Proverb Motion
ことわざ3DCGアニメーション
- 銘苅和輝
- Keywords:3DCG,ことわざ,映像,アニメーション,
概要
これは何?
ことわざを3DCGアニメーションでたのしく学ぶ
背景
インターネットやSNSなどの普及により、自分から得たい情報を得る世の中になり、ことわざや本から得る古い知識、普遍的で語り継がれてきた情報に目を向ける機会が少なくなっています。また国や地域によって様々なことわざがあり、大衆的に知られていないようなことわざもたくさんある。文化や価値観の違いで多様なことわざが存在し、ことわざからその国の特性や考え方などが見えてくると思います。
目的
- 3DCGを使って視覚的に、そのことわざが何を伝えたいのか表現しTikTokなどSNSを活用し、ことわざを楽しく学んでもらう。
- 新しい情報だけじゃなく、古い情報からでも時代こえて何か新しい発見や気づきのきっかけを作る。
コンセプト
- 3DCG アニメーションに登場する動物や生き物のビジュアルを一眼見て好奇心や疑問を持ってもらうために、ローポリと呼ばれる少ないポリゴン数で形作られた 3D オブジェクトを登場させ、視覚的な情報を最小限に抑える。
- ファーストインプレッションで「なんだろう?」「おもしろそう!」という気持ちにさせるため、キャラクターや全体的なビジュアルを追求する。
- 映像の最後の部分で、文字情報のことわざと音声を差しこむ。
成果物の仕様
- 1本30秒ほどの映像を4本制作。
- Tiktok,Instagram,Youtube Shortsなどにアップロード
制作ツール
- Blender
- Premiere Pro
- DaVinci Resolve
プロジェクトの期間
2022.4.8 - 2022.12.23
まとめ
試作の段階で表現したい世界観を形作ることはできたが その世界観を保ちつつキャラクターの動きなど、クオリティ を高めるため細かい部分を調整する際、Blender のような 3DCG ソフトは 3D オブジェクトの形、動き、環境の光など 全てが調整可能なため、自分で区切りをつけながら作業する のが難しい点だった。しかし、制作を重ねるごとにイメージ したものを思い通りにモデリングする技術や、キーフレーム を使ったアニメーションの機能など、Blender の技術的な部 分は前期よりも高められたので、技術面以外でことわざと3DCG の親和性を高めながら制作を継続していきたい。
調査
現状調査
全国大学生協連が2月に発表した学生生活実態調査では、1日の読書時間が0分という大学生が半数近くに上った。高校時代に読書をしていない人の多くが大学に入っても本を読まない傾向にあるという。またその傾向の原因の一部がインターネットやSNSの普及であり、わからないことはネットで調べればいい。だから本は読まなくていいと考えてしまう人が多い。
- 大学生の48%が読書時間ゼロ 中→高→大と進む本離れ
- ネットがあれば本は不要? 大学生の過半数が「読書0時間」時代に考えてみた
中間発表での調査
以前の中間発表でことわざが好きかどうか教室にいる人に手を挙げてもらって聞いてみた時に嫌いな人より好きな人の方が多く、アニメーションにすることわざを選ぶ時にことわざが嫌いな人、好きな人どちらにも興味を持ってもらうためには、学校では習わないような海外のことわざをアニメーションにするべきだと感じた。
国が違えば、ことわざも違う!
記事はこちら
調査結果
普段SNSやネットの情報ばかりみている人や、ことわざのことが好きでも嫌いでもない人に対して、古い情報からの新しい気づきを3DCGアニメーションで生み出す必要があると考えました。また自分なりの3DCGの表現のおもしろさと、ことわざをバランスよく組みわせる必要があると感じました。
先行事例
おべともチャンネル ことわざアニメ
独特でカラフルな世界観を持ったアニメーション作品で、ユーモアのあるキャラクター同士のやりとりが作品の見やすさ、ことわざを知る、学ぶということを簡単にしている。
ことわざ慣用句の百科事典
ことわざ、慣用句、有名なことわざなど50音別に検索できる機能や、ことわざクイズ問題、中学生向けことわざなど、勉強する学生に向けたWebサイト。
ことわざ慣用句の百科事典はこちら
技法・技術情報
molistudio Reel 2021
Blenderでキャラクターを動かすための技術
音の表現
プロジェクト管理
スケジュール
ToDo
- ことわざ選び
- 絵コンテ
- 映像に登場するモノや生き物のモデリング
- 食虫植物のモデリング
- TikTokとInstagramアカウントの作成
進捗記録
2022.10.7
流体シュミレーション 試作
牛乳がこぼれる様子をBlenderの機能の1つである、流体シュミレーションを使って表現した。流体シュミレーションひとつをとってもさまざまな機能や設定があり、難しかった。
参考にした動画1
参考にした動画2
2022.9.30
Mixamoの問題
Mixamoのモーションが違うデータをうまく統一する方法を見つけることができた。またBlender内の編集機能で、Mixamoのデータのタイムラインを自由に設定することもできたので、今後キャラクターの動きはMixamoを使用する。
参考にした動画
2022.8.26
3Dっぽさ
地面のオブジェクトにグリッドをつけ隆起させ、立体感を持たせたがあまり効果的な画にはならなかった。
ワールドノード
背景に色をつけカメラに映ってはいけない範囲を無くしたことでアングルの幅が広がり、より立体的な画にできた。またカメラの設定を並行投影にすることで、アイソメトリック(等角図)な画にすることができた。
参考にした動画
2022.8.12
Mixamo
「歩く」という動きだけでもボーンを動かすとなると複雑で、歩くために必要なボーン1つ1つにキーフレームを打つ必要があり複雑。
Mixamoというサイトを使えば簡単に3Dオブジェクトに動きをつけることができ、様々なジャンルの動きを無償で使うことができる。
使用例
Blenderで制作した3Dオブジェクトをfbxファイルで書き出し、Mixamoにアップロードするとこの画面に辿り着きます。顎の位置、手首の位置、肘の位置、膝の位置をそれぞれ設定することで自動的に3Dオブジェクトにボーンをつけてくる。
試作
- mixamoを使用して、歩いている動きのデータを牧場に配置しました。
問題
- 持ち物を持った状態のデータをmixamoにアップロードすると正しく反映されない
- 歩いた後にどう転ばせるか
2022.7.8
キャラクター
キャラクターのビジュアルを見て好奇心や疑問を持ってもらうため、目や顔をなくし、癖のある動きを持たせるためにこの3Dオブジェクトを制作しました。またアニメーションの題材に合わせて被り物や持ち物を変えて表現。
試作
- 歩いている時の動きと転ぶ動きを調整しながら制作しました。
問題
2022.6.24
音声
3DCGアニメーションには実写の映像とは違い、音の情報が存在しない。なので身のまわりにある道具や、自然の音などをアニメーションの題材にあわせて音を集めたり、必要に応じて音を作る必要がある。
キャプション
3DCGアニメーションの再生が終わった後、ことわざとその意味を文字情報と音声インターフェースで差し込む。このアニメーションが何を表現していたのか、文字情報と視覚的な情報、音の情報という様々な面からアプローチし、より記憶に残る映像にする。
2022.6.17
キーフレーム
アーマチュアを使ってボーンを動かすためにはキーフレームというものを使う。0秒から5秒の間にどれだけ動いて欲しいのか1つ1つのボーンを動かしキーフレームを打つという方法で3Dオブジェクトに動きをつけていく。
アーマチュア
3DCGオブジェクトを動かすためにはアーマチュアという機能を使う。これを使うことでオブジェクトに骨格を作り機構学的にオブジェクトを曲げたりできる。また、アーマチュアの1つ1つを形成するオブジェクトのことをボーンという。
試作
- (test 01)簡単なオブジェクトにボーンをつけて歩いてるような動きをつけました。
- (test 02)牛、柵、草をモデリングし牧場を制作しました。
2022.6.11
ことわざの選定
覆水盆に返らず
一度起きてしまったことは二度と元には戻らないという意味。自分が高校生の時、英語の授業でこのことわざを聞いて、自分の記憶の中に濃く残っていて最初にこのことわざを選んだ。(英語だとIt is no use crying over spilt milk.)
物語の流れ
牧場にいる農夫がバケツに注いである牛乳を誤ってこぼしてしまう。
2022.5.27
中間報告
- 短い映像で印象付ける内容やビジュアルの追求
- 映像化しやすいことわざの選抜
- ことわざが嫌いな人に対してどうアプローチするか
2022.5.13
プロジェクトの変更
3DCGアニメーションとことわざ
- スマートフォンやSNSが発達している現代において、本などのアナログな情報に触れる機会が少なくなっている。そのアナログな情報の中でもことわざは小学生3,4年生になると習う機会があるが、国や地域などによってあまり知られていないことわざが存在する。それらを3DCGのアニメーションで表現し、より視覚的に、端的に、理解しやすく表現することで、学び、楽しんでもらう。
2022.4.22
調査
- 実際に育てる食虫植物をWebやARで表現するためにはまず育てて、その特徴などを知る必要がある。
先行事例
- Ben Newell
- Ben Newellさんは、YouTubeやTikTokなどで植物を育てる動画をあげており、テラリウムという陸上の生物をガラス容器などで飼育・栽培する技術で、植物を水槽の中で育てるというイメージ。Webや3Dなどといったコンテンツよりもわかりやすいし見やすいと感じた。
2022.4.15
調査
- Webを使った植物図鑑
- LOVEGREEN
- 写真と文字情報がまっていて、どんな植物がどこにあってどう育てるのかが書いてある。
- 3DとARを組み合わせた生物図鑑
- CT生物図鑑
- 動物の骨や昆虫などが精密にスキャンされ、3DCGとして実際にカーソルを動かして細かく見ることができる。しかし文字情報はLOVEGREENに比べ少ない。
企画
- 調査を行い見つけたサイトの要素を組み合わせて、3DCGを使った食虫植物図鑑的なモノを作る。
2022.4.8
テーマ案
- 3DCGアニメーションをまとめたWebサイト
- Blenderを使用して食用植物のような動きをするCGアニメーションをWebサイトで公開する
- ドキュメンタリー映像
- JR九産大駅近くにある欣ちゃん(NEW KICHIN KINCHAN)の1日に密着したドキュメンタリー映像
- 創英角ポップ体を使用した展示
- 街中の張り紙や看板で使われることが多い創英角ポップ体。文字が大きく、バランスが悪い印象を受けるフォントをいかにカッコよく見せるか映像やWebサイトで表現する。
調査
- 食虫植物を3DCGやWebで表現したときの選抜
- ドキュメンタリー映像としての映像の構成や人から情報を抜き出す能力