日本の伝統的画像

絵巻物

段落式構図と連続式構図
右から左へと展開(前者は詞書と絵が順に繰り返される)

視点の移動1
時間軸に沿って移動する視点(登場人物は反復描写される)

視点の移動2
近づいたり遠ざかったりする視点(遠近感の変動)

俯瞰描写と斜線描法
吹抜屋台 順勝手(右上→左下)と逆勝手のリズム

場面転換
山・川・霞・空白・襖・杉戸などによる場面転換


水墨画・山水画

上下遠近法
上の方から遠景→中景→前景

観賞スタイルとしての臥遊
見る者が画中に分身を送り込んで歩きまわる


浮世絵

組作品
東海道沿いを旅の時間に沿って構成する等の発想

不完全な透視遠近法
多数の消点と遠近感(多視点)が存在する風景

切りつなぐ発想   
一度バラバラにした部品(目鼻)を再編集した役者絵

遠景・近景の接続
地平線・水辺の線・霞などによる場面接続

その他
無理に切りつないだ構図 線で表された雨 大きな落款




日本人の視覚と美意識

西洋と日本 その視覚と世界観

西洋人の視覚:
 視点を固定(透視遠近) 明確な自我 時間の凍結(一瞬を永遠に)
日本人の視覚:
 視点の流動(空間的歪の容認) あいまいな自我 時間の流れ(無常観)

日本文化の特質(日本文化論のキーワード)

侘び・数寄・いき・風流 /  絶対性の放棄 未完の美 流動的な美
自然美と芸術美の包括 軽微な平衡破却  流動するスタイルの容認
作り手の内側にない要素を取り入れる発想
間・空洞(うつぼ)
切り・つなぐ を前提とした間  あいまいな境界
目的のない中空構造  異界との交流
ことば・音楽・舞・・ 情報の構成要素は未完のまま 間 を介して接続される
ヤオヨロズの神(VS  一神教)
木の建築(VS 石の建築)
風呂敷(VS トランク)
再生し続ける音楽(VS凍れる音楽)
絶対的なものを想定しない
多様性と"手続き"の重視
完結・永遠に対する諦め
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」(平家物語)
「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」(方丈記)
|  PAGE TOP |


日本文化論

文献紹介

「甘え」の構造   土居健郎
「いき」の構造   九鬼周造
菊と刀   ベネディクト
タテ社会の人間関係   中根千枝
中空構造日本の深層   河合隼雄
日本人とユダヤ人   ベンダサン
日本人のイメージ構造   岡田晋  ← 私の師匠です。
「日本文化論」の変容   青木保
風土   和辻哲郎
文明の生態史観   梅棹忠夫

その他、講談社現代新書には、日本人・日本文化に関するものが多数あります。
|  PAGE TOP |



日本人の特質(脳科学の仮説)

弱気で神経質(?)

 日本人は一般に不安を感じやすく、弱気で神経質だと言われています。
 これには「弱気」遺伝子(セロトニン・トランスポータSS型)が関与していて、 その型の存在する率はアメリカでは20%弱ですが、日本人は70%近くになると言われます。セロトニンは幸福感と関連の深い脳内物質で、それが回収されや す い(常態としてセロトニン不足になる)日本人は、弱気で諦めがはやい(よく 言えば、優しくて慎重、気が細やか)タイプと言われます。

新奇追求性の欠如(?)

日本人は新奇追求性に欠けると言われています。脳科学の知見によれば、 ドーパミンD4遺伝子が長いほど、新奇追求性が高くなります。そして、長いD4受容体 の人は欧米人の50%以上に対し、日本人では数%しかいません。
 

ネオテニー

 日本人は平均身長に対して脳が大きい(相対脳重が大きい)ようです。
 理由は「ネオテニー」つまり幼形成熟だと言われます。一般に、厳しい環境でネオテニー 化することが多いと言われ、日本人の主な源流である北方系モンゴロイドでは、 シベリアという厳しい環境に適応すべく、ネオテニー化が進んだと考えられています。

特殊な日本語

世界中の言葉は、共通祖先のような原始言語から派生していますが、日本語は 主たる系統からは遠く離れた末端に位置します。「脳レベルでも日本語の特殊性 が現れていて、たとえば、漢字用の脳領域とカナ用の脳領域が別々に作られた りする。こんなことは他の言語ではない」(澤口)  さらに角田(1981)によれば、日本語は母音の頻度が高く(欧米の言語は子音 中心)、母音と質を同じくする楽器の音や虫の声など、多種多様な音声が左脳 で処理されているといいます。音楽も自然の音も言語と渾然一体となって処理されているという点で特殊な状況にあると言えるでしょう。

※参考資料 澤口俊之「日本人の本質」 /  角田忠信「右脳と左脳」


余興 私の好きな「日本」

桂離宮  写真(宮内庁)
桂離宮は八条宮家初代の智仁親王(1579年 - 1629年)によって築かれた「観月」をテーマとした別荘で、第二次世界大戦後は、宮内庁が管理しています。
書院(古書院、中書院、新御殿の3棟)は、入母屋造・柿葺(こけらぶき)で、回遊式の庭園には、桂川の水を引き、茶屋(松琴亭、賞花亭、笑意軒、月波 楼)、築山、州浜、橋、石灯篭などが配されています。
|  PAGE TOP |


KEYWORD LINKS

Googleイメージ検索へのリンクです。


絵巻物

大和絵
水墨画・山水画
浮世絵


近・現代の日本画
川合玉堂
下村観山
富岡鉄斎
前田青邨
横山大観
伊東深水
上村松篁
鏑木清方
竹 久夢二
加山又造
東山魁夷
平 山郁夫


注意

Googleイメージ検索へのリンクでは、検索結果の画像がすべて本人の作品であるとは限りません。あくまで参考程度でご覧下さい。