LogoMark.png

Characters のバックアップ(No.3)


文字

Characters

はじめに

文字という情報伝達媒体の特殊性

遠隔・非同期ツールとしての文字

文字は、人類最古の「遠隔・非同期」コミュニケーションツールです。

数万年前言葉の発生情報の交換・リアルタイムコミュニケーション
BC4千年紀文字の発明情報の蓄積・非同期コミュニケーション
105年紙の発明情報のモバイル化
1440年頃活版印刷情報の拡散
1945年コンピュータ情報処理の自動化
1989年WWW情報共有のグローバル化


文字体系

文字には音が連動するものと、そうでないものがあります。

文字の歴史

20万年の人類史の中で、文字の利用は 5,500年前、つまり最近のことです。そもそも「文字の誕生」を境に「先史時代」と「歴史時代」が分かれるので、歴史は文字とともにある・・ということになります。

古代文明の文字

アルファベット(紀元前1500年頃〜)

アルファベットは、地中海沿岸地域における交流の中で、楔形文字とヒエログリフを組み合わせてシンプルにしたセム文字が源流と言われます。22文字のアブジャド(子音文字:1つの文字が1つの子音を表す)として構成されたフェニキア文字の存在が大きく、これを元に古代ギリシア人がつくったギリシャ文字が、アルファベットの原型となります。alphabet という語は、ギリシア文字の最初の2文字 α, β に由来します。

漢字 > 仮名文字

文字と社会

起源は農耕革命

文字は農耕革命と同時期に誕生しています。世界の4大文明で言えば、メソポタミア文明は楔形文字、エジプト文明はヒエログリフ、インダス文明はインダス文字、黄河文明は漢字。広大な土地・蓄積された富の記録や分配に記号が必要になったこと、また、肥大化した人間集団の支配・統制のためにルールの明文化が必要になったことなどが文字成立の要因と考えられます。くさび形文字の原型は、シュメール人の日用品や農産物の数を表すトークン(粘土玉)を粘土板に押し付けて記録したことにはじまると考えられています。

獲ったものをその場でシェアする狩猟採集社会では富の記号化・記録は不要です。その証拠に、現在も狩猟採集生活を続けるサン、ハッザ、アボリジニ、ヤノマミ・・いずれも「文字」をもちません。

格差は文字にはじまる

言語文法は自然発生的ですが、多くの文字は恣意的・政治的に発生しています*2。言葉・音楽・絵画、いずれも見よう見まねで習得することが可能ですが、文字は恣意的に作られたものであるため、個人が文字の読み書きを身につけるには「文字の仕組みの開示」あるいは「教育」が必要です。結果、それを読み書きできる人とそうでない人との間には、大きな「情報格差」が生まれました。古代社会では一部の人間が文字を独占することで支配者となり、一方で、文字の効用を知らなかった(気づかなかった)人々は、支配される民となったのです。

農耕革命は、文字と「格差」と「教育システム」を生み出したと言えます。

神話・宗教と文字

世界のどこをみても「神話」を持たない民は存在しません。神話の誕生は文字以前で、文字の誕生までは基本的に口承(口頭のみで後世に伝えられる形態)で受け継がれたものと考えられます。

宗教は一般に「教祖」と「経典」すなわち文字で著された書物を持ちますが、日本の神道*3は特異な存在で「教祖」も「経典」もありません。*4

バベルの塔

神は言語の一元化に No! をつきつけました。昨今の自動翻訳システムは文化の多様性と文明の成長の双方を実現するツールと言えるかもしれません。



日本の言葉と文字

日本の文字文化の特殊性

やまとことば

太古より日本人が使い続けてきた言葉。日本語の文章の中の、漢語、外来語、また「〜する」という形の動詞以外のもので、一般に「訓読み」のもの

俳句について

APPENDIX

文字が抱える光と闇

音声言語による対面コミュニケーション*5のみの社会から、「文字(「音節」に続く第二の言語的進化)」を用いる社会へ・・その革命的な出来事は、人類の社会に光と闇の両方をもたらしました。

MEMO