心のアクアリウム
感情を視覚化するツールの提案
- Tomoe HARA
- Keywords:feelings, visualization, 感情のラベリング (Affect Labeling)
概要
これは何?
「感情のラベリング」に着目し、感情を視覚化できるツールを提案するものである。
その人自身の感情と向き合い、感情を把握し適切にアウトプットするための方法を研究者自身で試し、検証と改善を重ねて最適なツールを提案することを目指す。
背景
「感情のラベリング」とは、出来事などに伴う感情の動きを言葉で表現することを指す心理学用語である。
感情のラベリングによって、自分自身と向き合うことができ、気分の向上など精神的な健康に前向きな効果があると考えられている。
感情を言葉にする方法には、文字に表すことの他に声に出すといったものもあるが、本研究では、感情を可視化することに注目した。
目的
感情を視覚化するための方法、ツールを提案する内容のPDF書類を公開する。
コンセプト
「アクアリウム」について
感情を可視化するための空間を「アクアリウム」という概念として描き出す。
脳内と海はという未知の領域が多い両者から着想し。その人の感情を表現する精神的、また物理的な空間を水槽に見立てている。
成果物の仕様
提案書(PDF)
プロジェクトの期間
2025.04.11 - 2025.12.26
まとめ
中間審査
- 当ページの「調査」欄は、ボリュームが増した場合個別のページにまとめる。
- 目的達成のための調査は、研究の期間を通して継続する予定。
- 視覚化することと、アクアリウムというコンセプトとの関連づけについて、さらに検討したい。
- ゴールが見えるような試作の提示
調査
現状調査
- 英語の aquarium の語源
- ラテン語「aquarius 水瓶」から
- 魚を飼育するための小水槽や養魚池や、小水槽をいくつも展示する建造物としての「水族館」も意味する
- 感情ラベリング - Wikipedia
感情のラベリングでは、通常はネガティブな感情を表現することに重きが置かれている。
感情のラベリングという考え方以前に、日記や対話を通して自身の気持ちを言葉にすることは行われてきた。感情調節の方法の歴史は、心理療法やセラピーの実践にも見られる。
感情のラベリングが精神的な健康へのポジティブな効果があることは指摘されているが、この分野の研究はまだ初期段階にあると考えられる。
- Amazon 検索 - 「感情」,「言語化」
この二つの言葉で検索して見られる書籍タイトルが持つ視点には以下のようなものがある。
自分と向き合う, 言葉にすること, 対人関係, ストレス軽減, 語彙力, 心の働き, 心の健康
先行事例
参考文献
- 内田 詮三, 荒井 一利, 西田 清徳, 日本の水族館, 2014, 東京大学出版会
英語の aquarium の語源についての出典
プロジェクト管理
スケジュール
卒業研究スケジュール(Google スプレッドシート)
ToDo
進捗記録
2025.06.27
- 概要集の作成を進めた
- 図版の準備、アイデアスケッチ
2025.06.20
以下のふたつが有力候補
- Adobe Illustratorの「鉛筆ツール」を使い描く(画像)
- 色鉛筆を使って紙に描く(画像)
2025.06.13
内面の表現方法・制作したいもの(アウトプットの形)
- ドット絵 / ピクセルアートの制作(画像)
- 本を読みそれを基に文章を書く(紙)
- Adobe Illustratorの「鉛筆ツール」を使い描く(画像)
- 色鉛筆を使って紙に描く(画像)
2025.06.06
今後のテーマの方向性
2025.05.23
テーマの方向性の変化
他者(ターゲット)に、「感情のラベリングツール」を提案する必要性に疑問を感じた。
- メンタルヘルスや自己理解のための感情ラベリングは、その人それぞれが少なくとも納得できる方法を取るのが望ましいのでは?
- 方法例1:紙にありのままの気持ちを書き出し、それを捨ててしまう
- 方法例2:SNSにその時の感情や思いを投稿する
- 方法例3:定期的な日記として感情や思いを書き出す
上のような例は無数に考えられる(また、声に出すなど必ずしも視覚化される方法ではないこともある)。特定の層への求心力を持つ「ツール」の考案は、感情のラベリングをする人に自己理解や健康的生活に良い効果をもたらしたいという思いを果たしづらくし、本末転倒になるのではと考えた。
制作
※テーマ内容の方針転換について考えるにあたって、今週の感情のラベリングツールの制作活動は進んでいない
2025.05.16
キーワードメモ:言語化、視覚化
調査の継続
2025.05.09
キーワードメモ:心的表象、象徴(シンボル)、メタファー
タイトルについて
感情のラベリングツールの提案 →感情を視覚化するツールの提案
上のように変えてはどうか?
- 現在のサブタイトルには、可視化・視覚化というキーワードが含まれていない
これからどうする?
先行研究、具体例を調べる
- 感情を表す言葉
- 日本語の単語で考える
- 網羅的に表現するか、「好き」や「不安」など特定の感覚に絞るか
- なぜ感情のラベリングなのか?
- 初めに注目していた語彙力と精神的健康についての背景とは
- 心の表現方法:
造語を組み立てる・キャラクターとして表す・イメージとして思い浮かべる・単語として書く・文章として書く・図形に変換
調査
2025.05.02
キーワードメモ:メンタルヘルス、感情制御、意識、無意識
テーマ案の検討
「心のアクアリウム」感情のラベリングツールの提案
感情やメンタルヘルスなどの興味関心をもと再設定した。
- ジャーナリングと感情のラベリングの共通点、相違点とは?
- 可視化する方法について考えたい。
- アクアリウムとの関連性について考えたい。
調査
- ハンズ - 書く瞑想「ジャーナリング」とは?やり方や内容、効果を高める方法までご紹介
「書く瞑想(ジャーナリング)」では浮かんだ言葉をありのまま書くことで考えや気持ちが明確になり、自己への理解を深める効果が期待できる。これは感情のラベリングにも通ずる点だと思う。
- 感情を言葉にすることの効果とは(要約)
感情制御(Emotion Regulation):感情の性質、持続する長さ、および強さを調節すること
この記事では、「感情ラベリング(Affect Labeling)」が感情の制御にとって重要だという考えが紹介されている。
その心理的効果として、苦痛の軽減を挙げている。それは、感情制御の他の方法(困難な状況を積極的なものに再解釈するなど)の結果と似通っている。
2025.04.25
惹かれるもの:語彙の豊富さ、自分の感情を自分の言葉で表現する、メンタルヘルス
アイデアスケッチ(Google ドライブ)
※アイデアスケッチの画像はこちらで公開します。
テーマ案の検討
「TIDE(タイド) 気分の潮位」について
「TIDE(タイド) 気分の潮位」潮位をベースに気持ちを可視化するツール
ウェブアプリの形が良いかどうかを検討してみる
- 誰が使うものになるか
- 自分:自分を実験台として試し、結果を元に提案?
- 誰か:使ってもらえるものを提供?
- 「心の状態」の表現方法と出来上がる形はどんなものになる?
- 数値を取りグラフ化・絵・文章や日記
- 一枚絵にしてそれをとっておく・スマホで記録を重ねる
- 月の引力は人の体調に影響するのか→潮位の変化による人体の影響はあるのか
- 心の状態、精神状態の可視化と、それをすることでどのような効果があるかについての先行事例
- 「潮の干満との関係」と「心の状態の可視化」どちらを根底に持ってくるか
- 重視したいものによっては潮位との関連を持たせなくて良いのかもしれない
調査
- SDGsマガジン - なぜ「語彙力」を鍛えるとストレスを軽減できる?「感情のラベリング」の重要性とは
「やばい」という言葉の浸透と定着から考えることができる、人々の語彙力の低下について触れている。
&color(foreground[,background]){text};:自分を理解し、出来事やそれに伴う感情を適切な言葉で表現すること
気持ちを言葉にすることで、精神的な健康に良い効果があると思われる。
- 神戸東洋医療学院 付属治療院 - 月と陰陽
東洋医学でも、月の満ち欠けと人の健康との関係について考えることができる。
『陰陽論』のような、「陽」と「陰」で世界のありさまを説明する概念に、月の満ち欠けの周期が関連づけられる。
東洋医学の古典書である『黄帝内経(こうていだいけい)』には、月の周期が健康に影響することについて記載があるそうだ。
- 日本経済新聞(2024年9月6日) - ナショナルジオグラフィック
満月の前に人の睡眠時間が短くなる傾向がある。この記事の時点で、人が引力のかすかな変化を感じ取れる証拠はまだ無いそう。まだわからないことが多い領域。
一部の女性の月経周期が月の周期と一致する可能性がある。双極性障害患者の気分の変化が月の周期と同期すると見られる研究もある。
2025.04.18
惹かれるもの:心、精神状態、悩み、可視化、自分と向き合う、内面
スケジュールを更新(工程表の枠組み)
テーマのアイデア出し
- 「TIDE(タイド) 気分の潮位」追記
- グラフが波や潮の干満みたいに見える
- こういうものがあれば、自分でも使ってみたい
- ウェブアプリでなくても実現可能?手帳、ハンコなどもいい
- 関連英単語:wave (波), swirl (うずまき) , ocean current (海流)
- 「自分の哲学」私の考えることや世の中の疑問を語る
調査
2025.04.11
スケジュールのスプレッドシートを準備中
テーマのアイデア出し
- 「TIDE(タイド) 気分の潮位」潮位をベースに気持ちを可視化するウェブアプリ
- 「心のアクアリウム」ふしぎな生き物の水槽を作り、心の状態を可視化するツール
- 「雑草が人工物に現れる場所と状態を元に分類、名付ける」
「ゴキブリのアニメーション〜週末世界の旅と哲学的問い〜」
「リミナリティ、混沌、秩序から連想したアンビエント動画」
調査
参考文献について:https://design.kyusan-u.ac.jp/OpenSquareJP/?Article