不耕起栽培
Nontillage Cultivation
不耕起栽培とは、「田畑を耕さずに作物を栽培する農法」です。従来の農法では、トラクターなどの機械を使って土を耕してから種を播きますが、不耕起栽培ではこの耕うん*1作業を省略します。
不耕起栽培は、農作業の効率化、環境負荷の軽減、脱炭素化など、多くのメリットを持つ農法として、欧米を中心に世界各地で実践されています。日本でも、近年注目度が高まっており、導入農家が増加傾向にあります。今後の技術開発やノウハウの蓄積によって、さらに普及していくことが期待されます。
不耕起栽培が見直された理由
農作業の省力化
- 耕うん作業がなくなるので、時間と労力を大幅に削減できます。
- トラクターなどの機械が不要になるので、燃料費の節約にもなります。
土壌侵食の抑制・保水性向上
- 土壌表面が植物残渣で覆われ、風雨による土壌侵食を抑制できます。
- 耕うんによる土壌構造の破壊がないため、土壌の保水性が高まります。
生物多様性の保全
- 土壌中の生物が減少することがないため、生物多様性を保全できます。
脱炭素化(CO2排出量削減)への貢献
- 耕うん作業による化石燃料の使用量が減ります。
- 土壌がCO2を吸収・固定する能力が上がります。
不耕起栽培の問題
雑草の増加・病害虫の発生
- ある意味放置なので、当然、雑草が増えやすくなります。
- 土壌中の病原菌や害虫が増えやすくなります。
初期投資が必要
- 不耕起栽培専用の機械や資材が必要になる場合があります。
技術習得が必要
- 不耕起栽培には、従来の農法とは異なる技術が必要です。