Telephone core
電話ボックスサイズの狭さを使った空間演出
- オカベ
- Keywords:VR,レトロカルチャー,時代の変化,日常の中の非日常
概要
これは何?
電話ボックスサイズの空間で、
VRゴーグル(映像)を通してレトロカルチャーを体験する
背景と目的
背景:
激しくトレンドが移り変わる中、2010年代から現在まで10年近く流行が衰えていないのが「レトロブーム」である。昭和30年代を懐かしむ「昭和ノスタルジー」のブームや、1980年代のバブル期のような活気のあるイメージ、1990年代から2000年ごろの平成初期に流行した比較的新しいものまでが「レトロ」として再注目されており、食やファッション、音楽などさまざまな分野において、過去に流行した要素が取り入れられている。
Z世代の間でレトロカルチャーが流行している背景には「エモーショナル(感情的)」を語源として誕生した「ロジカルに説明できないが満たされる」「なんかいい」という意味のスラング「エモい」という言葉が関係している。レトロから溢れるノスタルジー、初めて接するのに懐かしいという感情は若者に「エモい」という感情を呼び起こさせる。なんでも簡単に出来てしまう現代社会にはない「不完全さ」に人間の温かみを感じることができるのもレトロの魅力の一つである。
また、現代ではレトロブームは細分化され、海外ではNewとRetroをあわせた造語である「ニュートロ」や「病みカルチャー」と「ノスタルジー」を掛け合わせた新たなジャンルであるDreamcore、Weirdcore、Traumacoreなどが生み出されている。
そこで、時代と共に移り変わるレトロカルチャーに触れることで、その時代ならではの魅力や今後のカルチャーの移り変わりに興味を持ってもらうきっかけになるのでは無いかと考えた。
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電話ボックスは日常に溶け込み街の一部として存在しているが、電話の形の移り変わりと共に普及したスマートフォンの影響により、電話ボックスの数は減少傾向にある。防災的な理由から公衆電話がなくなることはないと言われているがほとんど使う機会はなく、一昔前のイメージがある電話ボックスには身近でありながらもレトロな魅力がある。
しかし、夜になるとその表情は一変し不気味な雰囲気をまとう。その不気味さから数々の都市伝説や怖い話、かけてはいけない電話番号などが存在し、オカルトの題材としてよく使われる。遮断された空間や電話が鳴る可能性に対する恐怖、非日常感からオカルト的な魅力を感じる。
このように”レトロ”と”現代”、”日常”と”非日常”という2つの面を持ち合わせる「電話ボックス」は「日常と共に移り変わるレトロカルチャー」というコンセプトに合っているためモチーフに取り入れた。
目的:
それぞれの時代の良さや、日常から逸脱できるレトロカルチャーの魅力、カルチャー移り変わりの面白さをVR映像を用いた体験で感じてもらう。
コンセプト
・日常と共に移り変わるレトロカルチャー
・時代の変化
・日常の中の非日常
成果物の仕様
実際に電話ボックスサイズの空間を作成。その中でVR映像(VRゴーグルでの視聴)を通してレトロカルチャーを体験してもらう。作品は2~3分程度の映像にする。
- 試作動画
実際に電話ボックスの中にいるような視点を味わえる
イメージ
制作ツール
・blender
・Premiere Pro
プロジェクトの期間
2022.04.08 - 2022.12.23
まとめ
VRゴーグルを用いることで没入感を演出することができた。配置するアイテムを工夫することで各時代での変化をつけることができた。調査を通して、カルチャーの移り変わりと時代の移り変わりはとても強く関係していることに気づけた。
調査
現状調査
- 電話ボックスの減少理由と無くならない理由
「公衆電話」は緊急時に誰もが有料で利用できるインフラとして提供されている。しかし、その役割がスマートフォンに代わり、設置台数は年々減少傾向にある。一方、電話線から電源を取っている公衆電話は災害時に強いというメリットがあるため今でも設置されている。
参考リンク・・・「公衆電話」がなくならない理由とは?
- 電話ボックスと周囲とのギャップ
人通りの少なさと電話ボックの放つ光のギャップに違和感、不安感を感じるため恐怖を感じる
- 外の様子の分かりにくさ
電話ボックスの中に入るとガラスの反射や音が遮断される影響もあり、「周囲に意識が向かなくなる時間がある」というのが、人間の本能的に恐怖を覚える
- 電話が鳴る可能性
公衆電話が鳴るという可能性がこのような不気味な妄想を掻き立てる
公衆電話が鳴る理由は警察や消防等が公衆電話あてに折り返し電話した場合、NTTがテスト目的で鳴らす場合、固定電話からの間違い電話の場合がある
- 怪談やウワサ話による妄想の助長
怪談や怖い話、噂の舞台として定番化しており、電話ボックス=怖いという先入観が植え付けられているため
- ノスタルジーブームについて
Z世代の若者が取り入れるレトロ要素が話題となっている。激しくトレンドが移り変わる現代だが、ここ数年は「レトロブーム」の人気が絶えない。ルーズソックスなどの2000年代ファッションや、昭和のアイドルブームなどの音楽、などさまざまな分野において、過去に流行した要素が取り入れられたものが現代でも多く見られる。
レトロの魅力の一つは、現代社会にはない「不完全さ」だと言われている。Z世代と言われる若い世代にはアナログなのが逆に新しいというように、アナログさに魅力を感じる人が多い。さらに現代のものと融合し新しい「レトロ」を生み出し続けている。このように時代の連続性が生まれ、現代でもレトロ・ノスタルジーブームは絶えない。
またこれらは細分化し「病みの文化」と融合し新たなジャンルを生み出している。
細分化されたノスタルジー×病みカルチャーの世界
先行事例
技法・技術情報
プロジェクト管理
スケジュール
ToDo
-調査
-テーマ決め
-技術調査
-制作環境の準備(unityの導入)
進捗記録
2022.12.2
作業内容
- 昭和電話ボックスの中
入れるアイテムメモ
音楽(レコード)、喫茶店(レトロ喫茶の看板、メニュー)
を空間内に散りばめる
レコード、レコードプレイヤーのモデリング
モデルにしたレコードプレイヤー
2022.11.25
作業内容
- 平成電話ボックスのモデリング
試作段階から作り直し
細かいものを追加
- 平成電話ボックスのVR
問題なくVR動画として書き出せた
2022.11.18
作業内容
- 昭和電話ボックスのVR
中にいるような視点
レンダリングが歪むのでカメラの位置を調整
2022.11.11
作業内容
- 電話ボックス内のデザインの変更
時代ごとに移り変わるカルチャーをモチーフにした方がわかりやすいので変更
昭和の電話ボックス
↓
平成の電話ボックス
↓
輸入レトロ
現代のノスタルジーカルチャー
- 昭和
旧電話ボックス、レトロな看板、ポスター、レコードのジャケット、レトロ喫茶アイテム、赤い郵便ポスト
- 平成
現電話ボックス、平成ギャル(緑のポスト、ガラケー、デコ携帯、レトロゲーム、インターネット)
- 現代のノスタルジーカルチャー
Dreamcore、Weirdcore、Traumacore
2022.11.04
作業内容
- 試作動画
水の中にいるような不思議な空間
水に浸かっている感じが表現できなかったので作り直し
ライティング、配置を工夫すると水の中にいるように感じる
2022.10.28
作業内容
- 試作動画
長方形の箱の中にいるような視点に修正できた
箱の質感を変えたのでより電話ボックス感が出た
2022.10.21
作業内容
- 試作動画
視点がおかしなところにあるため修正が必要
2022.10.14
作業内容
- VRイメージラフ
ノスタルジー×病みカルチャーをモチーフに6展開
可愛いと退廃的なものをイメージ
- VRデフォルト景色の制作(ノーマル電話ボックス)
2022.10.07
作業内容
- 実例調査
東京に行く機会があったので豊洲のチームラボとNTT ICCの展示を見に行った
- チームラボプラネッツ
・・・Body Immersiveというコンセプトをもとに超巨大な作品に身体ごと没入することによって、身体と作品との境界を曖昧にし、自分と他者と世界との境界を連続的なものに変え、私たちと世界との境界のない新しい関係を模索する作品を展示している。
実際に水の中に入ったり裸足で作品の上を歩いたりすることで全身で作品を感じることができた。
- 『ICC アニュアル 2022 生命的なものたち』にて展示されている《The View from Nowhere》の見学
・・・体験者自身がこれまでの人生で培ってきた知覚と運動の関係性,これまでの経験(あるいは未来の予測)から生まれる記憶と「今」の関係性,の双方にズレを生じさせることで,一人称でも三人称でもない世界の見方,その視点へと近づくための装置。
立体音響とVRの組み合わせにより臨場感、感覚がわからなくなる体験を味わえることができた
- アイデアのまとめ直し
ARにこだわらずVR(ゴーグル)と空間演出と音でノスタルジー×病みカルチャーを体験できる空間を作る
電話ボックスの中で繰り広げられる異常現象をショートVRムービーで制作する。
現実世界にはボックスを設置し空間の狭さを実際に演出する。
VRの空間の感じは現実のボックスのサイズとリンクさせる。
できればVR映像を操作できるようにしたい。
- VRゲームの開発について
2022.09.30
作業内容
2022.09.23
作業内容
- Unityの操作確認
- Unityでの操作確認ができないので調査
原因:パソコンの容量不足、自分の携帯との相性が悪い
解決方法:別のパソコン(windows)で再構築する?
2022.09.16
作業内容
- UnityでのVRアプリの制作
Unityでアプリが動くようにした方がさまざまな形式でVRを展開できそう