一様分布
Uniform Distribution
一様分布(Uniform Distribution)とは、事象の出現確率が均一(グラフは水平)な分布で、離散型と連続型の区別があります。以下、それぞれ概説します。
離散一様分布
離散一様分布(Discrete Uniform Distribution)とは、確率変数が n 個の値 k1, k2, …, kn について同じ確率でとる場合の分布で、例えば、(正しい)サイコロを振った場合に出る目の分布などがこれにあたります。
Source:Wikimedia Commons File:Dis_Uniform_distribution_PMF
確率質量関数
- Nを確率変数 Xの取りうる個数とすると、X=k となる確率は・・
\[P(X=k) = \frac{1}{N} ( k = 1,2,・・・N )\]
- k が a から b までの整数であるとすると・・・
\[P(X=k) = \frac{1}{b - a + 1} ( k = a, a+1,・・b-1, b )\]
- 例えば、「6面体のサイコロを振って5の目が出る確率」は N = 6 なので
\[P(X=5) = \frac{1}{6} \]
期待値と分散
- 期待値
\[E(X) = \frac{N + 1}{2} あるいは E(X) = \frac{a + b}{2}\]
- 分散
\[V(X) = \frac{N^2 - 1}{12} あるいは V(X) = \frac{(b - a + 1)^2 -1}{12}\]
連続一様分布
連続一様分布(Continuous Uniform Distribution)とは、確率変数の任意の値に対して、確率密度関数が一定の値をとる分布のことをいいます。例えば、プログラミング等で使う RAND( ) 関数は、 0.0 ≦ X < 1.0 の範囲の連続一様分布乱数を発生します。
Source:Wikimedia Commons File:Uniform Distribution PDF SVG.svg
確率密度関数
確率変数 X が、 \(a \leq X \leq b\) における連続一様分布に従うとき・・・
\[f(x) = \frac{1}{b-a} ( a \leq X \leq b )\]
\[f(x) = 0 ( X \leq a , b \leq X )\]
累積分布関数
連続一様分布の場合は、確率の計算に注意が必要です。例えば、「5.0 ~ 1.0 の間で一様な連続分布において 7.0 が出る確率」は実質的に 0 です。確率を求めるには累積分布関数を用いて一定範囲の「面積」を求める必要があります。
- 累積確率は以下のように書けます。
\[ F(x) = 0 ( X < a )\]\[ F(x) = \frac{x-a}{b-a} ( a \leq X < b )\]\[ F(x) = 1 ( b \leq X )\]
- 例えば、「5.0 < X <10.0 における連続一様分布において、6 〜 7 の範囲の値が出る確率」は、以下のように計算されます。
\[F( 6 \leq X \leq 7) = F(X \leq 7) - F(X \leq 6) = \frac{7.0 - 5.0}{10.0 - 5.0} - \frac{6.0 - 5.0}{10.0 - 5.0} = 0.2\]
期待値と分散
- 期待値
\[E(X) = \frac{a + b}{2}\]
- 分散
\[V(X) = \frac{(b - a )^2}{12}\]