Blender 3.0
実写と同様、3DCGにおいてもライトの設定が最終的なレンダリングの品質に大きく影響します。シーンに LightObject を配置するとともに、そのパラメータを操作することで様々な演出が可能になります。このページでは、照明の種類、位置、向き、またその色と強さといった項目の設定方法について解説します。
ライトの種類は、PropertyEditor の LightPropertyパネルで設定します。Blemderでは、PointLight(点光源:デフォルト)、SunLight(太陽光)、SpotLight(スポットライト)、AreaLight(面光源)の4つが用意されています。
スタジオ撮影同様、複数のライトを配置すると表現は豊かになりますが、照明の数が多くなれば当然計算量も大きくなります(レンダリングにかかる時間が長くなります)。そこで、通常は配置する照明は必要最小限にし、大域照明(GI : Global Illumination)処理を行うことで、リアルな表現を実現します。
全方向性(無指向性)の点光源で、電球などのシンプルなモデルとして使用します。3DViewport 上では、無地の丸い点として可視化されています。
オブジェクトの表面に当たる光の方向は、ライトとオブジェクト自体の表面上の点を結ぶ線によって決まります。光の強度・エネルギーは、照明から対象までの距離に基づいて減衰します。
無限遠から一方向に放射される一定強度の太陽光です。均一な昼光照明として利用します。3Dビューポートでは、そこから放射される光線を含む丸で囲まれた黒い点と、光の方向を示す破線で表されます。
スポットライトは、円錐の先端から特定の方向に円錐形の光線を放射します。
エリアライトは、面光源から発生するライトをシミュレートします。エリアライトはやわらかい影をつくるのが特徴です。
Point、Spot、および Area ライトのパワーの単位はワットで、Sunライトについては、1平方メートルあたりのワット数を意味します。以下、一般的な Power の値を参考にしてください。
照明の種類 | Power | 利用するライトの種類 |
キャンドル | 0.05 W | Point |
800ルーメンのLED電球 | 2.1 W | Point |
1000ルーメンの電球 | 2.9 W | Point |
1500ルーメンPAR38投光照明 | 4 W | Area Disc |
2500lm蛍光管 | 4.5 W | Area Square |
5000lm車のヘッドライト | 22 W | Spot Size:125度 |
天候状態 | Power |
晴天 | 1000 W / m 2 |
薄曇り | 500 W / m 2 |
曇り | 200 W / m 2 |
月光 | 0.001 W / m 2 |
他のオブジェクトと同様に、照明の位置を移動させることができます。Object Gizmos で動かすこともできますが、キーとマウスによる操作が効率的です。
水平移動:[G] + [X] / [Y] + [Mouse Move] 上下移動:[G] + [Z] + [Mouse Move]
照明の向きの設定は照明オブジェクトの回転によって決まります。上面・正面・側面それぞれのビューで回転させるだけなので、カメラに比べると簡単ですが、特に指向性の強いスポットライトの場合は、カメラ同様に以下のような操作をするとよいでしょう。
垂直方向:[R] + [X] + [X] + [Mouse Move]・・ローカル X軸回転 水平方向:[R] + [Z] + [Mouse Move]・・グローバル Z軸回転
オブジェクトと照明に親子関係を設定することで、照明の向きを当該オブジェクトに固定することができます。
照明 > 対象 の順に追加選択して・・ Object > Track > Track to Constraint ( [CTRL]+[T] )