Question Paper
質問紙(アンケート)の作り方
人を対象として「◯◯の効果を調べる」、「◯◯と△△に対する評価を比較する」といった実験・調査では、質問紙を用ることが多くあります。ここでは、その作り方について概説します。
はじめに
調査の目的とターゲットを明確にする
- 何を調べたいのか:具体的な調査目的・評価項目を明確にします。
- 誰に聞きたいのか:ターゲットを明確にします(「大学生」など )。
調査日時(期間)・場所の検討
- 研究プロジェクトのスケジュールに沿って計画的に
- 長期にわたって回答を求める場合、
アンケートの実施形式の検討
- Webアンケート:回収・統計処理の効率の点で Webフォーム がお勧め
- アンケート用紙:インターネット環境の無い対象者を含む場合
質問紙の制作
質問の種類
- 基本情報:氏名、所属、連絡先、年齢、性別など
所属、年齢、性別は、カテゴリデータとして、属性間の比較やクロス集計等に活用することができるので、極力取得することを推奨します。
- 選択式質問:単一回答はラジオボタン、複数回答はチェックボックス
- カテゴリ(質的データ):「商品A, 商品B, 商品C・・から選択」など
- 数値選択(量的データ):「1時間, 2時間, 3時間・・からら選択」など
- 段階評価(量(?)的データ):印象の5段階評価など
段階評価は分類上は「順序尺度」で「質的データ」の一種ですが、これを量的なものとみなして項目間の相関を計算することもできます。
- 数値回答を求める質問(様々な統計計算に利用可能)
- 時間(量的データ):視聴時間、睡眠時間 など
- サイズ(量的データ):大きさ、重さ など
- 計数(量的データ):「画面内いくつ見えたか」など
- 自由記述(テキストマイニング等に利用可能)
- 意見・感想など
- 被験者の持つ知識・技法等の情報収集
質問紙制作上の留意点
- 必要最小限の質問数で必要な情報が得られるよう、構成を検討する
回答に時間を要する質問紙は、回答が雑になったり、回答自体が敬遠されることがあります。
- 質問の言葉遣い
- わかりやすく、簡潔な言葉を使う
- 専門用語は避ける、あるいは必要に応じて解説を付す
- 質問紙のヘッダーに、以下を記載する
- 調査の目的:特定の回答を誘導することがない範囲で、目的を明らかに
- データ利用の範囲:「当該研究目的以外には使用しません」など
- 調査者の氏名・所属等:あなたの身分を明らかにする必要があります
- 質問項目が多い場合は、分割して、それぞれに見出しを付ける
- 質問の順番は、回答しやすい項目から始め、徐々に具体的な質問へ
- 質問紙のフッターに、以下を記載する
- 「アンケートの結果については、XXXXXにおいて公開します。」など
- 「以上で質問は終わりです。ご協力、ありがとうございました。」
事前テスト
- 質問紙ができたら、少人数を対象にテストするのが望ましい
- ここで「該当する選択肢がない」、「質問の意味がわからない」といった問題を洗い出して、最終的な質問紙を制作する
APPENDIX