データサイエンス(Data Science)とは、データそのものの性質やデータを取り扱う手法を研究する科学全般を指す言葉で、統計学、機械学習、データマイニング、可視化・・など、様々な分野を包括する概念です。
数値や文字(カテゴリ)として得られるデータを統計的手法や機械学習(近年の AI の技術ベース)などを用いて分析・処理することによって、世界に潜む様々な物事の関係(モデル)を見出す科学であるとも言えます。
関連する諸分野との関係を図で表すと以下のようになります。
GoogleImage:Data Science Machine Learning AI
これが正しい・・という図を書くことはできません。作図する人の立場や説明の手順によって、それぞれの包含関係は変わるので、ざっくり位置関係を把握すれば十分ではないかと思います。
今日の AI技術 もデータサイエンスも「大量のデータから最適解を見出す」という点では共通しています。これまで、数理的な問題解決には、解析的な方法で数式を解いて答えを出す・・という学び方をしてきたと思いますが、コンピュータが使える今日では「力ずくで最適解に近づく」ということが可能になりました。
数学の問題は、計算によって綺麗な整数解が得られるように作られていますが、現実の問題はそうではありません。で、実際のモノ作りの現場では、実用上「ミリの単位までの数字で十分」ということがあります。
今日の数理の世界では、コンピュータの登場によって従来とは異なる発想が可能になっている・・という事実を確認しておきましょう。
データからわかるのは過去から現在までことです。データの活用は、未来の予測や目標達成のための「最適化」には効果的かもしれませんが、生物の社会のような複雑な系の未来を予測することや「創発」的なデザインには限界があります。
人は未知のものにニーズを抱くことはありません。つまり過去のデータからニーズだけ探っていてもダメ・・ということです。デザインを志すみなさんには、データサイエンスの威力を感じつつも、若干引きで眺める姿勢が必要です。
一般にデータサイエンスの教科書では、データを扱う人の心構えとして、以下のような事項が記載されていますが、みなさんは、すでにソーシャルデザイン演習・応用演習、また学科サイトの日常的な運用において、このあたりは学習済みなので、この演習では省略します。
本演習では、サンプルや受講生の成果をWeb上に公開することから、単にソースをコピペするだけでも「やったふり」ができてしまいますが、物事を「オープン・ファースト」で考えるという前提のもとで、「パクる」と「真似る」の違いを踏まえて、ポジティブに取り組む(自分自身でコードを書き換えていろいろ試してみる)ことを期待します。
インターネットの普及によって、自由な情報共有を前提としたオープンな仕組みが世界を変えようとしています。誰かの情報があなたの学びに役立つと同時に、あなたが公開する情報が誰かの役に立っています。
データ(Data)とは、一般に情報伝達、解釈、処理を目的として符号化された情報(与件・所与)のことです。
情報の表現であって、伝達、解釈または処理に適するように形式化され、 再度情報として解釈できるもの
データファイルは一般に2次元の表形式で与えられます。以下の用語を理解しておくことが必要です。
表の先頭行にはフィールド名(項目見出し)が並ぶのが一般的です。
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Table_Elements.svg
オープンデータとは、著作権、特許などの制限なしで、全ての人が自由に利用・再掲載できるデータ(またその考え方)です。興味のある方は、以下のページをご参照ください。
以下の事項を確認して下さい。
このリンクを知っているインターネット上の全員が閲覧できます。
-[[スプレッドシートの基礎>https://docs.google.com/spreadsheets/・・=sharing]]
皆さんは、数学の世界を分類する代数 幾何 解析という用語を覚えていますか。学問領域を完全に線引きして区別することはできないのですが、それでも分類用語を知っておくことは「今、自分は何を学んでいるのか」を理解する一助となります。データサイエンスの世界も同様、様々な 関連用語 をざっくりと把握するだけでも、全体像が把握しやすくなります。
以下の区分も、知っていると世界がさらに見えやすくなります。
数理の世界には、決定論的なアプローチと、確率論的なアプローチの2つがあります。たばこの煙に例えると、たばこの先から一直線に上昇している部分の粒子の位置は、時刻 t を変数とした数式で決定論的に記述されますが、天井に拡散した粒子のふるまいは、確率論的にしか記述できません。ちなみに、その中間にある煙の「乱れそめ」の部分は「カオス理論」の対象となりあす。