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ArtificialIntelligence/Keywords のバックアップ(No.2)


A.I. 関連キーワード


現在話題になっている A.I. は、その大半が「機械学習」ベースのものですが、広く A.I. に期待される能力には主に、認識・ 探索・推論・生成などがあって、その分類の仕方にも様々な軸があります。以下にいくつかの分類基準を紹介します。

汎用型AI と 特化型AI

汎用型 AIとは、人間と同様に様々な問題に対応できる能力を持つもので、現時点では実現していない未来の AI と言えます。一方、特化型 AIは、自動運転、画像認識、音声認識、自然言語処理など、機能が限定されたもので、私たちの身近にある AI の大半は、特化型 AIと言えます。

強いAI と 弱いAI

強いAI弱いAIという分け方もあります。強いAIとは、人のように物事を認識して仕事をこなすもので、SF映画に登場するロボットのように、意味を理解すること*1、自意識を備えていることを想定しています。一方弱いAIは、人間のような自意識を備えたものではなく、人間の情報処理機能の一部を代替する機械的な存在です。汎用型・特化型とほぼ同様の区分になると言えるでしょう。

記号処理的人工知能 と 非記号処理的人工知能

これは、AI テクノロジーを区分するのに重要な区分です。以下、箇条書きで、その違いを紹介します。


機械学習

機械学習(Machine Learning:ML) とは、データサイエンス、あるいは人工知能研究における手法の一つで、大量のデータを利用した反復的な学習(人間が行っている学習と同様のプロセス)によって、コンピュータ上にパターン認知や推論・生成のためのモデルを構築する技術です。

機械学習においてコンピュータに与えるのは、学習ルールと、学習素材のデータセットで、コンピュータ自身が大量のデータから推論のルールを自動的に学習します。例えば、ヒト、犬、猫の大量の画像と、その画像がヒトか、犬か、猫かの「答え」です。この画像はヒト、この画像は犬・・と大量に与えていくことで、識別する能力が学習され、その「経験」が豊富になることで、識別能力が上がっていくのです。小さな子供に「これは犬です」、「これは猫です」・・と教えていくのと同じ手順です。

このときコンピュータの中に自動的に出来上がる「入力と出力の関係づけ」のことを「モデル」というのですが、与えるデータが画像であれば、画像認識モデルができあがり、音声を与えつづければ、音声認識モデルができあがります。

従来、物事の判別は人手によるプログラミング( if 条件文)で実装していましたが、現在の AI 、例えば自動運転における画像解析、買い物行動の動作解析、オンラインショップのレコメンド機能、スパムメールの検知など、いわゆるパターン認知機能と呼ばれるものの大半は、この機械学習によって実装されています。

関連ページ:MachineLearning

Deep Learning

ディープラーニング(深層学習)とは、大量のデータを学習して特徴を見つけ出す技術で、機械学習の一手法であるニューラルネットワーク(NN)を多層化したディープニューラルネットワーク(DNN)を用いる学習手法です。

ニューラルネットワークの基本的なアイデアは3層構造ですが、中間層の数を数十〜百段階程度まで増やして、多段階の神経接続で出力を得よう・・という発想から誕生したのがディープラーニングです。多層化に耐えられるだけの計算力(演算速度向上とメモリの増大)が実現したことで、現在の人工知能はこの技術が主役になっています。

ディープラーニング を成立させるには、入力と出力のデータセット、言い換えれば、学習のための「問題と答え」を大量に用意して、それを読み込ませることが必要ですが、これを実現したのが、現代のインターネットです。例えば、インターネット上には大量の画像とそれにタグ付けされた単語が存在します。これを使えば、「この画像は犬」、「この画像は猫」という学習素材が大量に得られます。画像認識システムはこれらを使って、認識能力を高めています。

関連ページ:NeuralNetwork

認識系AI と 生成系AI

2022年、生成系AIという言葉が一般的になったことで、従来型AI、つまりパターン認識マシンを「認識系AI」と呼んで、これらを区別するようになりました。

関連ページ:GenerativeAI