ワシリー・カンディンスキーの作品を分析し、構築したインタラクティブWebサイト
Webのスクロールを時間軸として活用することで、カンディンスキーが追求した絵画のリズムや運動性をインタラクティブに体験できるWebデザインの制作
美術館でワシリー・カンディンスキーの作品を鑑賞した際、他の作品と比較して強く視線を引き、「面白い」と感じたことが本研究のきっかけである。この「面白さ」は主観的な印象ではなく、色彩や形態、構成などの視覚的要素によって生み出されていると考え、その要因を分析し、再現可能なデザインとして使用することを目的とする。
現在のWebデザインでは、機能性や可読性、情報の整理が重視されており、バウハウスの影響を受けたグリッドレイアウトやタイポグラフィを継承したデザインが広く用いられている。一方で、カンディンスキーが提唱した「点・線・面」や色彩による造形理論、運動性やリズムをWebデザインへ応用した事例は限られている。さらに、インタラクティブな表現は存在するものの、スクロールという時間軸を活用し、造形要素が変化・発展する体験として設計された事例は少ない。音楽は時間の経過によって展開する芸術であるのに対し、絵画は基本的に一枚の画面の中で完結するため、時間軸を持たない表現であるがカンディンスキーは音楽のようなリズムや運動性を絵画の中に表現しようと試みた。
本研究では、その考え方を発展させ、Webサイトのスクロールを「時間軸」と捉えることで、点・線・面や色彩が時間とともに変化するインタラクティブな表現を実現する。
本研究では、ワシリー・カンディンスキーの作品を表層的に模倣するのではなく、色彩・形態・構成といった造形理論を分析し、構築することを目指す。
さらに、その造形原理をスクロール(いわゆる時間軸)と組み合わせることで、ユーザーの操作に応じて点・線・面や色彩が変化し、作品を体験するWebサイトを制作する。また、カンディンスキーが追求した「色を音として聴き、音を色として見る」という共感覚的な芸術表現を、視覚的な動きやリズムによって感じられるインタラクティブな体験として表現することをコンセプトとする。
webサイト
2026.04.09 - 2026.07.16
先行事例として、カンディンスキー自身が幾何学の力に着目した著書、共感覚について、スクロールや反応に応じて画面や演出が変化するインタラクティブサイトや、図形やアニメーションを用いた表現が可能な p5.js の作品を調査した。
① 調査・分析
目的:カンディンスキーの造形理論とWeb表現の特徴を理解し、デザインの根拠を整理する。
-インタラクティブWebサイトの調査
-スクロール演出を用いたWebサイトの調査
-カンディンスキーの著書(『点・線・面』など)の読解
-カンディンスキー作品の分析(点・線・面・色彩・構図・リズム・運動性)
- Webデザインへ応用可能なデザイン原理の抽出
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② ドローイング・スケッチ
目的:抽出した造形原理を理解・再構成し、スクロールによる時間的変化を検討する。