道端ミュージアム
道端にあるものに芸術的価値を見出し、3Dにして価値を共有する。
- 古賀 旭
- Keywords:Web, VR, AR, XR, 3D
- 試作ページ
概要
これは何?
Webページ上にマップを表示し、道端にある草や標識、オブジェなど様々な物に芸術的価値を見出して共有する。
背景と目的
- 背景
- コロナ禍でインドアな生活が続く中で、外出時に道端で見かけるような草花や標識、変わったオブジェに関心を持つことが少なくなっている。そんな中、SNS上で綺麗な草花や変わったオブジェの写真や動画に多くのレスポンスがある。以上の事から、人々は外にあるオブジェクトに興味はあるものの、外出するには至っていないと考えた。
- 目的
- 外に新しい発見を持ってもらう為に道端にある物をGoogle マップのようなサイトで紹介する。
- 3Dで紹介する事によって、オブジェクトを詳細に見ることができ、利用者にインパクトを与えることができる。インパクトを与える事によって、道端にあるオブジェクトに関心を持ってもらえるようになり、外出を促すことができると考えている。
コンセプト
- 道端にあるオブジェクトに関心を持ってもらうために、3Dデータで紹介する。
3Dデータで全体を詳しく見ることができる為、大きなインパクトを与えられる。
- データ化したオブジェクトは、実際に撤去されてもデータ上にアーカイブとして残せる為、後の時代にも伝える事ができる。
成果物の仕様
- 成果物の詳細
- マップ表示(Leafletライブラリを使用)
- 3Dデータを表示(A-Frameライブラリを使用)
コンセプトサイト
制作ツール
- ハードウェア
iPad Pro LiDAR Scaner
Canon EOS 9000D
- ソフトウェア
- 3Dモデル制作
Polycam
Blender
Meshroom
- Webページ制作
Adobe Dreamweaver
Atom
Openstreetmap API
Leaflet
A-Frame
プロジェクトの期間
2022.04.08 - 2022.12.23
まとめ
- 今後の課題
- 公開するWebサイトをどのようにして周知していくか
- 3Dデータによって圧迫される通信量をどのようにして削減していくか
調査
現状調査
3Dを活用したWebサイトや作品展示に工夫を凝らしているWebサイト、3Dデータが実際にどのような使われ方をしているのかについて調べる。
作品の展示方法
現在多くの個展サイトや企業サイト、美術館サイトにて動きのあるWebサイトで展示している。作品自体に動きをつけたり、ブラウジングの中で様々なアクションを起こすことで来場者に興味を持ってもらうという試みが伺える。
浜松市秋野不矩美術館
WHAT MUSEUM | 寺田倉庫
書家/墨象作家 宮村弦
HIROKO KOSHINO コシノヒロコ展
3Dデータの活用
既存の作品を3Dデータ化して保存するという試みは広く行われている。一例として秩父神社の文化財である「つなぎの龍」を3Dスキャンして細かな形状を記録し、高精度な3Dプリンターでフルカラーで出力するなどの事例がある。
文化財を3Dスキャニング。フルカラー3Dプリンターで展示物として出力(秩父神社/原製作所)
調査結果
現在のWeb上での展示方法や3Dデータの活用方法から、作品を3Dデータ化して公開する試みは、新しい展示の方法として確立できる可能性があると考える。
技術面において具体的な3Dデータの掲載方法が確立されていないことが、3Dデータ展示の普及の足がかりになっていると考える。
先行事例
オンライン美術館HASARD
実際の美術館に所蔵されている名画をオンラインで高精度に再現している。スクロールして作品と注釈を次々と見られる。
オンライン美術館HASARDのリンク
3dtotal.jp
CG、デジタルアートなどを最新情報、ギャラリー、チュートリアルを提供しているサイト。インターネット最大級のオンラインデジタルアートコミュニティである、3dtotal.comの日本語版。
3dtotal.jpのリンク
Google マップ
最大級のマップサイト。地図が見られるだけでなく、様々な場所にリンクが付与されており、クリックするとその場所の写真やストリートビューが見られる。
このUIを参考にして地図上に設置されているピンをクリックすると、その場所にあるオブジェクトを見る事ができる仕組みを目指している。
Google マップのリンク
技法・技術情報
Web上で3Dデータを読み込むライブラリ。
3Dモデルを、360°回せるビューワーとしてWebサイトに埋め込む方法 【A-Frame と model-viewer】
LiDARスキャナーを用いたデータ生成
【iPad / iPhone Proシリーズ】LiDARアプリ「Polycam」で3Dスキャンをする
フォトグラメトリを用いたデータ生成
【フォトグラメトリ】Meshroomを使って3Dモデルを作る
プロジェクト管理
スケジュール
卒業研究Ⅰ
卒業研究Ⅱ
ToDo
- 3Dモデル(obj, gltf)の順次掲載
- オープニングアニメーションの搭載
- Leaflet上に各自メニューの搭載
- ビューワー上にオブジェクトについての説明を掲載
- ビューワー上に戻るボタンを設置
HTML上に簡易実装し、動作を確認する(A-Frame, <model-viewer>,Leaflet)
進捗記録
2023.10.21
- Firebaseを用いたWebサイト公開
- 展示作品の追加及び、初回に限りモーダルウィンドウ表示でチュートリアルを表示するオプションを追加。(cookieの削除で再表示可能)
- 任意でチュートリアルを表示するオプションを実装予定。
- オープニングアニメーション搭載に際して、ヴィジュアルテーマを変更。
2023.10.14
- チュートリアルの仕様変更
- 初回閲覧閲覧時に強制表示し、Cookieに情報を保存する他、メニューから再度チュートリアルを表示させるプラグインを導入した。
- オープニングアニメーションを実装
- ホーム画面を開く際、ローディング画面とオープニング画面を表示する機能を実装する。
2023.10.07
- チュートリアルの実装
- 初回閲覧時に限り、操作方法やUIについての説明を行うチュートリアル画面を実装する。
- cookieに閲覧情報が保存される為、再度チュートリアル画面を表示する為の機能を実装する予定
- オープニングアニメーションを実装
- ホーム画面を開く際、ローディング画面とオープニング画面を表示する機能を実装する。
2023.09.30
- 3Dモデル掲載サイトについての仕様
- Leafletを用いた地図データを参照する形式で3Dモデルを掲載するシステムについて、大まかなバグの修正が完了した為、システム面でのビルドは終了し現在完成している状態をベースにUIの改変を行なっていく。
- 後期の研究の方向性について(追記)
- 3Dデータの新規掲載を続けていくと同時に、UI、UXの開発として、HPを開いた際のスタートアップアニメーションやチュートリアルなどを順次実装していく。
2023.09.23
- 芸術的価値観についての追記
- トマソンの路上観察における無用な長物に基き、データ収集の対象として、スキャン可能な大きさの建造物も対象とする。
- 後期の研究の方向性について
- 前期、夏季休暇中に収集した3Dデータを集約し、掲載するWebサイトのUI、UXを改善する事を目指す。
2022.09.16
- 夏季休暇中の進捗
- 3Dデータ取得に関するGoogle Spread Sheetをまとめる
- 引き続き、道端のオブジェクトをスキャン、3Dデータ化を行う
- コンセプトのブラッシュアップ
- 芸術的の観点についての補足
- 「超芸術トマソン」における、「路上観察における無用な長物」を美術品として保存するという概念。