シミュレーション仮説とは、哲学者ニック・ボストロムが提起した仮説で、私たちが生きるこの世界が、実は高度な文明によって作られたコンピュータ・シミュレーションの中に存在しているのではないか・・という仮説です。
この仮説は、マトリックスなど多くのSF作品でも扱われていることから、一般にもイメージしやすく、イーロン・マスクがボストロムの仮説を引用して流布したことでネット上でもホットな話題になっているのですが、哲学的(宗教的)な性質が強く、科学的な検証が難しいという側面があります。それは、この世界がコンピュータによるシミュレーションでないことを示す証拠が存在しない、すなわち、反証可能性がないため科学的には受け入れられない・・ということです。
なお、この仮説は「だったら何してもいいや」という破壊的な行動の引き金になりかねないので、その拡大・流布には注意が必要です。
この仮説は、私たちの存在や宇宙の構造について新たな視点を与えてくれる点で興味深く、多くの哲学者が話題にしていますが、これを「提唱・支持する」というよりは、「議論の対象として」取り上げているという感じかと・・。
ニック・ボストロムは、十分に進んだ技術があれば生命を含む惑星、さらに宇宙全体をシミュレートできるという前提で、以下のような仮説を立てました。
今、我々はVRゴーグルをはじめ、仮想現実を体験できる技術を手に入れていますが、このまま技術が発展すれば、生命体(の進化)を完全にシミュレートできる社会が登場するかもしれません。
で、今後の社会には3つの可能性があると・・
シミュレーション仮説が話題になる背景には、以下のような理由があります。
(書きかけです)