ビルの窓ガラスに映る時間軸と空間を記録するタイムラプスと写真による研究
タイムラプスと写真でガラスに反射する世界の魅力を伝えるWebサイト
近年、福岡市は大規模な再開発により、多くの主要なビルの外観はコンクリートからガラス張りへと建て替えられている。一般的にビルの特徴として、無機質で冷たく、時間の変化がないように感じるといった印象があるが、ガラス張りのビルの場合、ここに加えて周囲の景色を反射するという特徴が存在する。鏡のようなガラスに映り込む景色には、空の色彩や雲の形状の変化によって時間の移り変わりが反映され、表情豊かなビルの一面を感じられる。しかし、情報量の多い現代社会において、このような身近に存在する魅力を無意識のうちに見逃しているのではないかと考えた。
そこで本研究では、無機質なビルにも存在する時間の流れをタイムラプスと写真で表現し、ビルの反射する景色を発信することで、日常での視覚的な気づきを与えることが目的である。具体的には、ガラス張りのビルやガラスを基調とした建物を対象にタイムラプスと写真を撮影し、Webサイトに掲載する。さらにそのようなデザインのビルが増加したことの要因や、その影響を考察する。
プロジェクトの期間|2023.04.14 - 2023.12.22
被写体となる高層建築の現状(ガラス張りのビルの増加した要因)
① 電気代の削減
自然光を取り込めるため電力の使用を軽減でき、結果として省エネ効果が期待できる。
② ビルの軽量化
コンクリート外壁は重量があるため、ビルを支えるのに膨大なコストを要する。外壁に軽量なガラスを使用することでコスト削減になる。
③ カーテンウォールの採用
構造上の荷重を負担しない間仕切り壁と同様の非耐力壁であるカーテンウォールの採用によって、ガラスを外壁に使用したデザインのビルを建設しやすくなった。
#image(): File not found: "logo.png" at page "山田洸太/卒業研究" |
本研究及び制作を通じて、「人工物であるビルと自然物である空」、「その場に在り続けるビルと常に変化をし続ける空」という二つの視点での対比を行なってきた。これらの相反する二つの要素を映像や写真の中で融合させることで相乗効果が生まれ、新たな美しさを表現することができた。その研究内容の発信の場として制作をしたWebサイトは、シンプルかつシームレスなものに仕上がり、タイムラプスと写真を通じて、都市の在り方やビルの印象に関して、新たな価値観を発信できた。今後は、シネマグラフなどの新しい表現手法を取り入れることで、さらにコンテンツを充実させていく。
【参考】
誘目性の向上を目的としたスライドショーを設置。
西鉄福岡駅で撮影を実施。
パララックスを活用し、トップページ下部に概説の配置を実施。
場所:九州産業大学2号館
撮影間隔:2秒
場所:福岡ダイヤモンドビル
撮影間隔:3秒
ビルのイメージとして直線や直角など無機質な雰囲気を基調にしつつ、反射する雲や木々などをイメージして曲線などを取り入れ得る。
建物において構造上の荷重を負担しない、間仕切り壁などと同様の非耐力壁のことで、建築基準法では帳壁(ちょうへき)とも呼ばれる。建物が高層化すればするほど、外壁が重くなること、そして地震に耐える柔構造建築の場合、建物がしなることで外壁のガラスが割れることなどの問題が出てくる。カーテンウォール工法ならば、外壁は構造物に貼り付けるだけで、荷重を負担しないため軽量化が可能に。建物がしなっても外壁のゆがみは小さくなるため、ガラスが割れて飛散するような事態は減る。よく見られるガラス張りの高層建築では、多くが「カーテンウォール」を採用。防火に関しては、部位別に、外壁と開口部の規定が適用される。
引用元:東建コーポレーション"カーテンウォール - 建築用語"
https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?
(05.11更新)
参考
Google:html5 semantic template