Local Area Network) で最も使用されているコンピューターネットワークの規格で、TCP/IP の4階層モデルでいうと Network Interface layer に、OSI参照モデルでいうと物理層とデータリンク層に関する規格です。
Ethernet は AT&T の Bell 研究所で誕生した OS UNIXと、Xerox の Palo Alto Research Center)で開発されたもので、TCP/IP普及に大きく貢献しました。
MACアドレス(Media Access Control address)とは、ネットワーク上の各機器を識別するために設定されているLANカードなどのハードウェアごとに割り当てられる物理アドレスです。これは物理媒体ごとに1つ、つまり原則としては、世界中にあるすべての機器を一意に識別可能な「製造番号」のようなものです。イーサネット機器の場合、48ビットの符号で、8ビット × 6組、オクテットで区切る16進数表現を用います。
04-A3-43-5F-43-23(ハイフン区切) 32:61:3C:4E:B6:05(コロン区切)
ネットワーク構成機器は、電気信号レベルの物理層をサポートする機器、データリンク層(MACアドレス)をサポートする機器、そして、ネットワーク層(IPアドレス)をサポートする機器に分類できます。
OSI参照モデルの物理層で動作する機器で、ネットワーク間の電気信号を中継・延長します。電気信号を中継するだけで、パケットの中身は見ません。10Base2 や 10Base5 イーサネットで LANケーブルを延長したい場合に使用されていましたが、現在ではあまり見かけません。
OSI参照モデルの物理層で動作する機器で、リピータと同様に電気信号の波形の増幅や整形を行います。異なる点は、複数のポートを持つ点とリピータハブに接続する場合は10Base-Tのケーブルを使用する点です。
OSI参照モデルのデータリンク層におけるデータ中継機器で、MACブリッジとも呼ばれる。ブリッジは、イーサネットフレームのヘッダを理解し、転送されてきたパケットをメモリ上に保存してから、アドレステーブルに登録されたMACアドレスを参照し、送信先が接続されているポートのみにデータを転送します。
スイッチングハブはOSI参照モデルのデータリンク層における情報転送を行う装置で、インターネットのMACフレームをMACアドレスによって転送先を決めます。ブリッジの機能を集約してインテリジェント化したものといえます。
OSI参照モデルのネットワーク層で動作する機器で、パケットヘッダの IPアドレス を参照し、ルーティングテーブル(パケットの配送先の経路情報)に従ってパケットを転送します。
一般に LANカードと呼ばれるもので、コンピューターやプリンターなどの機器をLANなどに接続するための拡張カード。イーサネットに関する物を指す場合が多かったのですが、無線LANや3G、WiMAX等の普及により、通信デバイス一般を指すようになっています。
無線LANとは、無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステムのことで、一般には IEEE 802.11規格が標準のものとして普及しています。ちなみに Wi-Fi というのは、製品間の相互接続がこの標準に従うことを Wi-Fi Allianceという業界団体が認定する際の名称です。