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Research のバックアップ(No.1)


研究とは何か


研究とは、対象となる物事と仮説を定め、検証(追試)可能な方法(調査・観察・実験など)を通して真理を追求する一連の行為のことです。特に、学術研究においては、研究によって得られた知見に「新規性」があることを学会発表や論文投稿(査読)を通じて他の研究者に認めてもらうとともに、最終的にその知見を広く社会に公開・共有する必要があります。

ちなみに、研究の成果が未発表で、他者による査読・検証を得ていない研究は、「独自研究」といって、学術研究としては未成熟なものとみなされます(例えば、Wikipediaでも「独自研究は載せない」などのルールがあります)。

科学研究の基本

社会のための学術研究




研究の領域

学問は一般に「学問領域 (Discipline) 」と呼ばれるカテゴリーツリーに位置付けて整理します。明確・絶対的な区分法があるわけではありませんが、その一般的な分類を知った上で、それを俯瞰する視点を持つことが有益です。

形式科学

記号によって記述される抽象的構造を公理や理論上のアイデアから推論(純粋な思考の過程)によって導出する分野です。

形式科学の特殊性について・・

なぜすべての科学に比べ、数学が特別に感じられるか
という疑問に対しての一つの答えは、
その法則が絶対的に確実で論争になりえないからだ。
一方で、他の諸科学は、一定程度議論の余地があり、
新しく発見された事実によって
権威の座から引きずり降ろされるという危険がつねにある。

アルバート・アインシュタイン*1

経験科学

実験、観察、調査など、経験を通して研究する科学。
形式科学とは異なり「学説」が存在します。

応用科学


学際領域

先端的な研究や、対象が複合的な研究では、複数の学問分野の共同研究が成果を生む場合が多く、領域を横断する、あるいは境界領域を攻める研究を「学際的な研究」と呼びます。




研究のスタイル

経験科学には、書斎科学、実験科学、野外科学の3つのスタイルがあります。
参考:川喜田二郎, 1967, 発想法, 中央公論

書斎科学

実験科学

野外科学

研究の分類

研究というものは、それを捉える視点の違いで、様々な分類があります。

基礎研究・応用研究・開発研究

理論研究と事象研究

定性的研究と定量的研究

対象をどのように観察して表現するかに注目すると、研究の方法は、定性的研究と定量的研究の2つに分けることができます。

研究のプロセス

研究は、仮説の構築、計画、検証、評価・考察というプロセスを経て行われます。論文の構造としての IMRAD(イムラッド)と同様です。

Introduction, Methods, Results And Discussion


予備調査、予備実験、先行研究のレビュー

研究対象と目的をを整理すべく、文献調査、や予備実験等を行います。

研究目的の決定

これからおこなう一連の活動によってどのような問題を解決、解明しようとするのかを決定する。また、これから解決、解明しようとする問題にどのような切り口から光を当てるのか、どのような着眼点を持つのかをまとめる。

仮説の構築

ああすればこうなる(因果関係)、ああであればこうである(相関関係)など、物事の関係を「仮説」の形で明文化して、研究の目的を明確にします。

研究方法の明確化

調査方法、実験方法など、仮説を検証するめの方法を明らかにします。特に実験研究では、追試によって「検証可能」であることが必要なので、方法は詳細に定義することが必要です。

調査・実験

研究方法に従って、調査・実験を通してデータの収集、データの解析を行います。いつ・どこで・誰が・・など、データとしての基本情報も含め、詳細な記録を残すことが必要です。

結果・考察

調査・実験の結果を(統計的に)まとめ、仮説を検証する考察を行います。実験の結果によっては、仮説とは別の新たな知見が得られることもあります。結果として得られた知見が、他の先行研究との関係において、どう位置づけられるかについて語ることも重要です。

研究成果発表の公表:

研究の成果は、公開・共有されなければ意味がありません。一般に、学会発表・専門誌等で公開します。研究に対する評価、意見等を得ることで、さらなる発展的な研究へとつなげます。




APPENDIX

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