Blenderは統合型の3DCGソフトウエアです。もともとはオランダのNaN社がインハウス用に開発していたものですが、多くの有志の支援により、現在はオープンソースのフリーソフトウェア(ライセンスGPL)として、Blender Foundationのサイトからダウンロードして使用することができます。全世界にユーザと開発者がいる非常に優秀なツールです。
モデリング・レンダリング・アニメーションはもちろん、物理シミュレーションや、モーショントラッキング、映像編集も可能です。ヨーロッパの美術学校等では以前から利用されていましたが、機能が充実した近年ではプロダクションでも利用するところが増えています。
以下から最新の安定版をダウンロードして下さい。自動的に利用中のOSに合ったものが選ばれます。ユーザーアカウント登録等は不要です。
ダウンロードしたものを解凍してインストーラを実行するだけです(Macの場合はアプリケーションフォルダに投入するだけです)。Ver.3.5は 780MB ほどディスク領域を使用します。
Blenderは、Linux・Windows・Mac OSX、すべてのOSに対応しています。高速なグラフィックボード等が必須というわけではなく、非力なハードウエアでもそれなりに動きます。
一般に 3DCGツールでは、3次元空間の複雑な操作を行うため、左・右のみでなく、中ボタンを押しながらドラッグ・・といった操作も必要になります。Macのマウスでもキー操作を併用することで、使えないことはないのですが、能率的な操作が行えるよう、3つボタンマウスを準備することを推奨します。Windows用の安価なマウスでOKです*1。なお、当サイト上の説明では、以下のように略して記載しています。
初期状態では、メニュー等すべて英語になっていますが、環境設定から日本語化することも可能です(右図)。
3DCGの専門用語の大半は英単語をカタカナにするだけなので、基本的には、英語メニューのまま使い慣れることをお薦めしますが、はじめのうちは、以下のように Tooltips のみ日本語にしておくとよいかもしれません。
操作に関しては、片手をキーボード・もう一方の手をマウスというスタイルで最も効率的に作業できるように設計されています。キーボードについてはテンキーの使用が前提。またマウスについては3ボタンマウスの利用が前提です。
3DCGツールは一般に操作が複雑で、動作モードの切り替えやメニュー選択操作も膨大な数になります。これをすべてマウス操作で行うと効率が悪いため、キーボードショートカットの利用で、操作効率が飛躍的に向上するように設計されています。キーボード上の各キーには何らかの役割が割り振られているため、キーの役割を知らずに不用意に触ると、予期せぬ動作が生じて元に戻せなくなることがあるので、注意が必要です。
大半のキー操作は、以下のように Alt(Option)+ で逆の操作(元に戻す)ことができます。
テンキーの無いノートPCでは、ビューの切り替え [7][1][3][0] などが効率的に行えません。アルファベットキーボード最上段の数字はデフォルトでは他の機能に使用されるのですが、利用頻度を考えると、これをビューの切り替え用に変更する方が効率的です。
参考:Preferences での設定内容は、以下のディレクトリに userpref.blend というファイル名で保存されています。
Library/Application Support/Blender/[Ver.No.]/config/
Blenderに限らず、3DCGのソフトウエアでは右クリックはもちろん、マウスの中ボタンも多用します。MacOS自体は3ボタンに対応していますので、市販のごく一般的な「左右+中スクロールボタン」のマウスをUSB接続するとともに、以下の設定を行えば、3ボタン操作が可能です。
Blenderで「ファイル>新規」とすると、初期作業画面が表示されますが、この初期画面(スタートアップファイル)はカスタマイズすることが可能です。
例えば、以下のような項目に関して初期的な設定を済ませたものを「デフォルト」として保存すれば、自分専用の初期画面にすることができます。
プロパティーパネルの OutputProperties(プリンタのアイコン)を開いて
File > Default > Save Startup File設定内容は、以下に startup.blend として保存されます。
Library/Application Support/Blender/[Ver.No.]/config/
File > Default > Load Factory Settings