Design の位相
アート / デザイン / テクノロジー
あくまで個人的な概念整理|常に迷い中
Art|0 → 1
- 世界(意識の内外、社会の内外)において「動機」が生まれる
作家自身にも動機が自覚できない場合がある(手が勝手に動く)
- 日常を挑発する自由な表現(法や常識による拘束を受けない外部性)
歌、音曲、絵、舞・・芸術には「神への捧げ物」としての起源がある
- 文化的成熟の契機となる
- アウトプットは世界にひとつだけの「作品」
特別にゾーニングされた時空間(美術館)に展示される
Design|1 → 10
- 世界に潜む可能性や問題をボトムアップ的に発見する(上流・創発)
- 社会のニーズに基づきトップダウン的に課題を設定する(下流・最適化)
- 新たなアイデアによって暮らしを快適にする(外部 ⇆ 内部)
- 文化の成熟と文明の成長に寄与する
- アウトプットは「設計図」
一部の受益者あるいは、広く社会に公開される
Technology|10 → 100
- 社会・組織のニーズにもとづき「課題」が与えられる
- 社会への導入は法の下に行われる(内部性)
- 文明の成長に寄与する
- アウトプットは設計図にもとづく「製品」
私的に所有される財として、あるいは社会的共通資本として実装される
デザインの上流と下流
デザインにおける「創発」と「最適化」の違い
創発デザイン
- 自由な体験・思考を契機としたデザイン行為
- ミッション・目標は定めない(あいまい)。「面白い!」かどうかが重要
- 外部からのボトムアップ的(自律分散的)なプロセスを採用
- 誰も見たことがないものを生み出す(ニーズは存在してない)
- 先行事例や既存のデータに依拠しない(先人の話は聞かない)
- デザインの上流工程
- 事例:Walkman, iPhone,・・・
最適化デザイン
- プロジェクト型のデザイン行為
- ミッション・目標が明確。ビジネスとして成立することが必要
- 内部におけるトップダウン的(中央集権的)プロセスを採用
- 社会のニーズにもとづいて最適化する
- 先行事例や既存のデータを参考にする(先人の話を聞く)
- デザインの下流工程
ちなみに「ソーシャルデザイン学科」は、「創発デザイン」によって誕生した学科です。大学進学希望者のニーズから生まれたのではなく、学部再編プロジェクトにおけるメンバーの対話の中で「面白いんじゃないの・・」を契機として開設されたものです。当時、日本のどこにも「ソーシャルデザイン学科 」は存在せず、進路選択に関して「ソーシャルデザイン」を検索する高校生も存在しませんでした。つまり、ニーズを調査して最適化したものではなく、創発によって誕生した学科です。