Illustration

本来の意味は、書籍や広告の中に置かれる図解や挿絵、すなわち「図版」のことですが、現在は拡大した解釈で用いられています。
マスメディアを通じたコミュニケーションを目的とする「絵」であり、拡大縮小、トリミング、また画面上に文字が載るといった加工が前提となります。画面に 手を加えることのない「絵画」とは区別されます。



画材

顔料・染料(有史以前~ 炭、鉱物、砂、土、葉、花、貝殻、血)
油絵の具 15C ファン・アイク
水彩絵の具 18C ターナー等 イギリスにて

筆記具
筆 BC4500 彩陶にその痕跡
ペン BC3500 エジプト 葦の茎 ※pan 鳥の羽
メタルポイント 15C 金属の棒(鉛筆の原型)
鉛筆 18C ドイツ バヴァリア鉛筆から

鉛筆・色鉛筆

 鉛筆は、我々にとっては、筆記具として最もなじみ深い存在です。 木製の軸のなかに黒鉛を主成分とする芯を埋めこんだもので、工業製品として世界的に知 られるようになるのは18世紀ドイツのバヴァリア鉛筆から。 現在、9Hから6Bまで17種類の硬度のものがあって、これは描線の反射率(すなわち黒さ) によって分類されています。
 一方色鉛筆は、色彩表現に用いられる画材のとして最もポピュラーなもので、一般的には、硬質(ルモグラフ等グラフ作成や製図用)・中硬質(一般的な絵画 デザイン用)・軟質(ダーマトグラフ等マーキング用)の3段階のものがあります。
 その芯の形成は、鉛筆の場合、微粉砕された黒鉛と粘土を練り合わせ、脱水、押し出し成型、乾燥、焼成、油脂・樹脂の含浸という手順で行われます。 色鉛 筆の場合は、着色成分として黒鉛のかわりに白亜・アルミナを染料で着色したものや着色合成樹脂などが用いられる点と、高温での焼成を行わない点が異なるだ けです。
 

パステル

 パステルは少量のメディウムに顔料を混ぜ圧力をかけて固めたもので、そのアイデアは17世紀ごろに生まれ、18世紀のはじめにはパステル画というジャン ルでパリを中心に普及しました。
 メディウムの濃度の差で、ソフト・セミハード・ハードに分類され、色名と明度番号(0から8の階級)で特定できます。
 パステルはメディウムが少ないため、色が鮮やかで、そのものの色と紙に塗ったときの色に差がないといった長所がありますが、一方で混色が難しい、定着力 がないなどの短所もあります。
 

インクとペン

 インクの原型は、油煙を膠やゴム質などのメディウムに混合したものです。 それは中国・日本など東洋地域では墨汁として古くから利用されてきたものです が、ヨーロッパでは、古くは主な成分に木材のタールを用いる「ピスタ」や、コウイカの墨をベースにした「セピア」なども用いられていました。 12世紀以 降は主として「ブルーブラックインク」(空気に触れて酸化すると青黒く変化する化合物溶液)と呼ばれるもの、今日ではカーボンを水に溶かしてつくる「ブ ラックインク」や水溶性染料による「色インク」が使用されています。
 ヨーロッパで発達したペンは(鳥の羽根(pan) に由来する)このインクを鋼鉄のペン先につけながら描く筆記具で、アルファベットの書体はこの「ペン」で描くための線であるとも言えます(アジアにおける 毛筆と漢字、ヨーロッパにおけるペンとアルファベット、情報を記録するメディアはそうした文化の根源的な部分にまで大きく影響しています)。
 ペンの形態には、一定の太さで描くのに適した標準的な「かぶらペン」、漫画家がよく利用する「Gペン」、製図やテクニカルイラストレーションに利用され る「丸ペン」などがあります。
 

絵具と筆

 水彩・アクリル・油彩などに大きく分類されるのですが、基本的には顔料は同じで媒質がそれぞれ異なると理解すればよいでしょう。
 水彩絵具は、18世紀後半からイギリスを中心に広まったもので、メディウムとしてはアラビアゴムが利用されますが、メディウムに対する顔料の割合や顔料 の粒子径をコントロールするなどして透明性を変化させて、透明水彩・ポスターカラー・グワッシュなどと区別します。 透明水彩はその名のとおり透明性が高 く、重ね塗りをすると下の色が透けます。 ポスターカラー・グワッシュはともに不透明ですが、その差は、グワッシュのほうが品質が高く、粘性が高いといっ た点にあります。
 アクリル絵の具は、ビニル絵具などと同様に合成樹脂をメディウムとするもので、1930年代ごろからの壁画創作運動に関連して発達しました。 絵具の接 着力が強いため、紙以外でも布・木版などの吸収性のある媒体が相手であれば描画が可能で、また調整剤によって様々な表現効果を得ることができるため、その 応用範囲は広くなります。
 油絵具は、植物性の乾性油をメディウムとするもので、一般に溶剤の調合によりその乾くスピードをコントロールしながら様々な表現効果を得ます。 15世 紀のヨーロッパにおいて考案されたと言われ、はじめは白の地塗りをした板に描いていた(ファン・アイク)が、17世紀後半になるとキャンバス(画布)に描 くのが主流となって、今日のスタイルが確立しました。
 さて、筆ですが、これは中国では文字の歴史とともに、ヨーロッパでは美術の歴史とともに発達しました。 今日では洋画用の筆として、フラット(平筆)・ フィルバート(筆先が楕円)・ラウンド(丸筆)・ファンブラシ(扇筆)などの区別があって、日本画用としては平筆(平塗り)・削用筆(一般の線描)・面相 筆(細線描)・則妙筆(墨描き)・彩色筆(彩色)・隈取筆(ぼかし)といった区別があります。

マーカーその他

 上記以外にも現在多くの画材があって、俗にマジック・フェルトペンなどと呼ばれるマーカー(1949年アメリカで最初に発売。油性と水性の区別がある) や、インスタントレタリング・スクリーントーンなどの転写型の画材、カラーペーパー・グラフィックテープといった直接貼るタイプのものなど、用途に応じて 使い分けられています。

キャンバス・紙

 キャンバスは、麻布にニカワを塗って乾燥させ、その上に白く地塗りをほどこしたものである。肖像・静物画用、風景画用、海景画用など縦横比の違いで区別 があり、そのサイズは号数で表わされますが、紙のように倍々で考えられる単位ではないため注意が必要です。ちなみに100号がほぼ等身大の大きさです。
 紙は、一般に和紙と洋紙とに分けられますが、絵を描く場合や、印刷が前提となる場合は洋紙を用います(和紙はその耐久性から、長期保存すべき文書に用い られる他、障子・襖・照明器具など建築・工業デザインの材料としても用いられています)。洋紙は、その原料として、植物から抽出したセルロース繊維の集合 体すなわちパルプを用います。 パルプには機械パルプ(原木を機械的にすりつぶしたもの)と化学パルプ(圧力釜で薬品で煮てつくる)ものがありますが、そ の製紙のプロセスなどによっても様々に分類されます。

参考資料 : Wikipedia, 画材大全(1996),美術出版社






絵画メディアの特質


絵画は画家の目(脳)を介して描かれている/言語の介在/文化の問題

※時間を凍結する西洋/空間を犠牲にする日本

写真以後、絵画は具象・写実といったものから解放

ペン→アルファベット / 毛筆→漢字
持つ道具(メディア)が変わると表現や内容にも影響する

※肖像画は一人と二人では料金が異なる

絵画が”自由”になったのは様々な意味で印象派以後

中世までは絵主文従の時代。また、画家は”認可された職人”であった
絵画は教義の解説のためのイラストであり数々のルールがあった。
                  小松・高橋「絵の言葉」

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