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岩本愛結/情報デザイン研究II の履歴(No.14)


カワイイ☆まるっと大図鑑

サブカルチャー的デザイン要素研究ブック

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概要

これは何?

「サブカルチャー的なかわいいデザイン」を配色・タイポグラフィ・モチーフの3要素に分解・整理した図鑑風の研究冊子

背景と目的

現代の日本社会において、「かわいい」という価値観は身近な存在となっている。
ファッション、キャラクター、パッケージデザイン、SNS上のグラフィック表現など、さまざまな領域で美的基準の一つとして機能し、人々の感情や購買意欲にも大きな影響を与えている。
このように、「かわいい」は社会的にも文化的にも広く共有される概念となり、日常生活の中で自然に受け入れられている。

一方で、かわいい」という言葉は非常に多義的であり、人によって想起するイメージが異なる。
一般的には、「ガーリー」「韓国系」「ナチュラル/ミニマル」「フェミニン」「レトロ」などの系統が挙げられ、淡い色合い、柔らかい形状、花やリボンなどのモチーフを特徴とする“親しみやすい可愛さ”が想定されることが多い。
一方で、「夢かわいい」「甘ロリ」「デコラ」「地雷系」「病みかわいい」「パンクかわいい」など、サブカルチャー的な世界観をもった“かわいい”も存在している。

サブカルチャー的な“かわいい”は、既存の「清楚で愛らしい可愛さ」とは異なり、毒・闇・幻想・反抗・過剰さなど、感情の幅を拡張する表現を含んでいる。
それは単なる美的嗜好ではなく、個々の創り手が自らの感性をデザインとして可視化する行為であり、現代的な自己表現の一形態とも言える。
これらのスタイルは、もともとは服飾文化の文脈で発展してきたが、その後SNSやデジタルメディア上で視覚的表現として用いられたことにより、現在ではファッションを超えてグラフィックデザインやプロダクトデザインなど、多様な領域で展開されており、現代のビジュアル文化を読み解く上でも研究価値が高い。
したがって、“かわいい”を文化的・デザイン的現象として捉える際には、衣服や装飾にとどまらず、色彩や文字、モチーフなどの視覚要素による分析も有効であると考え、"かわいい"の中でも、「サブカルチャー的なかわいい」に焦点を当てる。

本研究の目的は、抽象的で感覚的に語られがちな“かわいい”という価値観を、デザインの構成要素の組み合わせとして捉え直し、分析・整理することである。
とりわけ、サブカルチャー的な“かわいい”に焦点を当て、

配色(カラーリング)
タイポグラフィ(文字表現)
モチーフ(形・装飾)
という三つの要素を中心に、各ジャンルの特徴を分析・整理する。

一般的な“かわいい”が社会的に共有された自然な可愛さであるのに対し、サブカルチャー的“かわいい”は、創り手が意図的に構築するデザインとしての可愛さである。
そのため、感覚的な“かわいい”をデザインの視点から理解する上で最も適した対象であり、“かわいい”の構造を明らかにする上で有効な研究領域といえる。
さらに、サブカルチャー的“かわいい”が持つ毒や闇、反抗性などの表現は、従来のかわいさの枠組みを拡張し、可愛さの多面性を明らかにする上でも重要な資料となる。

しかし、一般的な参考資料において、これらの要素を「かわいい」という視点から体系的に整理・比較した資料は多くない。
そのため、実際に「かわいいデザイン」を制作しようとする学生やデザイナーが、
どのように色や文字、モチーフを選べばかわいく見えるのかを判断する際の指針が不足している。
本研究の目的は、そうした課題意識のもとで、デザインにおける「かわいい」の構成要素を、配色・タイポグラフィ・モチーフの3つの観点から整理・分析し、単なる感性ではなく、情報デザインの構成要素として分析する試みである。

コンセプト

「かわいい」は、単なる雰囲気や印象ではなく、
色のトーンやコントラスト、フォントの形状や線の質、モチーフの象徴性や配置バランスなど、複数の視覚要素の組み合わせによって成立する。
本研究のコンセプトは、「かわいいを感覚から構造へ」と位置づけ、感覚的な印象として語られがちな“かわいい”を、配色・文字・モチーフといったデザイン要素の関係性として整理・可視化することにある。

成果物としては、サブカルチャー的“かわいい”の多様な系統を横断的にまとめた『カワイイ☆まるっと大図鑑』という研究ブックを制作する。
ページごとにジャンル(例:夢かわいい、病みかわいい、甘かわいいなど)を設定し、それぞれの世界観を構成する配色パレット、タイポグラフィ見本、モチーフコレクションを整理・提示する。
また、各ジャンル間の比較ページを設け、
トーン(淡い・強い)、形態(丸み・角ばり)、象徴(甘さ・毒性)といった視覚的特徴を軸にした分析的な比較を行う構成とする。

この冊子は、単なる“かわいい”資料集ではなく、“かわいい”を生み出す視覚構造そのものを観察・発見できるものとして設計する。
また、誌面デザイン自体も研究成果の一部とし、情報整理と、各ジャンルの世界観を視覚的に演出することを両立させる。

本研究は、サブカルチャー的“かわいい”を通して、
現代の感性がどのように視覚化され、デザインとして再構築されているのかを明らかにする試みである。
感覚的に語られてきた“かわいい”をデザインの構造として捉え直し、今後のデザイン表現や創作の新たな指針を提示することを目指す。


成果物の仕様

A4サイズの冊子(36ページ想定)

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⬆️台割 🔽レイアウト進捗

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制作ツール

Adobe Illustrator

プロジェクトの期間

2025.09.15 - 2026.01.06

まとめ




調査

現状調査

◆「かわいい」デザインの多様化と細分化
近年の日本社会において、「かわいい」は単なる“若年層向けのガーリーな意匠”を超え、感情・文化・価値観を反映する複合的なデザイン概念として広がっている。国境を超え進化する「kawaii」文化
SNS文化の発展やファッション、アート、キャラクターデザインなどの領域を通じて、「かわいい」は多様なサブジャンルに分化し、自己表現の手段として定着している。
特にInstagramやX(旧Twitter)、TikTok、youtube、PinterestなどのSNS上では、
ユーザー自身がクリエイターとなり、“かわいい”を自ら定義・発信・拡張していく文化が形成されている。
その結果、「かわいい」は単一の審美的スタイルではなく、価値観・感情・世界観の表現方法として多様化した。

以下は代表的なサブカルチャー的“かわいい”のジャンルである。

甘ロリ(Sweet Lolita):フリル・レース・パステルピンクなどを多用し、可憐でロマンティックな世界観を構築する。

夢かわいい(Yume-kawaii):パステルカラーやファンシーモチーフを通して、現実離れした幻想的な可愛さを表す。

病みかわいい(Yami-kawaii):“夢かわいい”を基調に、包帯・薬・流血など「病み」を象徴する要素を取り入れ、痛みや孤独を内包する。

ゴスロリ(Gothic Lolita):黒やボルドーを主調に、十字架・薔薇・レースなどを配した荘厳でクラシカルな美を追求する。

原宿ポップ/ネオンポップ:ビビッドな配色やチープさを前向きに捉えたカラフルな構成で、ストリートファッションやネット文化と深く結びつく。

特にこれらのサブカルチャー的“かわいい”は、既存の「清潔・無垢・親しみ」といった“かわいい”の枠を逸脱し、毒・闇・反抗・過剰性を積極的に取り込むことで、自己表現・感情表現・アイデンティティの象徴としても機能している。

◆マーケティング・ブランド戦略への導入
「かわいい」はすでに商業的価値を持つものとして確立している。
PRキャラクター、観光ポスター、企業ブランディングにおいても“かわいい”が積極的に用いられ、消費者の感情や共感を喚起する手段として機能している。
特にKawaii文化を活用した企業戦略は、海外市場でも「Cool Japan」の文脈で注目されている。
また、“かわいい”は商業デザインに留まらず、アート表現の批評的テーマとしても展開している。
例として、メンヘラチャン10周年展では「病みかわいい」という感情の可視化を通して、個人の孤独や社会的違和感を“かわいさ”の中に包摂する表現が提示された。
また、「毒×かわいい×デコラティブ」を主題とする展示あさくら画廊ーUNLIMITED CREATORS STORE-では、装飾過剰と異形性を肯定する美学が示され、“かわいい”の概念を再定義する動きが見られる。
こうした動向は、“かわいい”が単なる感覚的カテゴリーではなく、社会的メッセージや個人の情動を媒介する表現形式として扱う動きも見られる。

◆感性の流動性と「かわいい」概念の曖昧化
 “かわいい”という語は、時代や文脈によって意味を変化させ続けており、固定的に定義することが難しい感性概念である。石川なつ美は、日本語における「かわいい」が単なる形容詞としての機能を超え、共感や場の調整を担う語用論的な役割を持つことを指摘している。これは、“かわいい”が必ずしも客観的な審美基準によって使用されるものではなく、状況や話者の意図に応じて柔軟に意味づけられる言葉であることを示している(石川, 2016, 『東京女子大学言語文化研究』第21号)。

一方で、社会文化的には、“かわいい”がかつての「共有される美意識」から、「個人の感情表現」や「自己アイデンティティの言語化」へと変化しつつあることが指摘されている。例えば、東京都市大学による「『かわいい』を巡る意識と行動」(2020)では、年代や性別によって“かわいい”と感じる対象・行動の範囲に大きな差が見られ、かわいい感性が均一な価値観ではなく、各個人の経験や所属文化に依存していることが明らかにされた。

以上の知見から、“かわいい”は共通の審美的価値としての概念ではなく、個人の感性や文化的文脈に応じて多義的に変化する流動的な感性概念であると考えられる。したがって、かわいいデザインを研究する際には、この流動性そのものを前提とし、固定化されたジャンルや美的基準ではなく、時代・文化・個人の感情が交差する現象として捉える必要がある。

このように、“かわいい”は誰にとっても身近でありながら、
共通の定義を持たない概念である点にこそ、デザイン研究としての意義がある。
その多義性・曖昧性こそが、造形的に分析すべき対象といえる。

◆現状における問題点と研究の必要性
こうした“かわいい”の多様な広がりに対して、デザイン構成の観点から分析・整理した資料は多くない。
市販のデザイン書籍やWeb資料では、「配色見本帳」「フォント図鑑」「モチーフ素材集」などの実用書は多数存在するが、それらはあくまでスタイルの模倣や素材収集を目的とした断片的な知識にとどまっている。
学術研究においても、「かわいい」を心理学的・社会学的・文化論的に扱う研究は増えている一方で、視覚構成要素の組み合わせによって“かわいい”を生成するデザイン的構造を分析した事例は極めて少ない。

そのため、実際のデザイン制作において「かわいい」を再現・応用する際の構造的理解や判断基準が不足している。
そのため、「かわいい」をどのような色・形・質感・構成が支えているのか
異なるジャンルの“かわいさ”がどのように差異化・重なり合っているのか
それらをどう体系的に理解・応用できるのか
といった視点は、依然として未整理のままである。


先行事例

技法・技術情報

プロジェクト管理

スケジュール

ToDo





進捗記録




2025.10.13

資料収集・整理

レイアウト進捗

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🎀発表準備🎀

テーマの確定
・メインビジュアル(仮)
概要欄の記入(背景,目的など)
調査欄の記入(現状,先行事例,技術・技法)
プロジェクト管理欄の記入(ToDo,スケジュール)
台割記載
・進捗記録:試作(9/15,9/22,9/2910/6, 10/13

zoomの環境確認

・通信環境のチェック
・画面共有のチェック
・マイク/カメラのチェック
・3分
・プレゼンテーションモード‼️



2025.10.06

🎀発表準備🎀

テーマの確定
・メインビジュアル(仮)
概要欄の記入(背景,目的など)
調査欄の記入(現状,先行事例,技術・技法)
プロジェクト管理欄の記入(ToDo,スケジュール)
台割記載
・進捗記録:試作(9/15,9/22,9/2910/6, 10/13)
ーーーーーーーーーーーーー
・zoomの環境確認
・通信環境のチェック
・画面共有のチェック
・マイク/カメラのチェック
・3分
・プレゼンテーションモード


台割

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レイアウト進捗

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資料収集・整理

参考




2025.09.29

❤︎かわいい(配色・タイポグラフィ・モチーフ)研究ブック❤︎

資料収集・テーマ整理

メインタイトル案

カワイイ∞大図鑑
カワイイ∞だいずかんっ!!
カワイイまるっと☆大図鑑
まるっと♩カワイイデザイン大図鑑
サブカル☆デザインコレクション
サブカル❤︎デザインコレクション
Charme Collection     "魅力のコレクション"
Singular Charme Collection "特別な魅力のコレクション"
Twinkle Charme Collection  "輝く魅力のコレクション"



🎀発表準備🎀
テーマの確定
・メインビジュアル(仮)
・概要欄の記入(背景,目的など)
・調査欄の記入(現状,先行事例,技術・技法)
プロジェクト管理欄の記入(ToDo,スケジュール)
・進捗記録:試作(9/15,9/22,9/29,10/6, 10/13)



2025.09.22

❤︎かわいい(配色・タイポグラフィ・モチーフ)研究ブック❤︎

‼️色彩研究は既存の文献が豊富で独自性を出さないといけない

資料収集・テーマ整理(Adobe Color・Pinterest)

先行事例

ガントチャート🗓️






2025.09.15

個人的関心(趣味・体験・日常の困りごと)

社会的課題(環境問題、高齢化、都市、教育など)

デザイン領域(グラフィック、映像、UI/UX、サイン、空間など)

テーマ3案出し➡️"かわいい 〇〇 のガイドブック"

1️⃣かわいい”レシピ本”

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⬅️ごはんのレシピ本は"かわいい"の方向性が違う家庭的な温かみを感じるデザインが多い
➡️スイーツのレシピ本はかわいい/ときめくデザインに近いものが存在する
‼️おいしそうなごはんを作るのがむずかしい
👉ずぼら飯にして料理工程はシンプルに、本のデザインに力を入れる?
色の統一感:ピンク+黒
小物で演出:クロス・箸・カトラリー・グラスなど
レシピ:簡単手順のみで、あくまでおまけ感覚
💡ポイント
料理は簡単でも、撮影・盛り付け・配色で“雑誌風かわいい”を作る
ページごとにテーマカラーや小物を変えると誌面にリズムが出る
卵・おにぎり・パスタ・サンドイッチで日常ごはん系のバリエーションを出す
左:大写真
右:材料と作り方(3〜4ステップでOK)+小さなデコや吹き出し


2️⃣かわいい 色の組み合わせ パターン集